異世界転生したら草生えた
俺の名前は金山慎吾。今年で30になるサラリーマンだ。彼女はいなく、一人寂しい人生を送っている。
俺の務めている会社はブラックで残業は月60時間超えだ。疲労が取れず家に帰っても食って寝るだけ、他にやることもなく休みの日は寝て過ごす事の方が多い。
子供の頃は立派な大人になるんだ。両親を安心させるために家族も作り幸せに生きていくんだ!!なんて思っていた。だが現実は非情で俺の夢は尽く潰えた。
最近は仕事中に胸が苦しくなったり、過呼吸に陥ることもある。1度医者に見てもらったが、精神的に参ってしまっている。体も限界でボロボロです。このままではいつ死んでもおかしくはないだろうなんて言われてしまった。
だが高卒で社会に出てそこまで大した業績も残せてない俺なんてほかの企業では雇ってくれないかもしれない。生きていくためにはこのまま続けるしかなかった。
そんな俺もとうとう限界を迎えてしまった。
会社でぶっ倒れそのまま帰らぬ人となってしまった。
原因は過労。あの時医者の言いつけを守っていればまだ生きていたかもしれない。いまさら何を言っても遅いけど。
『あーあ、俺の人生もここで終わりか、次はもっと楽な人生を送りたいな』
そして俺の意識はそこで途絶えた。
とても眩しい。そして暖かい。これは風か?そよそよとゆったりとした風が流れていく。
それよりも俺はどうなったんだ?確か過労でぶっ倒れてそのまま死んじまったはずだが・・・ここは天国か?
『そうではありません』
何処からか声が聞こえる。俺の目の前は真っ暗で何も見えない。だが上の方から声が聞こえたきがした。
『あなたは転生したのです』
「は?転生?」
転生ってあれだよな、別の人生をやり直すやつ。じゃあ今俺は次の人生を歩むってことか?
『その通りです、ですが人として転生は出来ません』
「どういうことです?俺は何に転生するんですか?」
『草です』
「え?」
『草です』
「草、え?なんでそんなものに」
流石に草は予想外だよ、もう動くことすら出来ないんだが・・・
『あなたが楽に生きたいと仰ったので』
「確かに生前そんなことを思ったかもしれないけど光合成しかすることの無い草で生きていけと!?」
『そうです、まさに草生えますね』
「誰がうまいこと言えといった!!」
こうして俺は草に転生を果たしたのであった。光合成をして人々が吸う酸素に還元するだけのお仕事。何もせずボーッとしてるだけの人生・・・草・・・生?
とても草生えます。来世はせめて動けるものでお願いします・・・
完




