10話
「で、だ」
その日、武は組合19階にある食堂で焼肉定食を食べながら咲夜と薫に問い掛けた。
「何が?」
咲夜は明太子パスタを上品に口にしながら武へと逆に問いかけた。
「何がですか?」
薫はオムライスを食べながら聞き返してきた。
「薫がパーティーに加入してから1か月以上経った、迷宮に潜った数は23。全てが順調だった訳ではなく危険な目にも少々あった」
そう言う武の顎から左頬にかけて真新しい傷が付いている。
「そして個人的にはそろそろ7級迷宮を目指したいとも思ってるが」
「パーティーメンバーを増やしたいって事ね?」
咲夜が武の言葉を繋いだ。
「まぁそういう事だな」
武は焼肉を食べながら頷いた。
「どの職を入れるんですか?」
薫が聞いてくる。
「そりゃ前衛職だな、前衛が二人になれば戦闘時に安定するからな」
武はそう答えた。
「武が決めたのなら私はそれで構わないわよ」
咲夜は武の意見に賛成した。
「うちもそれで構いません」
薫も賛成をした。
「よし!そしたら食事終わったらデータベース室に早速行こうぜ」
武はそう言い三人は食事を終えると2階のデータベース室へと向かった。武はPCへと向かい。
「今年卒業、メイン迷宮は8級、職業前衛っとこれでいいかな」
PCを操作しながら探している必要項目にチェックを入れていく。
「さてと、どうかなっと」
最後の決定ボタンをクリックして結果を待つ。
「居ねぇ~~」
武はぼそりと呟いた。
「え?誰も居なかったの?」
咲夜が後ろから訊ねてきた。
「おう、ものの見事にゼロ件だ」
武は、はぁ~~とため息を吐いた。
「どういう事でっしゃろ?」
薫は訊ねた。
「売り手市場って事なんかなぁ~?」
武がそう答えた。
「皆、同じ様な事を考えてるって言いたいのね?武は」
「まぁそういう事だ」
「条件緩めてみたらどうです?」
薫がそう提案してきた。
「まぁ2年目3年目も含めてみると・・・・・・、まぁ件数は出てくるけど」
PCを操作しながら武は呟いた。
「これぜってぇまともじゃねえぞ?」
「と言うと?」
薫が問い直す。武はクルリと椅子を半回転させ二人の方を向いた。
「今年卒業してまだ探検者として動き出してない人数も結構いるだろう。隆司も最低半年はバイトって言ってたし、動き出してる人間も全員が前衛職って訳でもないだろ?」
「隆司って武の親友の佐々木君の事よね?」
「あぁそうだ。バイトして金貯めるっつってたしそういう人間は3割位は居ると思うんだ。そして俺たちと同じ様な事考えて前衛職を募集したチームが何組も居て前衛職でチーム募集を掛けてた人がゼロだった」
ここまでは分かるよなと二人に目線で問い掛ける。それに対し二人は頷いた。
「でも2年目が今頃8級迷宮のチーム募集に依頼掛けてるんだぜ?何か問題あるとしか思えねぇよ、しかも3年目のなんてぜってぇ貧乏くじ引く可能性が大き過ぎるぞ。賭けてもいいぞ」
そう武は言い放った。
そして座っている自分の丁度目線の先に薫の大きなおっぱいが見え心の中では福眼福眼とばかりに真面目くさった顔でジッと見詰めていた。
「そう言われると確かにその可能性は大きいわね」
咲夜は武の言った可能性の話に頷いた。
「俺は即戦力が欲しいんであって別に子守りがしたい訳じゃねぇからな」
「そうなると難しい話ですなぁ」
薫も悩まし気に話した。
「はぁ~、気長に暇を見つけては検索していくしかないのかねぇ」
武は両手を組み後頭部に当てながら呟いた。勿論視線の先は薫の胸だ。
「じゃあ今日は取り敢えず迷宮依頼だけ受けましょう?」
咲夜がそう提案してきた。
「まっそうするか」
武はそう言い迷宮探索依頼画面へと移っていった。
「明日は吉祥寺の迷宮っと」
明日の迷宮探索依頼を受けて武は席を立った。
「明日は吉祥寺駅に9時集合な」
武は二人にそう伝え、データベース室を出て行った。
「武、武」
データベース室を出て直ぐに咲夜が武を呼び止めた。
「何だ咲夜?」
武が問い返すと咲夜は武の耳元に唇を寄せて
「あまりジッと見過ぎるのは良くないわよ」
そう囁いた。
「え”?」
「女性はそういう視線には敏感なんだから気を付けた方がいいわよ?」
「な”、何の事かなぁ~?」
武は額に汗をかきながら問い返した。
「あらもっとジックリ聞きたい?」
「いやいい。よく分からんが注意しとくわ」
「そう注意してた方が良いわよ」
咲夜はそう囁くとサッと離れ歩いて行った。
半月後、武たちは板橋を歩いていた。旧中山道を歩き脇道に1本道を入って行く。
「中々居ないもんだなぁ前衛職」
武はぼやきながら歩いていた。
「まさか半月経っても0件とは思いもしなかったどすなぁ」
薫が武の言葉に相槌を打つ。
「本当にゼロなのかタイミングが合わないのかどっちだろうな」
「多分、タイミングじゃないかしら?常に0件なんて事は流石に無いでしょうし」
咲夜が答える。
「そう考えると薫が加入したのはタイミングバッチリだったって事かぁ、チームにとって欠かせないからなぁ」
この2か月近く薫は盗賊として罠解除、狩人としては弓矢で武のサポート等と十分過ぎる程、迷宮攻略に役立っていた。
「そう言って貰えると嬉しいです」
薫ははにかみながら答えた。
「武、道はこっちじゃないかしら?」
咲夜がそう訂正してくる。
「お?えっと・・・、確かにそっちだなサンキュー」
武たちは又道を1本入り進んで行った。
「おっこれだな今回の迷宮は」
民家の壁に渦状の歪んだ空間が出来ていた。
「それじゃ行きますか!」
そう号令をかけ三人は渦に手を伸ばしていった。
移動した先には目の前に塔が建っていた。
「あぁ~塔型迷宮か」
武は目の前に建つ塔を見ながら呟いた。
「出口は無し」
後ろを振り向き呟いた。
「塔型迷宮って云うと確か最上階をクリアするまで出られないって迷宮でっしゃろ?」
薫が武の呟きに答えた。
「そっ!級が高いと塔だけでも馬鹿でかい規模になって途中で外に出る事は出来るらしいが、8級ならこんな小振りな塔で終わるまで出れないのが精々だろうな。見た感じ5階建てって所かな」
武は二人にそう言い、バスタードソードを抜いた。
「さっさと終わらそうぜ。5階戦えば済む話だからな」
薫が罠が無い事を確認すると三人は入り口の扉を開け中へと入って行った。中は大部屋になっておりゴブリンが10匹待ち構えていた。
武は左手でショートソードを抜きゴブリンの中へ突っ込んで行った。手前にいるゴブリンの喉をショートソードで貫きバスタードソードで2匹目のゴブリンを横薙ぎに切り裂いた。
「光よ光矢となりて敵を貫け」
咲夜の魔法が3匹目のゴブリンの顔面を吹き飛ばした。薫は弓を構え4匹目のゴブリンの胸目掛けて矢を射る。その頃には武が5匹目のゴブリンの顔面目掛けてショートソードを突き刺し、バスタードソードで6匹目のゴブリンの首を刎ねた。
そしてバスタードソードを両手に持ち替えると身体を1回転させ7匹目のゴブリンを袈裟懸けに切り殺した。8匹目のゴブリンが剣で武に切り掛かってくるのをバスタードソードで防ぎ力で相手を押し込み体を崩すと斜めに切り裂いた。残りの2匹のゴブリンは咲夜の魔法と薫の弓矢で既に倒されていた。
「ふぅ~、終わったか」
全てのゴブリンを倒したのを確認すると武は息を整えた。
「さて、2階へと上がるか」
武がそう言い三人は階段を上がっていき目の前に扉が現れた。薫が罠が無い事を確認し
「じゃあ行くぜ?」
二人はその問い掛けに頷いた。武が扉を開け放つと中にはホブゴブリンが4匹居た。武は早速右手にバスタードソード、左手にショートソードを持ちホブゴブリンに突っ込んで行った。2匹のホブゴブリンに切り付け注意を自分に向ける、その間に。
「風よ刃となりて敵を切り裂け」
咲夜の風魔法が3匹目のホブゴブリンの左足を膝から下を切り落とした。薫も4匹目のホブゴブリンの片足を集中して矢を射ていく。その間、武は相手にしているホブゴブリン2匹の位置が自分たち3人の中心に来る様にジリジリと移動していた。
「火よ火球となりて敵を焼き尽くせ」
咲夜の火魔法が武の相手しているホブゴブリンの背後から打ち込まれた。「ギャアァ」と叫ぶホブゴブリンの口の中目掛けてショートソードを突き刺した。相手するホブゴブリンが1匹になった事で武は攻撃の圧を増していく。圧が増した事でホブゴブリンはたたらを踏む。そこに武は潜り込み胸目掛けてバスタードソードを突き刺した。
そして残りの碌に動けぬホブゴブリン2匹に止めを刺していく。
「ホブゴブリン4匹だとパターン化出来るようになったな」
「えぇそうね」
「慣れてきましたね」
武の言葉に二人はそれぞれ答えた。
そして三人は3階へと上がっていく。何時もの通り薫が扉の罠をチェックする。罠が無い事を確認して武が扉を開ける。そこには大きな蜘蛛が居た。
「土蜘蛛かっ!?」
武はバスタードソードを構える。そこに土蜘蛛が糸を吐いてきバスタードソードに絡まった。
「火よ火球となりて敵を焼き尽くせ」
咲夜が素早く魔法を唱えバスタードソードに絡み付いた糸を焼き切った。
「助かった!」
武は自由になったバスタードソードを構え突きを入れた。ガチンッと音がし武の突き刺したバスタードソードは土蜘蛛の牙で受け止められた。
その間、薫は部屋の横へと移動し土蜘蛛に対し矢を放った。それに対し土蜘蛛は手を1本突き出してきた、薫はそれを避けつつ矢を放ち続ける。
土蜘蛛は牙でバスタードソードを防いでいる隙に2本の手を武目掛けて突きを入れてきた。
「風よ刃となりて敵を切り裂け」
咲夜の魔法が1本の手を切り落とした。だがもう1本の手は武に向けて突き出された。
「ちっ!」
武は咄嗟に後ろへ下がるがそれは遅く右の二の腕を切り裂いた。武が下がった事で土蜘蛛は再度糸を吐いてくる。
「火よ火球となりて敵を焼き尽くせ」
それを咲夜が魔法で燃やしていく。
武はバスタードソードを下段に構え土蜘蛛に突進していく。待ち構える土蜘蛛への下段からの切り上げをわざと外し土蜘蛛の手目掛けて切り下した。
土蜘蛛は糸を吐き出し武の片手ごとバスタードソードを絡め捕った。牙を武に突き立てようと近付いてくる。
それに対し武はショートソードを引き抜き土蜘蛛の顎下から突き刺した。目の前には土蜘蛛の牙が迫ってきている。武は突き刺したショートソードを捻ると横薙ぎに切り裂いた。土蜘蛛の牙が武の顔に触れるが嚙み砕く力は無いのかそのまま力尽き倒れた。
「武、無事!?」
土蜘蛛に圧し掛かられた状態の武は自由な片手でヒラヒラと手を振った。
「おぉ無事だ~、しかし片手が絡め捕られて使えんから抜け出せん。しかも動くと牙が刺さりそうだ」
「ちょっと待ってて、薫さんも手伝って」
「分かりました」
咲夜と薫の二人は今にも武に刺さりそうな牙を取り敢えずは離していった。その次に咲夜は小さな火球を作り絡め捕られているバスタードソードと糸を燃やし離していった。
「こいつ存外に重いな」
武は愚痴を言いながらズリズリと土蜘蛛の下から抜け出していた。
「うおっこいつの背中針山になってるじゃねぇか」
土蜘蛛の背中は薫の射た矢によって針山のようになっていた。
「援護になってたかは不明ですが」
「十分援護になってるに決まってるじゃねぇか、もう少しこいつの体力あったら俺は今頃ガブりだったせ。本当にありがとうな薫」
武はニカッと笑い薫に感謝の言葉を言った。
「えへへ」
薫は武の感謝の言葉にはにかんだ。
「それより武は一度水浴びしなさい、全身血塗れよ。それと腕の傷も見てみないと」
「おう!そうだな」
武は咲夜の水魔法で全身の返り血を洗い流し、傷付けられた右の二の腕も丹念に洗い流した。
「さぁ見せて」
咲夜が武の傷を丹念に見つめる。
「一応、血も止まってるし止血テープを張った上に包帯を巻いておきましょう」
そういうと鞄から止血テープと包帯を取り出しテキパキと処置していく。
「サンキューな咲夜」
「どういたしまして」
処置が終わると武は咲夜に礼を言った。
そして三人は4階へと階段を上っていき扉が現れると薫が罠の確認をする。罠が無いのを確認すると武は扉を開けた。
中には砂で出来た巨人が1体居た。
「ん?ゴーレムか?」
「サンドゴーレムじゃないかしら?」
ゴーレムはこちらを確認すると襲ってきた。
武はバスタードソードを両手で構えるとゴーレムに切り掛かっていく。振り下ろしてきた腕を避けるとそのまま切り付けた。
しかし腕を切り落としたと思ったが何も無かったかの様に繋がっていた。
「は?」
武が疑問を呈したがもう片方の腕で殴られ吹き飛んだ。
「ぐはっ!」
武は素早く立ち上がると呼吸を整えた。
「何だ?切ったはずだよな??」
「武はん、サンドゴーレムは切っても直ぐ再生するので意味なかです。何処かにある核を壊さないと何時までも動き続けます」
「マジか!?」
薫の言葉に武は焦った。
その間にもサンドゴーレムは攻撃を続けてくる。武はサンドゴーレムの攻撃を避けつついたる所を切り続ける。幸いな事にサンドゴーレムの動き自体は遅く避けるのに難は無かった。
「くそっ!核は何処だ!」
何度も繰り返される切っては避ける攻防を幾度と繰り返す。
そして繰り返される攻防の時、腰の辺りを切り裂いた時に今までと違う手応えを感じた。
「そこか!」
武は一度サンドゴーレムと距離を取りバスタードソードを構え直す。
そして違和感を感じた場所を重点的に攻めていく。暫く攻撃を続けると大体の核の大きさが分かってきた。サンドゴーレムの攻撃を避けると核の中心を思しき場所を突き刺した。
するとカツンという音と共に水晶で出来た核がバスタードソードの先に突き刺さりながらサンドゴーレムから出てきてパリンと割れた。
その瞬間サンドゴーレムは動きを止めて砂の塊となり武に降り注いだ。
「マジかっ!?」
その言葉と共に武は砂に埋もれた。暫くすると砂山が動き出し武が這い出てきた。
「うえ、ぺっぺっ。口の中まで砂塗れだ」
身体中の砂を払い落としながら武は立ち上がった。
「また水浴びする?武」
「最悪だ、頼むわぁ咲夜」
武は情けない声を上げながら咲夜に頼み込んだ。
そしてシャワー魔法で身体中の砂を洗い流していった。
「よし!じゃあ上に上がろうぜ。多分最上階のボスだから十分注意していこう」
武がそう声を掛け階段を上がっていく。薫も扉の罠が無いのを武に伝えた。
バスタードソードを構えながら武は扉を開く。中は今までと同じ広い空間だった。そこに。
「鬼!?」
1本角の生えた2mを優に超える赤鬼が構えていた。ガアッ!と叫びながら鬼は金棒を振ってきた。
それを武は両手で構えたバスタードソードで防ぐが鬼の怪力に身体ごと持っていかれ塔の壁に叩き付けられた。
「がはっ!!」
武は肺の中の空気が全て吐き出される感覚を味わった。
その場でフラフラと立ち上がり荒れた呼吸を息吹を使い強制的に整える。
「クソが!」
武は背後から鬼に切り付ける。鬼は武の方を向き再度金棒を振り下ろしてくる。その攻撃を武はバスタードソードで何とかいなしながら防ぐが余りの怪力に手が痺れてくる。
背後からは咲夜が魔法で、薫が弓矢で攻撃しているが完全に無視して武を攻撃し続ける。
(ヤバいこのままじゃ持たない殺られる)
武は攻撃をいなし続けながらそう感じていた。
「武はん!鬼をこっちに向けて一度攻撃を防いでください!!」
その時、薫がそう武に言葉を投げかけてきた。武はそれに答える余裕も無く、ジリジリと攻撃を受け流しながら位置を変えていく。
そして武の立ち位置が薫たちと同じになると鬼の振り上げた金棒をバスタードソードを横にする事で何とか防いだ。そして鬼の行動が一時的に止まる。
その時、薫はジッと構えていた弓矢を放った。1本の矢が鬼の左目目掛けて突き刺さる。ガアッ!と鬼が呻きを上げ矢を引き抜こうとし動きを止めた。その瞬間を見逃さず武は鬼の背後へと回りショートソードを抜くと鬼の両膝の裏を切り付けた。すると鬼はガクンを膝から崩れ落ち鬼の背が武目掛けて落ちてくる。それを武はバスタードソードを両手で構え鬼の左胸裏に突き刺した。ガッ!と一言呻くと鬼はそのまま動かなくなった。
「・・・・・・ふぅ」
武は息を吐き出しバスタードソードを引き抜いた。そして。
「薫!お前もう最高!!良くやってくれた!」
そういい武は薫を思い切り抱きしめ髪をワシャワシャと撫でまわした。
「わっわっわっ、武はん!ちょちょ」
薫はまさか抱き締められるとは思わず、顔を真っ赤にしながら武にされるがままになっていた。
「武、薫さんが困ってるわよ?その位にして上げなさい」
咲夜が苦笑しながらそう言ってきた。
「いやぁ無理だって。今回はマジ殺られると一瞬思ったからな。もうマジ最高薫!」
相変わらず武は薫を抱きしめ続け髪をワシャワシャしていた。
「はいはい、そこまでよ」
咲夜は杖で武の頭をコツンと叩いた。
「いてっ」
そしてようやく武は薫を開放した。
「・・・・・・・・・うぅ~~」
薫は顔を真っ赤にしたまま俯いていた。
「薫さん、大丈夫?」
「・・・・・・うぅ、大丈夫です」
咲夜の問い掛けに薫は何とか答えた。
「武も嬉しいのは分かるけど、限度ってものを考えなさい」
「へいへい」
武は咲夜の忠告に軽く答えた。
「そういや鬼の角って薬の原材料になるんだったよな?」
暫くして武がそう聞いてきた。
「えぇそうね。組合に持っていったら買い取ってもらえるわよ」
咲夜がそう答える。すると武は鬼の死体に近寄り角を切り落とした。
「それじゃ迷宮核壊して出るとするか」
武の問いに二人は頷いた。
三人は迷宮から出てくると埼京線に乗り新宿の組合へと戻って来た。
「じゃあ早速鑑定に行くか」
武がそう言い組合3階の鑑定室へと向かった。
「鑑定をお願いします」
武はそう言い組合員へと鬼の角を差し出した。
「鬼の角ですね、少々お待ちください」
組合員そう言い重量計を取り出した。暫くして。
「この角の重さなら135万円になります」
そう言ってきた。
「それで構いません」
武はそう言いアプリを起動させチーム口座へと入金を済ませ鑑定室を出て行った。
「中々の良い臨時収入だったな」
武はニヤリと笑いそう言った。
「そうね大変だったけど見返りは良かったわね」
咲夜がそう答える。薫もそれに頷く。
「ちょいと時間は遅いが昼飯にしようぜ」
武の提案に二人は頷くと三人して19階への食堂へと向かった。




