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目覚め1

「レイ様!?どうして元に戻ってるの?」



元の年齢の姿に戻ったレイがいきなり現れたのでクリスは驚いている



「まぁ色々あってな龍神様が祟り魔法を解いて下さったんだ…もうお前に頼らずとも大丈夫だ…束縛術解いてやったぞ有り難く思って俺様の前から消えればいい…」



言い放ったレイをクリスは納得のいかない様子で見上げた



「束縛術解いてくれたのは有り難いけど…今まで散々こき使っといてたまたま元に戻れたからって僕を巻き込んだのを白紙に戻す気!?

僕の存在ってレイにとってそんなもんなの?」



「何か特別だとでも思っていたのか?

図々しい…心配しなくともお前の村の敵は俺様がとってやるし俺様がライと決着をつけた暁にはきちんとお前のもとにこの度の報酬を好きなだけ送りつけてやる」



レイがそう言い終えたと同時にクリスはレイの両頬を思いっきりつねった



「言いたいことはそれだけかい糞皇子…僕は報酬が欲しくてレイに遣えてやったんじゃないよ!?

そんなこともまだ分かってないなら意地でもついて行くよ?

この口如きでこの僕を突き放せると思ったら大間違いだ!!」



高々と宣言するクリスにレイはヒリヒリする己の頬を撫でながら微笑んでいた



「わざわざ逃げ道をつくってやったというのに馬鹿だな貴様は…そんなに俺様と離れたくないなら仕方が無い…足でまといにはなるなよ?」



レイにポンっと肩を叩かれてクリスは悔しそうにしている



「べっ別にレイなんかとは離れたくてウズウズしてるくらいだけど中途半端は嫌だから最後まで付き合ってあげても良いって言ってんの!!

何だよ偉そうに…いっとくけど魔法だったら僕絶対レイには負けないからね!?」



レイはプイッと背けたクリスの身体を後ろからそっと抱き締めた



「なぁクリス…俺に惚れたという話はやはり冗談だったのか?俺は惚れた女がいたとしてそういう時は本当は離れたくないものだと思うが…お前は違うのか?」



「何その質問ずるくない?離れたくないって言っても離れたいって言っても何か僕が不利みたい…レイってやっぱり性格が歪んでるんじゃないの?」


呟いてレイの腕の中からすり抜けてレイの方を見たクリスは困惑する

何故ならレイが思いの外悲しみに満ちた瞳でクリスを見ていたからだ



「ちょ…レイどうしたの?なんかその姿に戻ってから変じゃない?子供の姿の時とえらく違うっていうか…」

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