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お化け屋敷  作者: 火水
4/13

夕焼けの赤い景色は、今までにも経験したことがあるのに

湿度を含んだ大気が重く絡みついて、息が詰まりそうになる

何かが違う


だいたい、いつの間に時間が過ぎた?


そして、あの遊園地がなぜ、朽ち果てているのだろう?


「何か、変…」

彼女が呟く

「怖い…」


『怖い…』という言葉が感染する

『怖い…』 

怖いんだ

自分の怖さを実感すると、逃げ出したくなる

でも、


不意に、彼女の可愛い笑顔を思い出す

手を繋いで、この場所に来てくれたことを思い出す


幸せな梅雨の晴れ間…


その頑張ろうという気持ちを嘲笑うかのように

リピートされる放送が聞こえる


『…か…くれお…にのやってくる…時刻に…な、りまし…た

…よ、いこのみんな…は、…、…にか…くれましょ…う…」


逃げなければ

そう思いながら、力が抜けていく


赤い景色だけを残して、意識はなくなった


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