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21-魔法少年と浴場討論

 青少年に悪い影響を与える表現はこれを控えるべきであり、また、年齢制限があるコンテンツはその旨を大きく明示しておく必要があるのは確かであります。しかし、安易にその方向へと逃げて良いものでありましょうか?

 とかく表現というものは、古来様々な規制にさらされてきたものであります。国体に背く文章であるとか、破廉恥であり常識を疑うとか、婦女子の裸など如何わしくて道徳的にもいかんとか。奇妙奇天烈なる様相の絵画、その時代の政治を風刺する読み物、エログロナンセンスと呼ばれた作品群、それはまたストレートに”歪”という名称で呼ばれた数々の作品群。

 しかしてそれら時代の荒波やら、嵐やらにさらされた、コンテンツはそのうちの幾つか、もしくはすべてが、のちの世に再評価されたり、時流に変わり目によってもてはやされるようになってきたわけである。それはそう、歴史が証明している事実であり、真実である(力強く拳を振り上げながら)。

 確かに、世間において生き残るために過激に、他の芸術を志す者たちがあえてしてこなかったタブーにに挑戦して目立ちたいがために、作品をゴテゴテと飾り立てたり、危険を冒してギリギリの線を狙っているただの自己顕示欲の塊と云う、者もいるだろう。

 タブーであるがゆえに存在する需要を狙って、一攫千金を願い、悪いことだと知っていてもその手に一時の栄光と、報酬を得んがために、一線を踏み越える、外道もいるであろう!

 しかしだ、その踏み越えた一線が時代を作り得ない、いやさ、積極的にそう犯罪と呼ばれても仕方がないような行動へと駆り立てるかれらが情熱が、新しいフロンティアを開拓している可能性は、決して否定されることではないと思うのである!いやさ、彼ら常識を超越するものが、新しい地平を、ホライゾンを臨んで、人類を率いているのではないだろうか!

 知的生命体の未来は、斬新な一歩は、いつの世も、世間には理解されないという。ならば逆に万人を敵に回す蛮勇が遠い未来、振り返ってみると文明の転換点であることがわかるのではないだろうか。!

 ゆえに、だ。

 ゆえに私は、行動する、語る、描写するのだ、

 魂が吠えるままに、

 一線を越えるために、

 人類の偉大なる転換点であらんがための、一撃を、

 ゆりかごから人類が飛び立つ時は今、

 極大の虚空を貫いて、天上から穿たれる、プラズマの一撃を!

 

 そう、この両の目に映る、至上の楽園を!

 現実を超越する、超現実を、

 エロスではなく、いや、エロスは否定されないが、

 あくまで芸術的観点から、この赤裸々な情景を!


 さあ、湯けむりの先、美少年、美少女、美男美女が、渦巻く、大浴場(テルマエ)を!!!!


「させるかぁ!」すでにコマ落としと言っても過言ではない速度で、頭を蹴り抜かれました、あれ、意識が遠くなってきてますよ。

 さすがですねなっちゃんさん、しかしね、その、浴場では相応しい格好で、大胆に蹴り抜きますとですね、

「ええと、いろいろ見えてるネ」

 残心して獲物を見下ろしている、なっちゃんさんの目が、徐々に、ぐるぐる回っていき、同時に顔が真っ赤になって言いますね。

 そして、ギギギと振り返ると、髪を洗い終わって身体を洗い始めた、ゆーき少年と目があうわけで。

 うぎゃあというよくわからない悲鳴をあげながら、ゆーき少年から離れて湯船に潜って隠れるなっちゃんさんでした」

「あー会長、別に気絶している地の文の代わりはしなくても良いのでわないですか(´Д` )」

「淵島君、私が出張ってきた方が、被害は少ないと思うのですよ、まあ、とにかく、夏美さん、湯船に入る前に体を洗いましょうね?」

「うー、会長は平気ですね」

「まあ、体質上?」


「相変わらす先輩の肌、綺麗ですねぇ」

「いいだろぅ、水も弾くローティーンなみの肌だぜ、でも、スタイルは後輩くんの方がやっぱいいな」

「ええとね、先輩?自然に捏ねないでください。まあ、美容には気をつけてますから、ただですね、また大きくなったみたいなんですよね、ちょっと肩こりが」

「胸のウエイトはそんなに関係ないみたいだよ?多分視覚センサ周りの不具合が、筋肉の緊張を起こしているんじゃないかな、どれどれ」

「ふひゃっ、くすぐったいですよ先輩」

「良いではないか良いではないか、ぐへへへへへ」

「おかーさん、そういう資料を見るような目でれーねいを見ないであげたほうがいいんじゃないかなぁ」

「そういうなっ、と、うん綺麗な筋肉のつき方だねぇ、ゆーきもそう思うだろう?」

「そうですね、あの夢の中の騎士さんの体つきみたいです」

「あー、ゆーきはあっちでも結構頻繁に一緒にお風呂はいってたっけか」

「そうです( ^ω^ )そうゆうスキンシップは旅の仲間としては大切ですよね( ´ ▽ ` )ノ」

「うん、でも、魔法使いのガーベラさんは小さくなったみたい……、あれ、何か涙目で睨まれてるよ?」

「あーユーキ?一般論だケど、女性に”小さい”は色々マズイらしいゾ?」

「そうなの?じゃあ、男の子だといいのかな?」

「うーん、まあ、それはそれでショックが大きいと思うヨ?」

「あんたたちなんて会話してるのよ……」

「ううう、小さくないもん、年相応、いや、平均よりは上だもん(ーー;)」

「どうせ平均以下ですよ、ブクブク」

「いや、なっちゃんさん、以下と云う言葉は平均を含むから、正確には未満ですね」

「会長?とどめさしてますヨ?なっちゃんさん湯船に沈んてまス」



***


「ええと、レーねいには、あちらの世界の騎士レイナとしての記憶があるんでしたっけ?」

「そうですよ、”勇者”ユーキ君、私は、鈴鹿として生まれた直後から騎士レイナの記憶があります」

「”転生”だったけ?カテゴリで言うと」

「そうですかね?先輩。ただ、向こうの記憶は最後の方があやふやなんですよね。勇者ユーキと旅をして邪神を改心させた、というところまでは明確なんですが、勇者が帰還したあたりとか、その後のレイナとしての人生とかあったはずなんですけど、ねえ、ガーベラ、貴女はどうなの?」

「そうねえ、邪神とか破壊神とか言われた存在を改心させて、連合国中心の王城へと全員で帰還して、その後、色々、ええ”色々”、あって、送還の儀式やら、勇者ゆーきの再召喚の段取りとか、しましたよね( ? _ ? )」

「ちょっと!騎士レイナの記憶には再召喚云々のくだりは聞いてない!」

「あれ、言ってなかったっけ?ああそうか!魔女ガーベラがこっそりゆーきを呼び出して愛の巣に監禁する予定でした( ´ ▽ ` )ノ」

「「「おい!」」」

「嬉々として、愛の巣(監禁場所)作っている魔女の記憶がありますね( ^ω^ )」

「「「だから待て!」」」

「結局、こっそりやっているのがバレそうになって、慌てて、逆操作でこっちに来たんでしたっけかね( ? _ ? )」

「あー確かに、勇者ゆーき様が万人に見送られて、帰還してからすぐに、魔法使いの姿が消えて大騒ぎになったような記憶がレイナにはあるな」

「じゃあ、騎士レイナはそのまま、残って、王国のお姫様とともに幸せに、仲良く喧嘩していたと( ^ω^ )」

「どこの猫と鼠ですか、いえ、まあ、近衛騎士をやめるとか、逃がさないとかというじゃれあいはあったような記憶があるけども、ううん、その後の記憶が曖昧ですね」

「人間、辛いことがあると心がシャットダウンするそうですよ、記憶も然り、思い出せないのはそうゆうことではないでしょうかね?」

「ええとつまり先輩?」

「つまりですね、愛する勇者ゆーきと別れてしまった騎士レイナ。彼女は去ってしまった彼を思い、新しい恋もできず、しかも世界を救った勇者一行の一員、という、結婚相手としては、ちょっと引いちゃうかなーと云う、高嶺の華とかいう感じで、殿方からも敬遠されて、一人寂しく余生を送って、晩年失意のまま、一人寂しく老衰してしまったと、イヒャイイヒャイ」

「あー、れーねい、真顔でおかーさんのほっぺたをつねってる」

「あ両手で左右に引っ張り始めたネ」

「人間の頬って、あんなに柔らかくて伸びるものなのね(^ ^)」

「のひる!のひる!とりょる〜!」


「先輩の冗談はともかく、勇者が帰還してしばらくして、気がついたらこちらの、”鈴鹿”として生きていたという感じですかね?」

「ええと、騎士レイナの記憶が蘇ったのはいつ頃で、何かきっかけがあったのかな( ? _ ? )」

「確か、3歳くらいだったかしらね?その頃に近所のお姉さんという感じで昔の先輩と、ええと、その旦那様になる方にあったあたりね」

「うんうん、その頃のレーちゃん、可愛かったわー」

「思い出しましたよ、いきなり抱きついてきましたよね?」

「おかーさん、それは犯罪ではないでしょうか?」

「大丈夫、人目が無いのは確認済みでしたから!」

「なお悪いヨ!」

「お前が言うな!」

「ひどいナなっちゃんさん、ボクは人目も気にしないヨ」

「なんでこんなのが、隔離もされずに社会の中で闊歩しているんでしょうか?」


「その幼児期のトラウマというか、危機に対する生存本能が、前世の記憶を呼び覚ましたと( ´ ▽ ` )ノ」

「……嫌なきっかけですね。ところで今思い出しましたけど、あの頃から全く容姿が変化していませんよね先輩。というか、疑問なんですが、なんで同じ学校に通っていたんです?年齢的におかしいですよね?」

「あれ?言ってなかったっけ?私、研究職で当時そこに勤めていたんだよ?」

「姿は、そのまま学生で、文化祭にも制服姿で闊歩してましたよね?」

「趣味よ!」

「確かに、どのクラスか不明のままでしたね」

「それにしても、いい笑顔ですね、ゆーきママ」

「たしかニ、では、ゆーきママいったい実年齢は何歳なんでしょウ?」

「ふむ、データにアクセスすると、閲覧レベルが足りないと帰ってくるな、どれ、かいくぐってッッッッッててててててテテテテテ」

「会長!煙が出てますヨ」

「乙女の秘密を暴こうとすると、天罰が落ちるよ(ハート)」

「笑顔が怖いですおかーさん」

「というか、会長、息してないヨ!」

「とにかく、そろそろ出ましょうか」

「そうだねレーねい、なっちゃんさんものぼせそうだし、大丈夫?」

「あ、あぁあああ、うんだいじょうぶ、だから、うん」

「でも顔が真っ赤だよ?」

「うぎゃあ、近い、てか、見られるぅぅぅ、いや見えぇぇるぅぅぅぅ、きゅううう」

「大変だ!なっちゃんも倒れちゃったよ!」

「アー、うん、いろいろ堪能したシそろそろ出ようカ、というか本当になっちゃんさんが持ちそうもないネ」

「そうですね、じゃあ、最後にもう一回じっくりと観察して*・゜゜・*:.。..。.:*・’(*゜▽゜*)’・*:.。. .。.:*・゜゜・*」

「えっと?淵島さん?何?」

「至福、眼福( ´ ▽ ` )ノ」

「?」

「ゆーきは綺麗だネ、ってことさ」

「ありがとう、でも淵島さんも綺麗だよ」

「(*^_^*)」

「あー、やはりゆーきのそれは天然、カ」

「昔から照れとか無いというか、すこしずれてますよねユーキくん」

「教育の賜物ですよ」

「やっぱり先輩の所為というか、この場合はお陰ですかね、いい仕事しましたね」

「ええと、何?」

「ゆーきはいい子って事だよ」

「うん、ありがとう、おかーさん!」

「……でましょウ」


***


「で、しっかり撮れたかな?」にんまり笑いつつ、先に他の人間を浴場から上がらせて残ったママさんが言います。

 あ、もちろんバッチリでさー(こちらもにんまりです)。

「冒頭で、突っ込み沈んだふりをして存在感を消して、その実しっかりといろいろなアングルからカメラを回すとは、お主も悪よのう」

 いえいえい、お代官(資料のための撮影を依頼したクライアント)さまのお仕込みで。

 クククと、悪い笑みを浮かべる二人です。


「後輩くんもとうとう本格参戦みたいですね」

 そうですね、私としては、なっちゃんさんの巻き返しが気になるところですけど。

「魔法使いと、騎士はこちらに来ましたよ、では最後にくるのは」

 本命のお姫様ですかね?

「……本命だったっけ?」それはひどいような気がしますが、はて?まあ、年齢的に釣り合うとか、出会いの順番と云う意味ではありますが。

「ラブコメしてるねぇ」

 そうですねぇ、ゆーき君本人の自覚にラブはないでしょうけども。このまま優しく見守りますか?

「まあ、適度に引っかき回しつつ?」左様で。

「ところで、いつまでカメラを回してるんですか?」

 当然、あなたの綺麗な姿をもっと映したいからですよ。

「ありがとう(ハート)」

 あらまあ、艶やかな笑顔とポーズありがとうございました。


 なんだか、いい雰囲気の中、特に掘り下げもせず、

 さらりと次回へと続きます。





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