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Ⅵ
グズグズと崩れて落ちていく彼女の顔に、叫びそうになったその時、
『ほらほら、それなら、もう一度目を閉じて… ヒッヒッふー!ヒッヒッふー』
それは、ラマーズ法では…?
『それは、そうだけれど?そう思える知識が蘇るだけ大丈夫!』
目を閉じて、ヒッヒッふー…?
恐怖から逃れる為に、ヒッヒッふー?
取り敢えず、ヒッヒッふー…?吐く空気を多くして、吸うのは任せる?ヒッヒッふー
「落ち着いてきました…」
『これは、彼女の声?』
恐る恐る目を開けると、向こうも恐る恐る目を開けたような、彼女と目が合った
ポロポロと涙を流しながら、彼女は言う
「良かった、死んでなかった」