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僕はその時、恐怖が怒りに転換される人間が、いる事を知って
それが自分だということに驚愕する
わきあがる怒りが、この理不尽な状況に対してなのか、
大切な人のぐちゃぐちゃになったのを見せられたからなのか、分からない
無性に腹が立った
殴りかかりそうになる僕に、
身体を張るように止めながら
「ダメ!それでは終わらないから!」
と、彼女が叫ぶ
かくれんぼは、鬼に見つからずに、そのまま時が過ぎていけば終わりだ
僕の後追いする理解と、苛立ちをほったらかしに
カウントダウンが、始まる
「いーち」