表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
tenth  作者: 大友 鎬
第10章 一時の栄光
574/874

沁情切札編-40 追込

 サンスとクイーンがぶつかる。

 クイーンの鞭のしなる一撃は九尾之狐の膂力も加わって筋肉隆々のサンスを傷つけるほどの鋭利さを生み出していた。

 それをサンスは平然と受ける。魔充剣エンドモータルとぶつかった九尾鞭〔九つ裂けのジャビドゥー〕の切っ先が溶け出していた。

 魔充剣エンドモータルに宿っているのは援護魔法階級9【腐食(コロージョン)】だった。

「鬱陶しいですこと」

 気づいたクイーンが薄ら笑うと九尾鞭に変化。闘気に覆われ、溶け出していく武器が再生していく。

「障壁展開でするか」

 ディエゴを守るように立つサスガが気づく。サスガも中距離で気を高めながら前線をサンスとトワイライトにまかせていた。

 侍師も前線に立たてるはずだが護衛を兼ねているのかもしれない。

 確かに動けないディエゴを放置していて狙われるのは分が悪い。

「それに武器の再生か……」

「体の一部と誤認させて再生させたっスか」

 障壁も再生能力も九尾之狐が元来持っていたものだ。

 当然のことだが【擬人化】したクイーンもそれを継承している。

「障壁は壮絶にまだ大したことがない。壮絶に推測でしかないが九尾之狐が弱っていたのが原因だろう」

「何にしろ、幸運か」

 話しながらトワイライトとサンスは前進。鞭のほうが射程が広いため、トワイライトが攻撃に参加するには距離が足りない。

 次いでサンスは魔充剣で障壁の宿った九尾鞭を弾いていく。

 すると弾いた鞭の切っ先が乱れ落下していく。

 見れば切っ先は石化していた。

「【石化(ミネラリゼーション)】!? 鬱陶しいですこと!?」

 障壁ごと石化させられてしまえば癒術が使えないクイーンに解除の手段はない。

 成功率は決して高くないはずだが終極迷宮にて鍛え上げた熟練度が、その成功率をかなり引き上げていた。

 切っ先が重くなり、九尾鞭の行く先が狂いまるで我が手のように操れていた操作ができなくなってしまっていた。

 九尾之狐自身と誤認させての再生も状態異常には作用していない。

 サンスはクイーンに有利を取れている、と考えることもできる。

 その考えは果たして合っているのだろうか。 

 サンスが援護系魔法剣を使いこなして距離を詰めていく。

「くわああああああああああああああ」

 それを嫌ってクイーンの口から息吹が吐かれた。

 毒性の紫じみた吐息と吹雪のような凍えるような息吹が混ざり合って、サンスへと向かっていく。

 無警戒、無策のまま飛び込むわけにはいかずサンスも後退。

 と思いきや、瞬間、その息吹へと突っ込む。

「壮絶にこういう使い方もできる」

 魔充剣の刀身が息吹にぶつかるように横に構え突撃。

絶封結界(ホリゾントバリアー)】が魔充剣に宿っていた。

 結界の内側と外側を隔絶する【絶封結界(ホリゾントバリアー)】が刀身に展開された魔充剣は息吹を通すことなく、左右へと隔てていく。

 無効化するわけでも軽減するわけでもない。隔絶する【絶封結界(ホリゾントバリアー)】はただ息吹を通さないだけ。

 サンスは前進するだけのためそれを使っていた。

 そうしてクイーンへと肉薄。

 息吹を吐き切るまで動けなかったクイーンとしては失策だろう。

「当たったら壮絶にしんどいぞ」

 サンスはそう挑発してクイーンへと一閃。十二単で動きにくいと思いきや身軽にクイーンは避ける。

「さすがに壮絶に避けたか」

 魔充剣には援護魔法階級9【蛙呪(ラーナレント)】が宿っていた。当たれば確率で蛙に変化してしまう恐怖の魔法だった。

 魔法だと全身を徐々に蛙と化してしまうが、魔充剣はあたった場所からという効果が多少弱くなっているがそれは魔法剣として詠唱なしで使える分の使う以上必然の代償だった。

 避けたクイーンはその実、避けさせられたともいえる。

 誘導。そこはユーゴの射線だった。

 初回突入特典〔三本の矢の教え(ワン・フロム・オール)〕による三重の矢の【RAIDEN(らいでん)】が飛んでいく。

 魔鎚〔和尚ゲンノウクウガイ〕を取り出して弾き飛ばす。

「それは読めてるっスよ」

 弾き返されてもなお、〔三本の矢の教え(ワン・フロム・オール)〕は重なる矢の本数を減らして、軌道を変えてクイーンへと向かっていく。

 魔鎚を軸にしてクイーンは高く跳び回避。

 軌道を変え終えた【RAIDEN(らいでん)】を避けきってようやく回避完了だが休む暇などない。

 僕が回避するクイーンへと【豪速球】を放つ。僕とクイーンとの実力差とでもいうのだろうかクイーンはユーゴの【RAIDEN(らいでん)】よりも容易く避けていた。

 これでいい。サンスたちが何をしているのか僕はその意図を読めていた。

 【豪速球】を避けたクイーンへと肉薄するサンスへとクイーンは強力な魔鎚の一撃。

 サンスが紙一重で回避するとトワイライトがとうとう距離を詰める。アリーも一緒だ。

 同時にサンスが詠唱に入る。

 クイーンは追撃すればサンスを妨害できる位置だったがそれはできない。

 中衛で控えているサスガの奥義の範囲内だからだ。サスガの位置取りもユーゴの射線も、サンスの誘導もすべては計画通りだった。

「壮絶で壮絶たる壮絶なる魔法に壮絶に震えろ!」

 サンスが祝詞を紡ぐ。

 前衛で活躍していたサンスをクイーンは引かせたと安心してはいけない。

 サンスは万能師だ。後衛に回れば今度は魔法が待っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ