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【完結】魔法学園最下位の俺がガチで全勝してる理由  作者: ばらん
season1 最低ランクと最強少女
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第22話 強襲




 七月の初頭。紫陽花戦で天使ザラギアが目覚めてから二週間。

 全ての準備は整った。


 「ザラギアの野郎……悪趣味なオブジェをコロッセオに立てやがって……」

 「いや、リューリ、あれは洗脳された学園の生徒だよ。天使に操られ、全裸で組体操をやらされているんだ!」

 「ひっ、ひぃ人道的……」


 アシェッタ=ドラゴンの背に乗り、上空から学園の様子を伺うリューリとドラッグ。

 事前の情報通り、天使はコロッセオに陣取っていた。

 コロッセオは国の兵士たちに包囲されているものの、洗脳された生徒が盾になって、攻め込めないらしい。

 空を飛び、上空から強襲するというアシェッタの提案は正解の様だ。


 だが、これだけ巨大なドラゴンが頭の上に来れば、流石の天使も気付く様で。


 「クズ共、アタシより頭が高いボケを撃ち落とせ!」

 「ザラギア様、僕のデータによれば頭が高いとは物理的に頭の位置が高い事を刺す言葉ではないですよ。」

 「るせぇ!」


 洗脳された生徒達による、魔法攻撃が飛んできた!

 しかも、中にはあのエンターがいる。

 奴ほどの男まで洗脳されるとは……

 リューリはより一層気を引き締めた。


 「リューリ、ドラッグ! 飛ばすからちゃんと掴まって!」

 「「(りっ、)了解!」」


 一白置いて、身体にGがかかる。

 アシェッタは、三日月の様な軌道で魔法攻撃を回避。そして、一気に急降下した!

 地上の戦いの音が、風を切る音で掻き消される。

 それは、明業止水の一瞬。

 極限の集中力を以って為される荒技。


 「ドラゴニックシュート!」


 アシェッタは、ドラゴンの巨体でコロッセオに突撃した!


 弾幕をすり抜けられた洗脳生徒達は壊滅、何処かへと吹き飛んだ。

 これで天使ザラギアは丸裸だ!


 「おー、相変わらずドラゴンは大っきいねぇ……」

 「お仲間が吹き飛んだけど、随分平気そうね」


 「仲間ぁ? 違う違う。ありゃ道具、それ以下か。趣味のインテリアだよ、愉快だったろ?」

 「私、アナタと趣味合わないわ」

 「そうだな、アタシもドラゴンは絶滅しねーかなって常日頃思ってるよッ!」


 苛立った声と共に放たれたのは、行儀の悪いザラギアのレーザー。アシェッタはジャンプでそれを躱し、再び飛び上がる。


 「飛行はドラゴンの専売特許じゃねーぜ!」


 それを追い、ザラギアもその翼で羽ばたく。ふわふわな翼のイメージに反して、奴の飛行能力は素早い。

 あっという間にアシェッタは頭上を取られてしまった。


 「こっ、これでも喰らへぇ!」


 気の抜けた掛け声と共に放たれたのは、何かの小瓶。

 アシェッタの背に乗ったドラッグがザラギアを迎撃しようとしたのだ。

 が、人間如きの投擲に被弾する天使ではない。

 どころか、小瓶は素っ頓狂な方向へ飛んでいった。


 「バァーカ、何処狙ってんだよッ」

 「ばっ、バカはお前……」


 ドラッグは顔を手で覆いながらも、指の隙間からジメっとザラギアを睨む。

 今日の彼女は強気だ。


 「?」


 何かが破裂する音がした。

 そして、スライム(モンスターではない)の雨が降る。


 「アシェッタの羽は硬くて隙間も小さいから効かないけど、天使のふわふわな羽にこれがくっ付いたら、どうなるかなぁ……ぐへへ」


 ドラッグお手製、スライム爆弾。

 瓶の蓋を開け、数秒経つと中の薬が膨張し、破裂。辺りにスライムの雨を降らせるのだ。


 「うおっ、汚い!」

 「きっ、汚くはないよ……」

 「心の問題だろうがッッッ!」


 天使はスライムに当たるのを嫌い、かなり無茶な飛び方をする様になった。

 なんにせよ、作戦成功だ。


 「アシェッタ、チャンスだ!」

 「うん! ドラゴニック・レイ!」


 アシェッタの喉が唸りを上げ、熱線を放った。

 通常のブレスより細いそれは、絞られた分、威力が高い。


 熱線の赤が、天使の白を撃ち抜く。


 「しまっ——————!」


 天使が落ちる。二度は無い大チャンスだ。


 「今度はリューリの番だよっ!」

 「おう、任せとけ!」


 アシェッタはリューリを掴むと、墜落する天使に向けて投げた。


 風を受け、リューリの学ランが揺れる。

 唾を飲み込み、目を見開いて意識を集中。

 袖を捲ると、そこには、特徴的な三つの突起がある、鉄色の手甲ガントレットが装着されていた。


 「ウェイクアップ——————ドラゴン・ドラッグ・ガントレット!」


 リューリの装着した手甲が、音声認識により起動。ガントレットに走る二つのラインが紫色に発光する!

 紫の線が、落下するザラギアに迫る。


 「おいおい、腕のソレ何だよ……まさか手甲付けただけのしょぼいパンチでアタシを倒そうってんじゃねーよなぁ?」


 「DDGドラゴンドラッグガントレット……まぁ、お前をぶちのめす為の切り札さ。」

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