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tenth  作者: 大友 鎬
第11章 戻れない過去
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終極魔窟・序編-8 申請

「なるほど。それでディエゴは封印されたんだ」

 ディエゴたちがどうなったのかレストアに説明を聞いてのシャアナの第一声はそれだった。

「で死んだの? 死んでないの?」

「死んでないと思います。ディエゴさんたちの力を利用して何かを画策している。殺してしまったら力を利用することができない」

「だから封印なんだろうねえ」

「あなたは……まだディエゴさんに復讐したいですか?」

「そりゃね。ディエゴがなんでボクの仲間を殺したのかもう理由は知っているけど知っていて許せるようなボクじゃない」

「なら好都合です」

「何が?」

「このままディエゴさんが封印されたままだと一生その目的は果たせません」

「そりゃそうだけど、だからって助けるって理由にはならない」

「だから助けを呼んできてください」

「それはなんかヤダ」

「仮に誰かが助けるのを待ったとして、そのあとに戦いを挑んでもディエゴさんは相手してくれませんよ」

「そもそも相手にしてくれてなくてこんなところに拘束して閉じ込めたのはディエゴなんだけど……」

「それは……確かにそうなんですが……」

 ディエゴにしてみれば、シャアナが絶望して生きる意思を失うぐらいなら、自分に憎悪して立ち向かうぐらいには生きていてほしいと願っての挑発だった。本当に遭遇して襲いかかってくるのはディエゴからしてみれば面倒臭いが、発破をかけたのはディエゴ自身だ。

 折衷案のようにシャアナを拘束してレストアの〔休憩室レストルーム〕という経緯がある。

 当然、シャアナにそのことを教えるなとレストアも口止めされているから言えないが。

 それでもディエゴと戦いたいと思っているシャアナを利用するのはレストアにとっても悪くない手なのだ。

「ってか、ボクじゃなくてキミが助けを呼びに行けばいい」

「そうするつもりでした。けど〔休憩室レストルーム〕の仕組み上、あなたをここには置いていけない」

「ボクも外に出ればいい」

「どちらのですか? 終極迷宮側へ出口は先程の敵がまだいます。そして外への出口は本当に外に繋がっていますが、あなたはこの〔休憩室レストルーム〕には入れない。また最初から終極迷宮をやり直す必要がある。ディエゴさんと戦いたいあなたにとってはかなりの遠回りになる」

「ボクが助けを呼びに行った場合どうなるの?」

「ここにぼくが〔休憩室レストルーム〕にいる限り、外への出口からまたここに戻ってくることができる。そうすればディエゴさんを助けたあと戦うことができる。そうしてもらえるようぼくも説得する」

「なるほどね。ちなみにボクが外にも出ず、ここに残るって行った場合は?」

「ぼくが外に出ます。ぼくは外に居ても〔休憩室レストルームへは戻ってこれますから。けどその助けを呼びに行っている最中に、もしぼくが追手か何かに命を奪われてしまった場合……」

 一拍置いてレストアはわざとらしく緊張感を伝える。

「奪われた場合……?」

「〔休憩室レストルーム〕は消失。中身はどうなるか分かりません」

「ボクが助けを呼びに行くよ」

 間髪入れずだった。 

 色々な可能性を聞いたうえでそれがおそらくシャアナによって最善の選択だった。

「で誰を連れてくる予定だったの?」

「ディエゴさんの話によく出てくるレシュリーさんを」

「えっ? キミも面識あるの?」

「いえ、ぼくはないですが……」

「ならなおさらボクが行ったほうがいいね」

 シャアナは微妙に呆れながらもレストアに見送られて久しぶりに外へと出た。


 ***


 ――申請(ログイン)戦争になるぞ。

 PCの世界で、異世界転生を目論んでいた一人の男にそんなメッセージが届いた。知り合いのPCで明日一緒に終極迷宮への突入予定だった。

 何が起こったのかと確認してみると明日の突入が勝手にキャンセルされており、代わりに終極魔窟というまるで得体のしれない偽物のような迷宮への案内が届いていた。

 そこへ入れるPCの総数はたった十人。対して終極魔窟に出現するNPCの総数も十人となっていた。

 しかも驚くべきことに階層に終わりがないと言われていた終極迷宮と違って終極魔窟は十階層と表示されている。

 男は急いで申請(ログイン)を開始する。百万人待ちという途方も無い数字が表示され、空を見上げた。

 今までは階層や日時を指定していたため、かなり分散されていたということだろう。

 男は連絡によってすぐに対応したが、夜になればこの待ち時間は増加していくと考えればこの途方も無い数字はまだ低いほうなのだろう。

 この変化は何なのか、情報を探っているとひとつの考察が載っていた。


 特典〔魔窟創造(ダンジョンメーカー)〕に不具合か――。

 NPCの情報欄に見たこともない"  "が表示。


 

 NPCの情報欄には才覚や固有技能などが載っている、持っていないものに関しては余白が作られる。

 才覚の欄が空白であれば才覚は持っていないということになる。

 その情報欄の一番下に突如"  "が出現しているらしい。


 特典〔魔窟創造(ダンジョンメーカー)〕の持ち主はリオリット・イター〈7th〉と判明している。

 ただリオリット・レターのLVが有り得ない速さでランク上限に達成しておりそれも不具合かもしれないと推察されていた。 

 同時に記録保持者(トップランナー)として多くのPCの異世界転生を阻んだ、ディエゴ、トワイライト、サスガのデータが消えていた。


 これは好機でもある。絶対にこの申請(ログイン)戦争をものにするぞ。


 男がそう意気込むようにどのPCもそう意気込んでいた。

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