満足の夜2
「レイ様相変わらずおそよう様だな~朝ご飯冷めちゃったけど食えよ?あっねぇ訊きたいことあるんだけど?」
翌朝というより昼間近くクリスは中々起きないレイを揺さぶって起こしたためレイは不機嫌そうにクリスを睨んだ
「毎日俺様をこのように乱暴に起こすのはお前くらいだぞ…何なんだ騒々しい!!」
「僕昨晩さぁ龍神族の人見たんだけど…こんな田舎の地域でレイ様に続いて2人も出会うなんてレアだと思うんだよね~20歳くらいで髪は銀髪で長くてかなりのイケメンだったんだけど…そういう人知ってる?」
レイは何故か顔を一層不機嫌にして溜め息を吐いた
「そんなことかクダラナイ…知ってるも何もそれは…ゴホゴホゴホッ!!」
何かを言おうとして苦しみ出すレイ…どうやら祟り魔法に関わる話だったらしい
「あっ…悪いこと訊いちゃったみたいだねゴメン…レイ様が知り合いだったら名前くらい教えて貰おうかと思ってさ~僕こういうの初めてだからよく分からないんだけど気になって仕方ないんだ~どうやら一目惚れしたっぽいんだよね☆」
パチンッとウインクするクリスにレイは何故か顔を真っ赤にして固まり気味である
「りゅ龍神族の王族は大抵みな銀髪だ…そいつの事をよく知りもしないで貴様…ほっ惚れたなどといい加減な事を抜かすな!!」
凄い勢いで怒鳴られ睨まれる意味が分からずクリスはプゥと頬を膨らました
「何だよケチ~恋愛は平民だろうが貴族だろうが男だろうが女だろうが自由にする権利があるんだ…まして片思いくらいで怒られる意味が全く分からないんだけど?
僕の周りの友達はみんな割と一目惚れしちゃった~とかすぐいうよ?」
レイは目をパチクリさせながらクリスを見上げている
「クックリスの国では友人と気軽に恋愛話するのが普通なのか?俺様は周りで年頃のオナゴがそのような話をするのを見たことがない…」
「レイ様の国ってどんだけお堅い国なのさ…友人と恋バナって普通だと思うんだけどなぁ?
っていうか僕が女だって知ってたんだね
~そんな素振り見せないからてっきり気がついて無いんだと思ってたのに…」
クスッと笑うクリスにレイは気まずそうにフイッと顔を背けた
「とっとにかく俺様の前であまりこっ恋の話等するな…俺様はそのような話に慣れていないのだからな///」
真っ赤なまま俯くレイを見てクリスはケラケラ笑い出す
「レイ様いつも偉そうだし年上だって言ってた癖に…やっぱりガキじゃん…恋愛したことも無いっていうかそんな話するような友達いなかったりして…」
何気なくいった言葉にレイの表情が再び固まるのが分かる
まさか図星なんだろうか!?
「本当に心底無礼者だなクリスは…クダラナイ話はウンザリだ早くライを探しに行くぞ!!
朝飯を今すぐ魔法で温めろ!!」
「ハイハイ…もぅ言いませんよ~だ!!」
クリスは何となくレイの弱味を握ったような気がしてフフフッと笑った
あの月夜の銀髪の男性のことが分からなかったのは残念だが謎だらけのレイと少しだけ距離が縮まった気がして嬉しかったのである