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お化け屋敷  作者: 火水
8/13

「ダメよ、自分自身でイメージを保たなければ」


その声は優しく、彼女にも届いたみたいだ


僕は、

目を閉じる


目を閉じて…、明るい光を思い浮かべる


それは、あれだ

子どもの頃、叔父の車に乗っていて…

それは、海水浴に行った後!

夏で暑くて、寝苦しい中、無理矢理に目を閉じていた時に映り込む、オレンジ色の光

閉じた目蓋いっぱいに広がる明るい色

それは、多分、入眠時に見る幻覚のようなものなのだろうけれど、

うつらうつらしながらも、彼女が躊躇いがちに手を繋いでくれようとしているのが分かった

柔らかく暖かく、幸せな感覚…

『あぁ、凡人で良かった…』と思う

自分は、深淵など求めていない


『夢がくる…』そう思うと、そこに広がるのは、明らかに夢の世界






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