13-魔法少年の再会
さあ、ゆーき君たち一行の状況を踏まえてのボス演出をお願いします。そう、スタイリッシュに、それでいてエレガントにかつ、ゴージャスに、でわ、よろしく。
「ええと?ボスだよーがおー」手をこう、鉤爪の形に構えて、体の上に両手で振りかざしていますね。うん、そうじゃないけど、これもいいですね。こう、初々しい感じが出てますよ?
沈黙がその場を支配しているのが、なんとも痛々しいのですが。
どんまい!
「しくしく( ; ; )」顔文字つきですか。滂沱の涙ですね。黒いマント(裏地は赤い)に、白いブラウス、黒いズボン、赤い瞳に、鋭い牙、青白い顔、の、少女が登場しました。そう彼女が今回の騒動の黒幕にして、ラストボス、であるところの、ヴァンパイア(少女)ですね。
そして、その正体は?
「ええと、同じクラスの淵島さん?」ゆーき少年があっさり看破するわけですが、まあ、顔立ちとかは特に変わっていないので、不自然ではありせんね。
「その通りです。ゆーきくんの心の友であるところの、耽美に生きる華麗な”フジョシ”、淵島さんとは私のことです」すっと、涙を止めて、淡々と話す、吸血鬼少女です。
「あー、ルックスは結構イイのに、イイ性格をしているので、残念がられている、淵島さんネ」いつも間にか復活したリカルドくんが、ゆーき少年のそばで肩をすくめるジェスチャをしながら、言います。
「ええと、リカルドが言っていることだから、反射的に反論したかったり、自動的に却下したいのだけれども、的確すぎて、言葉が出ないよ」なっちゃんさんが、頭を振りながら、すごく苦しそうにつづて言います。
「エエと?僕の言うことって、自動的に却下されるわケ」
「発言のほぼ全てが、公共の良俗に反する卑猥でゲスな発言をしていることを自戒してください」
「ひどイ、でもそれが、結構快感?」
「うわダメだ、こいつ早くなんとかしないと。いえ、すでに、手遅れね」
「無理だと思うわ(^ー゜)」吸血少女の淵島さんも冷静に同意していますね。
「と言うか、とりあえず、その手はおろしたらどうでしょう?」ゆーき少年が指摘していますね。
ちょっと赤くなって、無言で手を下ろす、淵島さんでした。ええ、少し可愛いですね。
「ええと、こほん(わざとらしいせきばらいです)それでは、『くくく、我が手下の魔王、カイチョーを倒したくらいで、いい気になるなよ!あやつに渡した力は我の』ええとこれどう読むんですかね?(なゆた、ですね)、ああそうですかありがとうございますでは失礼して『那由多分の1に過ぎない!これから貴様らには、本当の恐怖というものを、見せてやろう、ははははは(^◇^)』」
最後の顔文字はどうやって発音したんでしょうね。ともかく、そう手にもっている台本メモをチラチラと見ながら、バサりとマントを翻して、見得を切ります。
「最初からそちら(台本に書かれたセリフ)を使っていればよかったんじゃなイカ?」リカルドくんが冷静に突っ込みます。
「いきなり振られて、慌てたんです。ボスの初心者なものですからm(_ _)m」照れつつ、律儀に答える淵島さんでした。
「誰が、台本を用意しているのです?」呆れたような、と言うか、真に呆れている、なっちゃんさんが突っ込みますが、ここは、私、華麗にスルーですよ(冷や汗をたらりたらいと流しつつ)。
「ええと?じゃあ、淵島さんが、この事態を引き起こしたと?」改めて、尋ねるゆーき少年でありました。
「そうです、その通りですよ、ゆーきくん(^_^)v」vサイン付きですね。吸血鬼っ娘のブイさん、うん、周囲に媚びるスタイル、嫌いじゃないですよ私。
「うわ、本当にどうやってその顔文字発音しているのですか?しかも、鬱陶しいです」なっちゃんさんがツッコミます。
「そうですヨそもそも、縦書きにするトキ、困るんだヨそれ」確かに、と思わせるツッコミですが、そこですか?リカルドくん。
「:-)」素早い対応ですね、淵島さん。
「それならいーカ?」
「そういう問題じゃないと思うのだけども?」ゆーき少年、冷静なコメントありがとうございます。
「あれは、そう、今日のように暑い夏の日のことでした」遠い目で回想を始め出す、吸血鬼少女のラストボス、クラスメイトの淵島さんでありました。
ここから、叙情的で、装飾過多で、小難しい単語で、耽美な表現をもって、迂遠な、比喩表現満載での、一人語りによる、過去話が披露されるわけです。
そのような、中学二年生が陥る、一種の、一過性(とも限りませんが)の病気的な、表現手法を使用した、過去話への、興味のない方は、下記のパラグラムへ進んでください。
→14へ進め*
「そのネタ分かる人がいるのでしょうか?」
ゆーき少年、意外にこの手の文化は生き残っているみたいですよ?レブナンさんの作品は今世紀に入っても何度かリメイクされていますしね。
さて、語りが始まりますよ?カウチに座って、飲み物と、食べ物(ポテトチップスが推奨です)の用意はできましたか?
ではお願いします。
あれは、Gehennaに燃ゆる罪の炎にも似た、薄ら笑いを浮かべる、灼熱の魔人イフリートの吐息が、漏らす、侮蔑の吐息が、熱風となって、薄い哀れな少女のほおを、無残に炙り続け、愉悦を上げている、高笑が聞こえてくるような、絶望が踏み固められたような漆黒の、その終焉へと向かうことを連想される、怪しげな幻のごとく、陽炎が立ち上る、永遠の道のりを想起させ、それは確かに前に進んでいるはずなのに、いつの間にか、その歩みが逆転し、至高の天上へと登りっているのか、そこの見えない、無限である奈落、そうリンボに落ちていくような、驚愕的感覚が我が身を襲い、それは、天を舞う荒鷲が獲物を見つけて、その鋭くガラスのような瞳に移された砂漠の哀れな、ちっぽけな、乾涸びる寸前の英知を求め、さまよう、一匹の蛙、そう緑色のヌメヌメとした粘液が瞬時に蒸発すしていることが、まことしやかに語られる、ムスクの屋根の下、王の寝所にて、1000の長き夜に、深淵なるものが覗く夜の窓、それに導かれるようにして、朦朧としかし、艶美な、口元が、自動的に何者かに、そう強いられるかのように、聞くものを狂気の渦に巻き込みその、渦はさながら、伝説の海獣”くらーけん”に挑む、巨大深海生物、深き海から来るものであらせられ、夢の、夢幻の世界にたゆたゆし、お大いなる、古き一柱であるところの、
よし、ちょっと、私、14パラグラフへ、行ってってくる。
「落ち着け、大丈夫です。ただちょっと正気度が0になっているだけだから、彼女(吸血鬼少女=ラスボス的存在)さんは」
ゆーき少年、止めないでください。
では、行ってきます。
14パラグラフから戻ってきました。
生き返りました(比喩ではない)。
「戻ってこなくても良かったのに」なっちゃんさんのセリフももう慣れましたよ(ガクガクと震えて、視線をそらしながら)。
精神衛生的とか、その心の平安を守る為に、ボス的=吸血鬼の彼女のお話をまとめましょう。
本日早朝、道を歩いていると。
急に手元に、カードが飛んできたので。
手に取ったら、吸血鬼になって、萌えゾンビを作り出していた。
「結局何も分かってないじゃないですか?」ゆーき少年が、呆れたように言いました。
そうです。長広舌な吸血鬼少女=ボス的存在、のセリフというか妄言の中身を抽出すると、このような結果となったのです、ええ、苦労しました。”14”へ行ってきた甲斐があったようななかったような?
「それで、これを吹っ飛ばしたら、状況は終わるのです?」シャドウボクシングとか、鋭い蹴り技とかを披露している小リスちゃんことなっちゃんさんが、物騒な笑みを浮かべながら言い放ちます。
「結構怖い性格だったのですね、~_~;」冷や汗をかきながら、クラスメイトの女の子、その本性というか、新たな一面に驚愕する、吸血鬼少女こと、淵島女子です。
「今度もゆーきくんト、僕がいちゃついてみればいいんじゃないかナ?」リカルドがすでに妖しい目でゆーき少年を見ています。
「クックック、残念ながら、私も腐り具合は伯爵級よ、子供だましなあれやそれやでは、ちっともショックなんて受けないわ( ̄Д ̄)ノ、だから、もっとすごいやつを、それ、宜しくお願いしますm(_ _)m」顔を赤らめて、息を乱して懇願しています。一見美少女、さらには、吸血鬼と云うレア的キャラクターも加わっているが故に、なんとも残念な人です。
「やらせないわよ、というか、もう潰してもいいわよね?」なんというか、汚物を見るような目をしているなっちゃんさん、いいですね、その視線、私も欲しいです。
「変態がいる(~_~;)」←お前が言うなし。
「ダメだよ、というか、多分肉体的にはほとんど不死身じゃないかなーと」止めるゆーきくんです。
「まあ、伝説上の吸血鬼なら、かなりタフでしょうネ」
日の光に弱い(やけどして消滅)とか、十字架に弱い、にんにくが嫌い(近寄れない)、とか、流れる水を渡れない(船に棺桶ごと乗って行くなら大丈夫)とか、心臓に白木の食いを打てば滅びる(普通の人間でも生きていけないと思いますが)などと、古典的(ブラムさん由来の)な弱点が多くあるので、実はなんとかならないこともない気もします。
しかし、最近の吸血鬼は日焼け止めクリーム塗ってれば晴天屋外でも大丈夫でセクシーな水着を披露できるとか、仏教徒なので、キリスト教関係は無害とか、耐爆式の棺桶を用意しているので万全とか、ハーフなので大丈夫とか、しかも狼女とのハーフで、噛み付くと血を吸うのじゃなくて、相手に変身するとか、にんにくではなくて、ピーマンが苦手なので大丈夫とか
うん、なんというか、結構なんでもありなキャラクターな感じかします。総じて癖のあるユニットと云うイメージが強いですが。
「昼間は棺桶に入ったまま移動するので、移動速度が極端に遅くなったりするんだよね」さいですな、その分夜は飛行ユニットになるので、リーダに据えておくと、移動力が高くなるし、耐久力が高いので、壁役に最適でしたね、HP吸収技も持続力が期待できて好きでした。それに、ロマンですよね、吸血鬼ユニット。
「カオスフレームが心配でしたけども」しみじみという少年です。
良いゲームでした。(ちなみゆーき少年が前世紀のそれ知っているは、おかーさんの影響です。バーチャルコンソールで何度も復活しているという、ゲーム独自の実力もありますが。)
閑話休題。
「ええとどうすル」リカルドくんが、それしか方法がないのならば仕方がないなーと、白々しい雰囲気を出しつつ、ゆーき少年の肩にしな垂れかかっています。吸血鬼っ娘は、かぶりつきでその状況を見ていますね。
「とりあえず、これ以上いちゃつくのは却下で」冷たい目で、二人を引き剥がすなっちゃんさんです。
「そもそも、淵島さんを正気(?)に戻したら、全員の萌えゾンビ状態が回復するとは限らないんですよね?」ゆーき少年の疑問ももっともです。
うーんと首をひねる、面々です。その中にラスボスが入っているのも、なかなかシュールな光景です。
と、そこで、
「話は聞かせてもらった」と、くわっとばかりに目を見開いて、児童会長が会話に加わります。
「あ、かいちょー、おはようございます」
「うい、おはよう。柔らかく、良い香りがして、寝ごごち最高であった。故に、目をさますのが惜しかったよ」いい笑顔です。膝まくらのままの会長がそう言い放ちます。そして、グリグリと、頭を動かして、ゆーきくんの足の感触を堪能(?)していきます。ゆーき少年はくすぐったそうですね。そうこうしていると、冷静に、的確に、こめかみを振り抜いていく、小さな足のつま先が来るわけで。
「おおおおお、殺す気ですか、なっちゃんさん」
「これ以上変態はいらないのですよ、とく消えてください」ああ、とうとう、絶対零度まで冷えてしまった微笑みが、恋多き少年であるところの児童会長に向けられるわけです。
「おはよございます、宇喜田かいちょー」改めて挨拶です。
「はいおはようございます」にっこり笑っていますね。
「それで?」なっちゃんさんの声です。
「それで?」首をかしげるかいちょーです。
「いや、『話は聞かせてもらった』!といったじゃないカ?」リカルドくんです。
「そうとも!」
「だから、で、どうすルんダ?」
「話は聞いたが、それで何かできるとは一言も言っていない!」胸を張って答える、児童会長です。実はこいつ無能なのではないだろうか?
くるりと、シンクロ的にゆーき少年に振り向く、なっちゃんさんと、リカルドくん。
「「なあこいついらないんじゃないか?」」凶悪な笑みですね。
「まあ待て、何か今から方法をでっち上げるから」焦りながら言い放つ児童会長です。
次回までに解決方法が見つかるといいですね?
そうです、ここら辺で次回へ続きます。
「「命拾いした(ネ)(わね)」」おお、二人の背後に殺意のオーラが見える。わしには見える!
何だか、少し距離をとって、おののいている、ラスボス=吸血鬼少女を、頭の片隅に置いて、
次号15話へと続くきます。




