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tenth  作者: 大友 鎬
第7章 放浪の旅
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空中庭園編-15 空中


 15


 いたのはふたりのMVP48。

 No.6赤穂インフェトリマンズ大石内蔵助良雄とNo.7壬生ウルフズ土方歳三だった。

 MVP48のNo.10まではMOST10と呼ばれ、ある意味で神格化されている。

 MVP48は他の称号よりも圧倒的な力を持つものが選ばれているが、そのなかでもMOST10はさらに圧倒的な力を持つ。

 そのうちのふたりがレッドガンたちを倒しにやってきたのはそれまで足止めしていたセレオーナとパレコがやられたというのが大きい。

 それぞれ実力者として名高いふたりをもってしても足止めしかできず、そのふたりよりもランク、レベル、経験ともに劣るレッドガンたちが敵うはずもなかった。

 さらにレッドガンたちが倒されたことで、残りのMVB48が主戦場になっていた左翼側になだれ込んでくる。

 レッドガンを倒す目的はそこにもあった。

 レシュリー、アリー、コジロウが後方でNo.1~5の対応にあたるなかでのそれは決定的な勝機を作りだすかのように見えた。

 レシュリー・ライヴが奇策を用意していなければ。

「ジェェエエエニファーーーーー!!」

 柄にもなくレシュリーは叫び、【収納】によってとある袋を取り出した。

 ルルルカやヴィヴィのように今まで旅をしていた仲間なら見覚えのあるそれ。

 その袋の封をレシュリーは開ける。

 そこから出て、徐々に大きくなったのは――飛空艇。

 そうレシュリーの愛艇スキーズブラズニル。

「ヨウヤクデバンデスカ……」

 その船の上で自分の名前を呼ぶ声を聞いた女形機人は、何のためらいもなく、飛び降りた。

 背には取外式巨大槍。もはや自分のパーツの一部と言わんばかりに違和感がない。

 空中で背負っていた取外式巨大槍〔悲運のリゾネット〕を取り、結合すると穂先を真下へと向ける。

 その下には今まさに左翼へとなだれ込まんとしていたMVB48の姿があった。

 レシュリーの叫び声、飛空艇の登場、謎の落下物。

 イレギュラーに呆気に取られる一瞬の隙に、取外式巨大槍が地面を破砕し突き刺さる。近くにいた壬生ウルフズの粕谷新五郎、佐々木愛次郎が破破砕の衝撃で気絶していた。

 突き刺さると同時に土煙が立ち込め、しばらくして晴れる。

 突き刺さった槍の上に立つジェニファーがにこりと笑った。

「サアテ、アバレマスヨ」

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