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声が聞こえる
こういう時、どうすればいいのだろうか
取り敢えず、深呼吸か?
僕は、何故かその時、夏休みの朝、早起きして行ったラジオ体操を思い出す
面倒くさくて嫌いだった
でも、なんとなく行っていた思い出
そこは、神社の境内で
町内会の子どもが集まっていて
用紙に判子をもらうと、眠そうに帰っていく
そんな時によく出会うのは、近くの予備校の寮に暮らす、高校を卒業して浪人してしまった集団だ
はっきり言って、そういう奴らを馬鹿にしていた
大学に1度は落ちた奴らだから
ある日、そんな中に3人組の女がいて
その中央に出席用紙を口に咥えて、ふらふらしている女がいて
からかってやるつもりで、
「一緒だね!」
と、用紙を突きつけて、声を掛けてあげた
そいつは、ふわっと目を向けて
口に咥えていた用紙を手に取って、僕と同じようにこちらに見せながら
「うん」
と言った
『うん』と言われて、あの時の僕は笑ってしまった
そこまで、思い出すと何だか笑えてきた