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異世界でアリス!~目が覚めたら異世界で白ウサギに監禁されてました~  作者: きさきさき
第1章 アリスと白ウサギと鳥籠と
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4.ウサギは怒らせてはいけない生き物のようです

「……アリス。今すぐこの扉の鍵を開けなさい」


男の声は鉄を思わせる冷たさがあり、心臓にナイフが触れるような錯覚を覚えた。

驚きと恐怖のあまり体はおろか唇さえ動かせず固まっている私に、彼はため息を吐いた。


「アリス、もう一度言う。そこの、扉の、鍵を、開けなさい」


ゆっくりと一語一語強く発音して男が言った。

けれどその言い方が怖くて、呼吸までもが固まった。

反応のない私に、彼はさっきよりも長く、そして苛立ちの色を濃くしたため息を吐いた。


「……仕方ないね。僕は君と散歩をするのが楽しみだったんだけど、しばらくそれはお預けのようだ」


そう言って、男は銃口を私の足に向けた。

足元から冷たい鳥肌が駆け上がった。

引き金に掛ける指が動く気配を見せたので慌てて叫んだ。


「ま、待って! 開ける! 開けるわ!」


夢でも痛い思いをするのは勘弁だ。

私は急いで鳥籠へ戻って鍵を開けた。

その間ずっと銃口は私に向けられていた。


「……よし、いい子だ」


男は微笑んで銃を下ろした。

けれどほっとしたのも束の間、


「いつまでもそんなところに突っ立ってないで中に入っておいで」


いかにも優しげな声で言って、男は自分の横をぽんぽんと叩いた。

銃は向けられていなかったけれど、私にその言葉に逆らう勇気はなかった。

内心ビクビクしながら男の横にゆっくり腰を下ろした。


「そう、いい子いい子。よくできました」


男は満足げに笑みを深めて、私の頭を撫でた。

それは優しい手つきだったけれど、硝煙の匂いが鼻先をかすめて私は一層体を強ばらせた。


「……これからはずっと一緒だよ。アリス」


男が永遠の愛を誓うような甘さで囁いた。

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