19話
「武さん、何か大きな荷物が届いてますよ」
リビングに居た武に玄関から華林の声が聞こえてくる。
「およ?もう届いたのかな」
リビングから玄関に移動した武は荷物の確認をした。横幅が180㎝を超えるダンボール箱が玄関には置かれていた。
「なんどすかこれ?」
薫も興味津々に訊ねてくる。
「ふっふっふっ、これが俺の出した答えだ」
武はバーンとそう言うとダンボールをバリバリと剥がしていく。すると中には猫足の付いたバスタブが入っていた。
「バスタブでっか?」
「そう迷宮用バスタブだ!」
どうよと問い掛けてくる。
「どう使うのよ?」
咲夜が聞いてくる。
「これにドラム缶2つ位のお湯を使って風呂に入る。お湯なんざ咲夜の魔法で何とでもなるだろ?髪乾かすのも咲夜の風魔法でこうふぁさ~とした感じで何とかして、まぁ後は足元用に簀の子が必要かな?」
「まぁ確かにお湯は幾らでも用意出来るし風魔法で乾かす事も出来るわよ?それにしても武にしてはえらくまともな発想ね」
「何だよ俺にしてはって」
「でもこれじゃ丸見えになりませんか?」
華林が素朴に問い掛けてくる。
「あぁ~まぁ~、そこはパーテーションか何かを買って防ぐしかないんじゃないか?」
武はそう答えた。
「本当は見たいんじゃないの?」
咲夜がニヤッとしながら言ってくる。
「ばっおめぇそんな訳ないだろ!」
武は顔を赤くしながら反論する。
「あら残念だわ。武は私の身体に興味が無いのね」
咲夜が心底残念そうに言う。
「武はんは、うちの胸には興味津々なのに裸には興味ないんどすか?」
薫も乗っかってくる。
「私は武殿になら素肌を晒しても構いませんが」
朱鳥も朱鳥で真面目に言う。
「はわわわわわわ」
華林は顔を真っ赤にしている。
「えぇ~い、止め止め。この前の文句に対する俺の結論はどうなんだ」
武は変な方向に話の流れがいくのを止め、皆に聞いた。
「良いと思うわよ」
「うちも賛成どす」
「私もそれで構いません」
「私も良いと思います」
女性四人がそれぞれ感想を述べた。
「なら後はドラム缶と簀の子とパーテーション買うだけだな」
「それとうちらの着替え等を入れる鞄の準備どすな」
話の流れは買い物に移っていき、その日は皆で長期キャンプに必要となる物を買いに出かける事になった。
暫くは一日の迷宮か二日がかりの迷宮を攻略する日々が続いた。
その日は皆で組合に行く事になった。何の事は無い休息日に武が暇潰しに組合に行くと言い出したら咲夜がそれに私も付き合うと言い、朱鳥も付き従う運びとなり、なら私たちも行くと薫と華林が付いてくる事になったのだ。
「何だよ別に皆して付いてくる事なかったのに。只、組合に行くだけだぜ?」
渋谷駅から山手線に乗りながら武は言う。
「良いじゃないの偶には皆で組合に行くのも。この頃は私たちも殆ど組合に顔を出していなかったし」
「そうどすなぁ、武はんが夜に組合行ってばかりどしたし」
そうなのだ皆が一緒の屋敷に住んでいる為、行く時も帰る時も一緒になるので自ずと組合に行き鑑定や依頼受けは武の仕事となっており女性陣は組合に行く事が減っていたのである。
「まぁ言われてみればそうかもな」
武もそうかもなぁと考えた。ぼんやりと電車内を見渡すと他の探検者たちの姿もチラホラと見える、きっとこれから迷宮探索をするのであろう。新宿駅で電車から降りて皆で歩いて組合に向かう。スマホのアプリを使い組合内部へと入っていく。
「取り敢えずは依頼探すか」
2階のデータベース室へ向かい明日の依頼を探す。女性陣は武の後ろからその作業風景を見ている。良さげと思われる依頼を受けデータベース室を後にするが後ろから何やら声が聞こえてくるが内容までは分からなかった。
次に華林が買いたい物があると言い4階の購買部へと向かった。購買部では通常の武具道具類や組合が買い取った品やキャンプに必要な道具類等も売っている。華林は必要な薪やボンベを買い足していった。
そうすると組合でする事はもう何も無い。周りを見渡しても見知った顔も居ない。武はスマホで時間を確認すると。
「時間も頃合いだし食堂で飯でも食うか」
武の提案に女性陣は頷きエレベーターで19階の食堂へと向かう。19階に着いた時。
「おう!大和じゃねぇか」
そう声が掛けられる。振り向くとそこにはニコニコ笑いながら香月拓馬が立っていた。傍には五人の男女も居た。
「香月パイセン、チッス!」
武はそう言い頭を下げた。
「おめぇらも今から飯か?」
「そうですけど」
「おう、そしたら俺が奢ってやるよ。何でも頼めよ」
香月は笑顔でそう言ってきた。
「え?マジっすか?」
「おうマジだ。何でも良いぞ、何なら一番高いヤツでも構わんぞ」
「え?マジでいいんすか?」
「おう男に二言はねぇぞ」
「じゃあゴチになります」
そう言い武は頭を下げる。
計11人で食堂に入り武は言われた通り食堂で一番高い和牛サーロインステーキ御膳を頼んだ。そしてそれぞれが食事を頼むと11人で上がり座敷席へと移っていった。
「取り敢えず、こいつ初めて会った事だし紹介しとくな。新庄菖蒲だ。俺の最後のチームメンバーだ」
香月はそう言うと一人の女性を紹介した。
「あたしは新庄菖蒲よ、ヨロシクね」
すこし垂れ目が印象的なキレイな女性だった。
「そしたらこっちも新規加入の紹介しときますね。こっちが氷室朱鳥でそっちが劉華林」
「氷室朱鳥と申します。どうぞよろしくお願い致します」
「劉華林いいます。民国人と日本人のハーフです。よろしくお願いします」
朱鳥と華林の二人も挨拶をする。
「それにしても大和君も四ノ宮さんも大丈夫そうで安心したわ。今は何級の迷宮に潜っているの?」
椎名涼子がそう言ってくる。
「今は7級の迷宮に潜っています」
咲夜が答える。
「それにしても香月パイセンたちって何かいやに嬉しそうだけど何かあったんすか?」
ステーキを頬張りながら武が聞いてくる。
「おっ知りてぇか大和」
香月がニヤリとしながら聞き返す。それに対し武はうんうんと頷く。
「実はなぁ~、・・・・・・デカい賢者の石を当てちまってなぁ」
香月が満面の笑顔でそう言ってくる。
「マジっすか!?」
「それはおめでとうございます」
武は驚き、咲夜はお祝いの言葉を述べる。
「18億だぜ18億!2週間も迷宮に潜ってた甲斐もあったってもんだぜ」
「18億!?マジっすか!」
「おう一人頭3億だぜ。いや~迷宮一発でこれだから探検者は辞められないぜ」
「うはぁ~凄ぇすねぇ」
武たち五人は驚きで言葉も出ない。
「それで鑑定が終わったのがついさっきだったって訳さ」
橘俊が笑いながらそう答える。
「かぁ~~、やっぱ賢者の石には夢があるなぁ~」
武は唸りながらそう言う。
「おう大和、賢者の石には夢が詰まってるぜ」
香月が笑いながら言ってくる。
「しかし2週間潜りっぱなしどすか」
「あら4級迷宮になると1週間潜りっぱなしも結構多いわよ?2級以上になると1か月以上潜るとかもざらよ。攻略になると1年以上掛かるんだから」
新庄がそう言ってくる。
「はえぇ~そないにどすか・・・」
薫が呆れ返る。
「あ、あの食事中に聞くのも何なのですが、そんなに潜っているとお風呂とかどうしてますか?」
華林が聞いてきた。
「お風呂?お風呂なら私が水魔法使えるし、菖蒲がポーターを兼任しているのよ。だから浴槽は菖蒲に預けてるわ」
涼子が華林にそう答える。
「おっ香月パイセンたちも浴槽使ってるんですね。どうだ俺の考え方は正しかっただろ?」
武は我が意を得たりとばかりに咲夜、薫、朱鳥、華林の四人を見渡す。
「新庄さんはポーターも兼任されてるんですか?」
「ん?そうよ無限袋も持っているしね」
「あっ私も持ってます無限袋。通常型ですけど」
「あらならあなたがポーターなのね?私の無限袋は固定型よ」
「やっぱり固定型って良いですか?」
華林が新庄に尋ねる。
「そうね、やっぱり通常型に比べると使い勝手が良いわよ?氷や生鮮食品等がそのまま入れらてるのが大きいわね」
「やっぱりそうなんですね。通常型だとそこら辺をクーラーボックスを使ったり考えながら入れないといけないので」
「大きい所はそこよね。まぁ私たちは結構レトルト食品で済ませたりしたりもするしね」
「あっ私、料理のスキル持ってるんです」
「あら良いわね。迷宮内での食事はとても重要だからね」
華林と新庄がポーターについての会話に花を咲かせている。武はそんな会話よ横耳で聞きながら香月に問う。
「香月パイセン、固定型の無限袋って幾ら位するもんなんすか?」
「ん?固定型か?まぁ買うとなると通常サイズでも1億は下らないんじゃないか?」
「あぁやっぱそんなにするもんなんすね。じゃあ香月パイセンたちは1億貯めたって事っすよね」
ステーキを食べながら武が香月に問い掛けた。
「いや俺たちは6級迷宮探索の時に偶然、固定型の無限袋を手に入れてな」
「え”っ!6級迷宮で入手出来るもんなんですか?無限袋って」
「いや本当に偶然だぞ偶然。狙って手に入れられるもんじゃないからな」
「でも6級でも入手出来るのは確実って事っすよね?」
「まぁそうだがそれ目的で迷宮に潜るなよ。危険だからな」
武の言葉に香月は注意を入れる。
「それより大和君たちは6級にはまだ挑戦しないのかい?」
上杉雄作が訊ねてくる。
「う~ん、今年いっぱいは7級で来年辺りに6級に挑戦しようかと考えてるんすよね」
上杉に武は答える。
「それがいい。無理に進む必要は無い。慎重になり過ぎるのは良い事だ。2の倍数には気を付けないといけないからな」
松田雪人はそう答える。2の倍数とは1級2級・3級4級・5級6級・7級8級・9級10級と2づつ毎に迷宮の規模や敵の強さが変わる事を言われている。
「それよりパイセンたちは手に入ったお金って何に使うつもりなんすか?」
ご飯を食べながら武が何気なく香月たちに聞いてくる。
「そうだね僕は新築マンションを買う資金にしようと考えてるよ。今迄、妻や子供には賃貸で我慢させてきたからね」
「俺はマンションを買うか、もう少し貯めて戸建てを買うか決めかねてる」
上杉と松田はそれぞれがそう答える。
「あぁ~~俺ら探検者ってローン組めないっすもんね」
探検者あるあるその2は「探検者はローンが組めない」である。生命保険同様いつ死ぬか分からない危険な職業である為にローンが組めない。だから探検者が車や家等の大きな買い物をする時は常に現金一括である。
「ボクは彼女との結婚資金にあてるかな?」
橘はそう答えた。3億もの金額になると随分と盛大な結婚式になりそうだ。
「私は全額貯めるわよ」
「あたしも殆どは貯めるかなぁ?」
椎名と新庄が答え全員の視線が香月に注がれる。
「お、俺は貯めるかなぁ~?」
香月が少しきょどりながらそう言うと新庄はニンマリと笑い、椎名はしょうがないわねとでも言いた気にため息を吐いた。
「えぇ~香月パイセンが貯めるんすか?何か俺の中ではパーッと使いそうなイメージがあるんだけどなぁ」
武は何か納得がいかなかった。
「う、うるせぇ~俺にも色々とあるんだよ」
香月の声は小さくなりチームの男性陣は苦笑している。
「あ!新庄さん、もしかして・・・」
咲夜は目を輝かせて新庄を見た。すると。
「えへへ」
新庄は笑っていた。
「ん?咲夜、新庄センパイがどうかしたのか?」
武はステーキを食べながら聞く。
「女性の話だから武には関係無いわよ」
「ふ~ん」
武はご飯をかき込みながら呟いた。
「それより大和!おめーだよおめー!どうなってんだよ」
香月は話をずらそうと武に話しかけた。
「俺がどうかしたっすか?」
「おめー前に聞いた時は男の前衛増やす言ってたよな?なのに何で女が二人増えてんだよ!」
香月は武に問い質す。
「あぁ~えぇ~いやぁ~何か何時の間にか気が付いたらこうなってました」
「こうなってましたって、おめー。どうなったら女だけが増えるんだよ・・・」
香月は呆れ返っていた。探検者の男女の割合は凡そ9対1である。絶対数で女性割合は少ないのであり、探検者チームは男性のみのチームの方が多いのである。
「いやぁ~ははははは」
武はただ笑うしかなかった。薫と朱鳥の二人は咲夜の思惑を聞いて知っているが言う訳にはいかなかった。これから増えても女性である事が。
「そういえば私たちベース基地作って住んでるんですよ」
そこに咲夜が更なる爆弾を投下する。
「え?ベース基地って・・・。え?おめぇら一緒に住んでんのか!?」
香月のチームメンバーは全員驚いた。
「やっるぅ~」
新庄なんかは囃し立てる。
「んだよ咲夜、態々言う必要あんのか?」
「何よ、香月さんたちにはお世話になってるんだし別に言っても良いじゃないの」
咲夜は武の言葉に反論する。
「武、おめ一緒に住んでるって何処に住んでんだ?」
「えっと、一応松濤に・・・」
「松濤っていや高級住宅街じゃねぇか、一体どうやって暮らしてるんだ?」
香月が不思議そうに尋ねてくる。7級迷宮に潜る程度の金では到底住む事なんて出来る場所ではない。
「それは咲夜の実家の力を借りてチョイチョイと」
武は人差し指をクイックイッと曲げながら言った。
「あぁ~~成程な」
それで香月は納得がいった。
「何々どういう事なの?」
新庄が聞いてくる。
「こいつこれでも四ノ宮財閥の直系三女なんですよ」
隣に座る咲夜を親指で指差しながら武が言う。
「「「「嘘っ!?」」」」
知らなかった人たちが全員驚く。
「って何で武、おめぇんとこの嬢ちゃんが驚いてるんだよ!」
華林は驚いていた。まさか咲夜が四ノ宮財閥の人間だとは思ってもみなかった。
「私、それ初めて知りました」
「あれ?そうだっけ?華林に言ってなかった?」
「はい、私聞いてなかったです」
「そうだったか?すまんすまんてっきり話してるもんだと勘違いしてたわ」
武が華林に謝ってくる。
しかし、ならば納得がいく。自分たちが住んでる松濤の豪邸が8万なんて安値で住める理由が。
「まぁそういう訳なんで」
「四ノ宮財閥っていえば三大財閥の一つでしょ?何でそこのお嬢さんが探検者やってるの?」
新庄が咲夜に聞いてくる。
「私が探検者になりたかっただけとしか」
「ふ~ん、奇特ねぇ」
新庄は咲夜を物珍しそうに見ていた。
「おい菖蒲、言い過ぎだぞ」
香月が新庄を窘める。
「あっごめんなさい。咲夜さん、そういうつもりで言ったのではなかったの」
新庄も咲夜に謝る。
「いえ、今迄も言われ続けているので全然構いませんよ新庄さん」
咲夜はニコリと笑い何でも無いと伝える。
「まっ咲夜の場合言われ過ぎてもうどうでもよくなってるしな。一番言われてるのは親父さんじゃねぇか?」
「そうねぇ父からが一番言われてるかしら?変えるつもりは無いのか、何時になったら辞めるのかってね」
咲夜は人差し指を頬に当て考える素振りを見せる。
「末子は一番可愛いというのは何処の家庭でも一緒なのかもな」
松田がそう言ってくる。
「そうなのかもねぇ」
椎名も前に見せてもらった咲夜の武具の事を思い出し同意する。
「しっかしこんな可愛い嬢ちゃんたちと共同生活とはなぁ、おい武、おめーの二つ名決まったぞ『ハーレム野郎』だ」
「は?何すかそのダサい二つ名。嫌っすよ」
武が香月の言葉に反論する。
「いやぁ1年目でこの称号を手に入れる奴はまず居ないぞ?てか周りを見渡しても中々居ないぞ」
笑いながら香月が言ってくる。
「大和君は他の探検者から顰蹙を買わないように気を付けないとね。暗い夜道だけが危険じゃないからね」
上杉も香月に笑いながら賛同する。
「そうねぇ新宿組合でも男女比率が1対4なんてチームメンバー居ないしね~」
新庄もニマニマ笑いながら言ってくる。
「英雄色を好むってやつか?」
松田も笑いながら言ってくる。
「もうマジ勘弁してくださいよ」
後はわいのわいのと武をおちょくりながら食事を終えるのだった。皆で食堂から出ると。
「香月パイセン、ゴチになりました」
武は頭を下げ礼を言う。女性陣もそれぞれに礼を言っていた。
「おう!良いって事よ。それよりも大和、おめーも気を付けて迷宮に潜っていけよ?」
「うすっ!」
そう言い残し香月たちのチームは去っていった。武たちも組合でする事も無くなり屋敷へと戻るのだった。
その夜のお茶会の時、武はケーキをつまみながら。
「やっぱ賢者の石には夢が詰まってるなぁ~」
昼間の事を思い返していた。
「18億言うてましたさかいな~」
薫も武に同調する。
「桁が違いますもんね」
華林も言ってくる。
「ですが6級迷宮で少量ですが賢者の石を入手した探検者は福岡支部にも居ましたよ」
朱鳥がそう言ってくる。
「マジか!6級迷宮は賢者の石出たり無限袋出たりするのかぁ~」
「武、香月さんも言ってたけど偶然だからそれ目当てで潜るなって注意されてたでしょ?」
咲夜が武を窘める。
「あぁそこら辺は十分注意していくから大丈夫だ」
「それより昼間に武が言ってたけど今年一杯7級迷宮に潜って、来年から6級迷宮に潜るって話は?」
咲夜は武に尋ねてきた。
「あぁそれな。前々から考えてたんだけど7級迷宮潜っても今は大して危険は無いじゃん?でも安全策を取って今年一杯は7級迷宮に潜る事にした訳」
「そういう事なのね」
咲夜は納得した。
「じゃあ来年からは6級迷宮に潜るんどすな?」
「そういう事だ」
武の言葉に女性陣は頷いた。
「それから年末年始の休みは12月29日から1月5日までにしようと思ってるんだがどうだ?」
「私は構わないわよ」
「うちもそれで構わへんどす」
「私も構いません」
咲夜、薫、華林はそう言ってくる。
「その休みだと私は助かります」
朱鳥がそう言ってくる。
「あぁ朱鳥って実家が神社だもんな。年末年始は大変だな」
「毎年の事なので慣れてはいますが」
朱鳥はそう言いお茶を飲む。
「なら28日で屋敷離れるから27日は屋敷の大掃除だな。となると今年最後に迷宮に潜るのは26日は駄目だな2日掛かる可能性もあるし、24日と25日はクリスマスだし21日か?そして年始は7日からだな」
武はケーキを食べながら言葉にしていく。
「それで良いんじゃないかしら?」
咲夜、薫、朱鳥、華林の4人は武の言葉に同意する。
「よし!じゃあ決まりだ」
年末年始の行動が決まると、女性陣は会話に花を咲かせ、武はテレビを見る通常の状態へと移っていった。お茶会も終わると女性陣は2階へと上がっていき武は洗面脱衣所で歯磨きをする。
(12月は左程迷宮には潜れそうにないな)
そんな事を考えながら武は歯磨きを終えトイレに行くと自室で就寝するのだった。




