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2.オレ、試験あるって聞いてないんですけど



姉さんに言われるがまま姉さんと魔科学園に着いてしまった。因みに髪型は結局直してない。だってカッコイイんだもんっ


目の前には魔科学園の門がでかでかとある。

流石はこの国最大の学園だ、圧巻である。


「はぇ~でっかい」


門の先には学園の校舎であろうものが見えてはいるが門からその校舎までかなり距離があるみたいだ。


「待て」


門を越えようとすると姉さんがオレの肩を掴み止めてくる。ちょっと力強くないですかね?


「ここから先は別々になってる。昼休みになったら会いに行く」


「はえ?姉さん何言ってんのさ、これ一本道だぜ?遂に頭だけじゃなく目も悪くなったんじゃあ”あ”あ”ぁ”ぁ”!!!」


瞬間肩からゴリゴリと磨り潰されるような音が聞こえた気がした。


「それじゃ、先に行ってるぞ愚弟」


痛みに悶絶しているオレを横切りながら姉さんは門を通過する。

瞬間、痛みに半目になってしまっている視界には姉さんが消えるのが見えた


「へ?」


間抜けな声が漏れ出してしまったがどうやらこれが魔法なのだろう。

今まではテレビとかぐらいでしか見たことはなかったからどこか実感がなかったが実際見るとちゃんと驚くものだ。


「まぁ行くか…」


魔法やら科学とかは正直よくわからんが結局は学校なのだ。

ならば青春を送ることには問題無いだろう。そう、オレの青春ライフが始まるのだ!ガッハッハッハ!


門に向かって大きく一歩を踏み出す。


地面に足がついた瞬間、視界が切り替わる。


目の前に火の玉が迫ってきていた。


「ファァァァァッ!!!」


死ぬ気で身体を横にずらしてみたらギリギリ避けることができた。


「やっと来ましたか。黒田 鉄さんですね?遅刻により5点減点です」


後ろから声がしたので振り向くとそこにはトンボの羽がついたカメレオンが居た。


「え…きしょ…」


「教師に対しての暴言、10点減点ですね」


カメレオンの口がパクパクと開きまた同じ声が聞こえる。


「今は試験中です。この試験の結果によりクラスが決まりますので頑張ってください」


そういうとカメレオンはブゥンという音とともにどこかへ飛んでいってしまった。


わ、わけがわからん

試験?試験だ?まぁ試験って言ってたから試験なのだろう。だが火の玉が出てくる試験とは?


てか…


「試験があるなんて聞いてないよお姉ちゃぁぁぁあ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”!!!!」


思いっきり吹っ飛ばされる。というか背中が熱いッ!!!あぢゅいよぉ!!

まさかさっきと同じ火の玉か?いったいどこから…


「ギャハハハハ!!!もっと燃えちまえッ!!雑魚共がよぉッ!!!!」


絶対コイツやん…

見れば両手から何発も火の玉を出してる赤髪短髪の女子が悪魔のような笑みで暴れていた。


というかよくよく見てみると周りは何か魔法やらで生徒たちが戦っているらしい。

えぇ…なんかみんな電気みたいなもん出したり銃とか剣とかめっちゃ使ってるんですけどぉ…


「うん、ここ辞めよう」


冷静に考えた結果この学園には通いたくないという結論に至った。


普通に考えて説明無しでこんな戦場ぶっこまれるのはおかしいだろぉッ!!

死ぬ!普通に死んじゃう!


「いや、もしかしたらここでオレの秘められた力が覚醒して無双するのでは?」


そういうことかッ!!オレの青春無双学園ハーレムが始まるということかッ!!


「フーーハハッハッハ!!」


「おいッ!!あそこに半裸の変態がいるぞッ!!やっちまえ!!」


これからの輝かしい未来に思いを馳せていると爆音だけだった中言葉が聞こえてきた。


「はて、変態もいるのか…やっぱ辞めようかな…」


困ったな…やはり天才というのは変態が多いのだろうか…。


「ごふぅッ!!!」


頭にすごい衝撃が走る。

どうやら石をぶつけられたようだ


「君ら見境無さすぎないッ!?痛いんですけどぉ!!?」


振り向くと3人の武装した男子生徒がこちらを向いて構えていた


「うるせぇ!この変態野郎が!!」


変態?オレが?


「オレのどこが変態っていうんだ!!」


「自分の恰好見てみろよ!!」


自分の恰好だ?うむ。学ランではないが悪くなぁい。


「何も問題ないじゃあないか!!」


「ちげぇよ!後ろだバカ!!」


後ろ?

都合よく横に氷の柱が立っていたのでソレを鏡にして自分の背中を見る。


「なッ!!」


見ると制服の後ろ半分が綺麗になくなりオレの後ろだけが綺麗に生まれたままの姿となっていた。


「これじゃあびんぼっちゃまスタイルじゃあないかッ!!」


思わず膝から崩れ落ちてしまう。

これは変態と言われても仕方がない。オレの青春ライフが既に暗雲が見え始めている…。


「あの変態、魔力切れか魔抜ケ(マヌケ)だ!!」


「ふっ…」


「な、なに笑ってやがる!」


変態だろうが関係ないッ!!そう!オレは今すんごいピンチ!だがこのピンチはオレの力が覚醒する前兆!!来たれ!オレのチート能力!!!


「ストーンバレット!」


ふっ、なんだその魔法といえばで出てくる初級魔法みてえな名前の魔法


「そんなのオレのチート能力には敵わっ」


みぞおちにクリーンヒット。


「ゲボロシャァ!!!」


て、てめぇ…。これさっきオレの頭に当てられたヤツじゃあねぇかよぉ…。


「ふっ…こんなもんかよ…」


「こ、コイツ…まだ笑ってやがる…ッ!!」


どうしよう…今日の朝ごはんこれ全部出たくない?これ内臓逝ってない?痛いぽよぉ…


「こういう時はなぁ…」


ゆらゆらと立ち上がる。


「逃げるに決まってるんだよォ~!!!」


後ろを向き全力で走り出す。


どうやらオレのチート能力は遅咲きのようだ。だから今回は逃げるぜ★

そう!これは戦略的撤退なんだよぉ!!


「ガハハハッ!体育の評価はそんな高く無いが逃げ足だけは誰にも負けないんだよぉ!!!ガハハハッ!!」


「あッ!!おいテメェ!待ちやがれ!!」


あれ?なんか追いかけてくるやつ多くない?もしかしてこれしっかり雑魚認定されてないか?


「ん?」


ふと後ろを見たら追いかけて来てた奴らが皆立ち止まってこちらを見ている


「ハッ!!オレの逃げ足を舐めんじゃあねえよ!!」


「んじゃあ俺様の火からも逃げてみろよ」


ん?なんか最初の方に聞いたような声…


前を向いた瞬間目の前には特大の火の玉があった。


火の玉を真正面から受け止め熱さと一緒に物凄い衝撃を全身に受け薄れゆく意識の中、消えた火の玉の先には真っ赤な髪の怖い笑顔をした女子がいた。





「やっぱ…辞め…よ…」







タイピングの速度がものすんごい遅い


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