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51 《閑話》 ガーランド王国、虹の伝説

 これは、リーリエが生きた時代からずっと後の時代のお話。


 ガーランド王国は、その美しい街並みと治安の良さから、世界中から人々が集まる観光大国として発展していた。


「わあ、虹だ……ねえ、お母さん、見て、虹だよ」

 賑やかな街の通りを母親に手を引かれて歩いていた幼い少女が、ふいに空を見上げて叫んだ。

 その声に、母親だけでなく、周囲にいた人々も思わず上を見上げて感嘆の声を上げた。


「まあ、本当ね、きれい……」

「おお、これが噂に聞いていたガーランドの伝説の虹か」

「素敵……これを見たら幸せになるんだって……」


 人々は、王城に架かる虹がなぜ頻繁に見られるのか、その理由は誰も知らない。ただ、王家の紋章に関連付けて、「きっと、神がこの国を祝福しておられるんだ」というのが、定説になっていた。


 王城のバルコニーから、平和な街並みを眺めていた国王エルバート三世は、いつものようにその場に(ひざまず)き、頭を垂れて手を組む。

 彼は、代々の王から一子相伝で引き継がれている極秘の史実を思い浮かべ、感謝の言葉をつぶやくのだった。

「天空神パラス様、大天使リーリエ様、プラム様、今日も平和な一日を迎えられますことを感謝いたします。これからも、どうか、この国を見守ってくださいますように……」


 今日も、〝目に見えない〟神の加護は王都の空を守り続ける。数百年の間、それは魔物だけでなく、大雨や大雪からも王都を守り続けてきた。

 そして、これからもずっと、永遠に……。


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