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tenth  作者: 大友 鎬
第5章 失意のままに
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「ヴェーグル、またしくじったそうですね」

 集配社(ライブラリアン)“ウィッカ”にてヴェーグルは目の前の人物――ブラギオへと頭を垂れる。

 ブラギオはランク5が活躍する近年では珍しいランク6。集配社(ライブラリアン)“ウィッカ”の頭領にして[十本指ザ・ゴールデンフィンガー]の五本指(フィフスリトル)だった。

「それは違いますって。アレはアレ的なのが原因なんですって。怒らないで下さいよ」

 顔を上げて言い訳を連ねるヴェーグルにブラギオは終始笑顔。

 あまり怒らないからこそ、失敗して帰還した後の笑顔はより一層恐怖を際立たせる。

「私は怒ってませんよ。ただどうしてこうも見失うのか責めているだけです」

「アレですよ。言い訳にしかなりえませんけど、今回の試練でディオレスがアレですよ、合格すると思っていたんですよ。しかしアレでした。まさかの最速敗北。誰がアレできますか、予想できますか」

「私ならば予想できました。分からぬことがあれば私に聞けばいいのですよ」

「なら、アレですよ。もう一度機会をください」

 ヴェーグルは再び頭を下げる。当然、反省はしているが、次こそは成功させるという意気込みのほうが強い。ヴェーグルは幹部クラスがいなくなってからの次世代を担うなのは自分を始めとした幹部候補だと思っていた。

「一度でいいのですか、何度だってあげますよ。私は優しいですからね」

「ありがとうございます。じゃアレですよ、結局、ヒーローはどこに行ったんですか?」

「ユグドラ・シィルです」

 ブラギオは迷わず断言した。

「直ちにアレです。向かいます」

 ヴェーグルはそう言って早々と出ていく。


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