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2人を連れてお風呂に入ろうとしたけれど止めた。あれは私の聖域だ。
ふふふふん、どうだ、私の心は狭いだろ!
いかのからすみを知っているかって訊いたら、もちろん知っていると答えた。
僧侶擬の方は魚介類の調理法を心得ているようだった。
魔法が使えない僧侶は唯の祈り人だろ。
空烏賊の方は知らなかったみたいけれど、海に行けば烏賊はいると言われた。
知っているがな。でも、どうやって海から烏賊を釣り上げるの?
魔法で海を干上がらせるとかしないと無理じゃないかな。
だから人は暗い灰の底を見るより、空を仰ぐ事を選んだ。
それを教えても何故か彼女らは認めない。
彼女らの世界の人々は魚介類をどうやって釣り上げているのか。それだけれが疑問に残った。




