空中庭園編-20 中心
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その中心はシュキアとフレアレディにモモッカ、デュセといった面々だ。
シュキアの長二叉捕縛棒〔支配者ドロップウィップ〕が壬生ウルフズの阿比類鋭三郎を捕らえる。
戦闘の技場で対戦相手を場外に落としていたときのように、そのまま持ち上げる。
狂戦士たるシュキアは女であれど男をやすやすと持ち上げるほどの力はあった。
鋭三郎は慌てながらも【蜘蛛巣球】を投げる。不意打ちでもなんでもないが、援護球である限り、必ず当たる。もちろん、混戦時では味方に当たってしまう可能性もあるため、慎重さも必要だが、近くならば問題はないだろう。
だが、フレアレディがそれをさせない。
ルルルカと同じく操剣士であるフレアレディは、ルルルカと違い10本もの剣を操ったりできない。
しかしルルルカと違って、というかルルルカが特殊なのだが、動きながら戦うことができた。
それが後衛の部隊になったルルルカとフレアレディの違いだろう。
動き回りながらフレアレディは状況を観察し、シュキアやモモッカ、デュセの援護に回る。
赤色の耳短剣〔強火のゴブレット〕を【蜘蛛巣球】にぶつけ、シュキアが戦闘不能に陥るのを回避し、自らに迫っていた上田宗児則正へと残り三本の耳短剣を殺到させる。
避けやすい前方と、警戒していただろう後ろから襲いかからせた青色の耳短剣〔薄氷のゴーフレット〕と橙色の耳短剣〔弱火のコフレッド〕は案の定避けられる。
しかし、下へと滑り込ませていた白色の耳短剣〔淡雪のコブレード〕には気づけなかったようだ。そのまま急所を突き刺し悶絶させる。
同時に捕まったままの鋭三郎が地面へと叩きつけられた。
そのまま長二叉捕縛棒で薙ぎ払い、白虎コールプスの石山虎之助、井深茂太郎を薙ぎ倒す。
その少し、後方。太陽を模した日丸鉢巻を頭に巻いたモモッカは魔充剣ニッポンイチに【中炎】を宿す。
そのモモッカの前には三人の獣化士が戦っていた。
バードル、ドッカー、モンキッキの三人はそれぞれが、バードマン、ライカンスロープ、ガラモノへと変身していた。
両手が翼、両脚が鷲爪の亜人バードマンに狼の顔と爪を持つ亜人ライカンスロープ。ガラモノは飛空艇がらみで戦った魔物だ。
バードルはモモッカの周囲を高速で低空飛行し、周囲の闘球専士たちを牽制。
その隙にドッカーがMCP48土佐ナイツ弘瀬健太年定にかみつき、モンキッキが多田哲馬則考を鋭い爪で切り裂いていく。
モモッカもその三人のフォローを受けながら、曽和伝左衛門正直に切りかかり、流水のごとく連続攻撃で島村寿太郎雅董を倒す。
さらに【中炎】を解放し、依岡権吉弘穀を燃やしていく。




