佐藤さとるさんに一度お会いしました ★佐藤さとる
このお話好きなんです。
小学生の時からのファンなんです。
作品 No.3 「ジュンと秘密の友だち」
作者 佐藤さとる 講談社文庫
私は佐藤さとるさんの本を今手元に、講談社文庫を16冊、同じく講談社の青い鳥文庫を3冊持っている。いずれも何度も読み返していてボロボロだ。
この一冊一冊が宝物なのだが、特に最初に挙げるとしたら「ジュンと秘密の友だち」になる。
一度、講演会に行ってこの中に書いてあることについて佐藤さとるさんに質問したことがある。
私が「私は『ジュンと秘密の友だち』に出て来るミサオお姉さんが一番好きなのです。佐藤さんの作品では『おばあさんの飛行機』のおばあさんとか、『コロボックル』シリーズのおチビ先生とか、女性のキャラクターがいつもとても魅力的なんですけれど、どなたかモデルになる方はいらっしゃるのですか?」と質問したら、佐藤さとるさんが言葉を選びながら丁寧に答えて下さったことを思い出す。
この講演会の後、一緒に食事をさせて頂いたのだが、「がんこちゃん」の作者である末吉先生や「霧の向こうの不思議な町」を書かれた柏葉先生をはじめとする何人かの先生方に奢って頂いた。なんて贅沢なんだろう・・・。
その時に食事をされている佐藤さとるさんを見て「神様もご飯を食べるんだ・・・。」と思った。
それくらい雲の上の存在だった。
私の娘がその時一緒に行っていたのだが、娘は末吉先生や柏葉先生の作品を小学校の時から愛読していたので、その事について先生方と話をしていた。特に柏葉先生とは児童書に出て来る美味しそうな食べ物についての話で二人で意気投合していたのは余談てある。
この本の主人公のジュンも、ジュンのお姉さんのミサオも、ものをつくり出す人である。自分の欲しいものや世界を自分の手で作る。そして作ったものの中に魂を込めていく。そしてそうして作ったものを大切に修理しながら使っていく。
こういう所が、私がこのお話に引かれる真髄なのかもしれない。
ここまで書いていて初めて気づいた。
私の主人も、ものを作り修理する人だった。なんとびっくり。好みは一貫しているようである・・・。
何処まで書くのが許されるのかわからないので、佐藤さとるさんの答えて下さったことは、あえて書きませんでした。お亡くなりになって残念です。