24-魔法少年と続量子力学入門
Jean Baqtisie Perrinさんという方は、光学顕微鏡を使用してブラウン運動の観察、計測を行ったわけですが、前回もお話しした通り、コロイドは光学顕微鏡で直接見ることは、小さすぎるので出来ないのです。
「うワ冒頭から解説が入ってるヤ」驚かれました、そうです、前回から続いていますよ。
「大丈夫?みんなついてこれるのかしらこれ(ー ー;)」まあ、結構噛み砕いて説明しているので大丈夫じゃないかなぁと思う次第ではありますし、数式はできるだけ省く予定ではあります。
で、コロイドは、直接見ることができないので、周囲の動きを観察しましたが、その方法とは、光学顕微鏡のピントを合わせる時に同時にピントが合う範囲の計測をすることによって行ったそうです?
「なぜに疑問形なのです?」ゆーき少年が突っ込んできますね。
いや何、詳しい説明の方法を簡単にする方法が思い浮かばないのですよねー、このまま知識の伝達方法を、口頭と図解ベースにして行っていくと一晩くらいじゃ足りないな、と。
「Zzzzzzz~、あ、寝てませんよ?」なっちゃんさん、ヨダレが出てますよ、って、照れ隠しにケリがをいただきました、ありがとうございます。
できるだけ、簡単に早くやってみましょう?
「「「ぜひに」」」
早い安いうまいの精神で(?)
「いやそれは何かが違うようなきがします」
もう少し光学顕微鏡のお話しをしましょう。光学顕微鏡というのは、光によって物を見るという仕組みを利用しています。レンズやら何やらを使って、光を捻じ曲げて(拡大して)大きく見えるようにしていると言っても良いですね。
「虫眼鏡の親玉みたいなものですね」ええとなっちゃんさん、おおよそ正しいような気がします。
なのでですね、対象に当たった光が反射してそれを見ているという前提は、まあ、どんなに対象を拡大しようとしてもあるわけですね。
「?」何が問題だかわからないという顔ですね、なっちゃんさん。
そもそも、光って何だと思います?
「ええと、明るいものですね。手で触れらませんけど、遮ることはできますよね?太陽の光は暖かいですから、熱がありますよね?それからええと、白い?あれ?色が付いているのもありますよね?夕方とか明け方とか太陽が赤いですし、ふみみ???」なっちゃんさん、光の特徴を箇条書きのように、話していただいて、ありがとうございます。
光というのは、小さな粒と考えられています。とても小さな粒です。どのくら小さいかというと、質量が無いとされるくらい小さいです。
「ええと?質量が無いということは存在しないということでワ?」リカルドくん鋭いですね。
無いのに有る、それはなーに?とんちのような、問題ですが、そのような存在は、結構身近にあったりしますよ。
「それは、多分、現象とかのことでしょうか?」ゆーき少年、はい、そのような感覚でよろしいですね。液体とかで観察される、”波”がありますよね?波そのものには質量がありません、それは液体の断続的な高低の変化ですから、しかし、波自体はあると、認識できるというか、有ると定義されています。つまりは、そういうことなのです。
「ど、どういうこと?」あれ、なっちゃんさんがうろたえてしまいました。
ええとですね、光は粒であり、波であるようなもの、ということです。
「よくわかりません(T ^ T)」確かに、ちょっと感覚的にはわかり難いですね。そういうものだと飲み込んでおいてもいいのですが、ちょっと横道に逸れますがもう少し解説をしてみましょう。
「ええと、すでに本筋がどこにあるのかすら、事象の彼方なのですが」ゆーき少年上手いことを言いますね。
しかし、いつものことなので自重しません。
「「「「!!!」」」」
と言ってもの、観測の結果両方の性質を同時に持っていると考えるといろいろすっきりしますね?という結論になるわけなんですが。(のちに計算もしています。逆に式が先で事象の確認が後追いでされるということも多いです。)
まず光は小さな粒であるという、観測なのですが、有名な物として、光を金属に当てると電流が発生するというものがありますね。
「光で電気ができるんですカ?光発電みたいなものですカ?」はい、光発電の仕組みの大元ですね、ちなみに、光電効果と言うそうですよ?
で、ですね、光が波であるとすると、この波の量が増える=明るくなる=ぶつかるエネルギーが増える、ということですから、明るくすればするほど、この金属に当てて出すことのできる電流が増えるはずなんですよ。
「でもそうはならなかった」そうなんですねゆーき君。
そうなんですね、実は、光の色の違いによって、過多が観測できたんですよ。
つまりですね、暗い青色の光では電気が発生したのに、明るい赤い光では電気が発生しなかった、という観測がされたのですね。
これはどうしたことか?と首をひねった科学者さんたちが多数発生したわけです。
「「「?」」」
つまりですね、光が波であるならば、明るくなる=エネルギーがたくさんある、ですから、光の色に限らず、明るければ明るいほど強いエネルギーの電気が発生するはずだったんですが、そうはならなかったんですね。
さらにですね、明るくすると増えるものあったんですよ。
「それは何ですか?」義理でも合いの手が入ると嬉しいですね。
増えたものは、電気の量なんですね。
これは、困りました、光が波であるなら、量が増えるならエネルギーも増えるのが自然だからです。
じゃあ、光が小さな粒であるなら、これは納得がいくのでしょうか?と考えていきます。
まず、光の色のお話をしますね。
「あれ?何かお話が戻っていますネ」そんな気もしますが、疑問点から遡って、解説していくとこんな感じになるんですね。
まず、光っていうのは震えています。
「ガクブル(^ ^)」いや、まあ、そう言っちゃうとどうかと思いますが。
この震えていることを振動と言いますね。でこの振動する数によって、光の色が決まるんですね。
「「「へー」」」
ではここで、プリズムとかで作る光の色を思い浮かべてください。
はい、思い浮かべましたか?
光の色は、およそ、紫、青、緑、黄、橙、赤、という風になりましたかね?
「”虹”だと7色じゃないカ?」
その場合は、青と緑の間に水色か藍色が入るみたいですね。ただ、”虹”のような色の認識はその生物の持つ光学センサの性能やら、社会的、時代的な差異における文化認識の差によって違うようですので、一概には言えないようですよ。
ええとそれでですね、基本、紫、青のような色が振動数が大きいのですよ。
「おおっと、やはり顔色が悪い=ガクブルで間違いないじゃない(^-^)/」あれ、本当ですね。じゃあ、よく震える、寒そうな色、顔色が悪そうな色、それらが、振動数が大きいと覚えたらいいんじゃないでしょうか?
逆に、赤とか橙とかの方は、振動数が少ないのですね。
「暖かいような気がしますものね」なっちゃんさん、そういうわけでは、あれ?確かにそんなに間違ってない?気もしますね、まあいいです。
お話を金属に光を当てると電気が生まれるというものに戻します。
青色の光だと金属から電気が出てきて、赤色の光だと電気が出なかった、という観察がなされているということは、振動数が大きい光が当たると、金属から電気が出る、つまり振動数が大きほうがエネルギーが大きいと、推測されるわけなんですね。
「「「ふーん」」」
でもですね、光が波であると考えると、この振動数にはエネルギーの過多とは関係ないんですね。ただ、色が違うという要素を説明するためだけのもの、だったはずなんですね。
「なんでです?激しい波のほうがエネルギーが高いような気がします?」なっちゃんさん、の疑問も最もですが、細かい波であろうが、ゆったりとした波であろうが、エネルギーの過多としての波というものは、その波の振れ幅ではなくて、総量が影響するんですよ。
「?」
つまりですね、波の数が問題であって、高低差は関係ないと考えてくださると、感覚的には近いかなあと。
「ああ、つまり、大事なのは波の間隔であって、一つ一つの波の高さではないということですね」ゆーき君、そんな感じでいいです。正確には、重なりあっている波の量とかも関係してきそうですが、だいたい合っています。
でですね、ここで、光が小さな粒であると仮定すると、その振動数によって、エネルギーが変化するということが自然に説明できるのですね。
光の明るさも、粒子の数が多い=明るいということになりますので、金属に当たる粒子の数が増える→沢山電気が生まれる、という説明にも無理なく繋げられるのですよ。
なので、光は小さな粒であるんじゃないかな?と推測されたわけです。
ちなみに、こういったいわゆる光電効果の説明をした人が、おなじみEinsteinさんですね。
じゃあ、光は波であるというのは、どのように観測されたのかというと、こちらは簡単に再現できそうな実験がありまして、Thomas Young さんの実験がそれです。
単色の光源から細い線状の隙間を並行に2本ほど開けた板?を抜けさせて、スクリーンに光を当てると、スクリーンに干渉縞が観察できるというものです。
波の形が合うところ、つまり高い波と高い波が同時に到達する場所においては光は明るくなり、逆に高い波と低い波の箇所では暗くなるというわけですね。
直感的にわかりやすですね。このように波の高低が重なりあって影響を及ぼし合うことを、干渉
と言います。
ちなみにこのYoungさん、エネルギー(energy)という概念、用語を最初に使用した人でもあるそうです。
「「「へー」」」」
それでですね、結局、光は小さな粒としての振る舞いもするし、波のようにも振るまうし、いったいどっちなんですか!はっきりしてくださいと、『仕事と私どちらが大事なの!』みたいなヒステリックな質問をぶつけらるような振る舞いをしていたのですね。
「えーとその例えはどうかと思いますが?」
そうですね、どちらかというと、『奥さんとは別れると言っていたのに、どういうことよ』と言った感じでしょうか?『あなたの本心はどこにあるの、それぞれにいい顔している不誠実な人ね!』
『いや待っていくれ、必ず何とかするから、妻も君もそれぞれいいようにしてみせる』
『そんな、私がそんなに都合のいい女だと思っているの、許さないわ、捨てたら許さないから!』
「いや、なぜそうなるんでしょうか?」
「修羅場だ*・゜゜・*:.。..。.:*・’(*゜▽゜*)’・*:.。. .。.:*・゜゜・*」
「ええと、なぜたとえ話が、不倫ドラマとなって、あまつさえ、盛り上がっているのでしょうか?」
しかしここで発想の転換がありまして、『両方とも好きなんだから仕方ないだろう!』ということになりました。
「「「開き直った!!!」」」
あれ?
つまりですね、光というものは、小さな粒でもあり、波でもあるのだよ、ということになったと言いたかったわけなんですけど、どうしてこうなった???
このように両方の性質を持つんだよ、と言ったのも、Einsteinさんなんですね。
「アインシュタインってこのあたりの年代だと何度も出てくる有名人なんだナ」リカルドくん感心していますね。まあ、あまり使いたい言葉ではないですが、控えめに言っても天才であったのかもしれません。
で、このように、粒子と波動両方の性質を持つ存在の事を量子と呼ぶことにしようと、決められたわけですよ。
「あ、なんだか話が戻ってきたようなきがするヨ」
本当だ!
「あなたが驚いてどうするんです!?」なっちゃんさん、いいツッコミですね。
でまあ、これで光というものがどうゆうものかという話のつかみというか、概略?みたいなものは済みましたね。
そこで最初の光学顕微鏡のお話に戻るわけなんですけど、うーん。
「どうしたんですカ」
いやね、長くなったので次回に続けようかと。
「ど、どんどん明後日の方向へお話が飛んで行っている気がします」
なっちゃんさん、大丈夫です、どこへ飛んで行っても、ちゃんんとどこかには着くものです。
むしろ、つかなければ永遠に旅を楽しめると考えると気が楽になりますよ。
「うわなんて無責任な」
時代はC調無責任なんだそうですよ?
「いつの時代ですか……」あ、そいう表情もいいですね、ユーキ君。
じゃあ、また次回お会いいたしましょう。




