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龍神の力1

「祟り魔法の解けるかも知れない方法がある」


クリスにそう告げられてレイは嬉しかったがその方法をきいて困惑してしまった


「それは嫌だ…龍神族にとって龍の姿になるのは裸体を曝すようなものなのだぞ?

そもそもあの姿になると自我を失う恐れがある…他の方法はな…ゴホゴホッ!!」



祟り魔法を解く方法など探ったせいか魔法にあてられ今朝から高い熱を出しているレイは呟いた


クリスは熱覚ましの薬草を煎じている



「僕の裸はバッチリ見た癖に自分は見られたくないなんてズルいよな~」


クリスに冷ややかな目で見られていることに気がつきレイの身体は強張っている


「りゅ…龍の姿になったところで…ゴホッ龍神様に逢えるわけが…ゴホッゴホッ」


クリスはクスリッと笑っている



「逢えるよ僕と一緒ならね…僕に目をつけて家来にしたこと大正解だったって思うと思うよ☆」



レイは訳が分からず困惑している

龍神様とは龍神族を守護する立場の最も尊ぶべき神であり王族といえども易々会うことなど許されていない

クリスはその龍神に会って保護を受ければ祟り魔法が解ける筈だというが龍神と直接会う等まるでお伽話だ



「とにかくレイ様が龍の姿にさえなってくれたら僕が絶対に逢わせてあげるから我慢してくれない?

天界へは本来の姿でないと入れて貰えない決まりなんだ…」


クリスは真剣にレイを見つめながら煎じ終えた薬をレイの口元まで持ってくるがレイは咽せ込んでいて苦しいのか薬を飲もうとしない

最早喋るのもキツい様だ


「全くしょうがなさすぎ…レイ様後で怒らないでね?」



クリスは己の口に薬を含ませると迷うことなくレイの唇に重ねて無理やり飲み込ませた

ついでに魔力と精気を送り込んでいく突然の舌まで入り込んでくる長い口づけにレイは目を丸くしてクリスを突き放そうとするがクリスは暫くけして離してくれなかった


「ハァ…どう?楽になったでしょ?」


数分後唇を離して微笑むクリス

レイは確かにすっかり気分が良かったが頬の赤みは消えないどころかまともにクリスを見ることが出来ない



「レイ様まだ気分悪いの?」


覗き込むクリスにレイはボソッと呟いて布団を頭からかぶってしまった


「俺様は熱をそこまでして下げて欲しいなんて頼んでない…起きたら龍でも何でもなってやるから…少し放っておいてくれ…寝る!!」


少しふてくされているような声色のレイだった

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