解決
47
息を切らせながら僕の元へとシュキアが現れたのは二時間後だった。相当頑張ってくれたらしい。
「ありがとう、シュキア」
「なーに、きみには返しきれない恩があるからねっ」
僕はそれに笑顔で返した。
さてと――それじゃあ説明しようかな。
僕は彼らに説明を始めた。あと少しでアリーとの待ち合わせ時間になるため割と早口だった。
要点を簡単に説明すると困っていた人が多かったのかすんなりと同意を得られた。僕はそのままゴーザックのもとへ彼らをつれていく。
「どうしたのですか、こんなに大勢連れてきて……」
「この人たちが太陽の闘技場の管理者です」
「……どういうことでしょうか?」
「元はオジャマーロの会社の社員です。今は僕がその会社を買い取ったから僕の会社の社員なんだ。本当は解体しようと思ってたんだけど、彼らは知っての通り、なんであれオジャマーロに雇われていたから解体されると仕事がなくなってしまう。だから会社を管理者にしようと思って……」
「だから全員連れてきたと?」
「そうです。まあ闘技場の掃除とか色々やることはあると思うから」
「ですが、給料はどうするんですか? ひとり分しか支給されませんよ」
「むしろひとり分は支給されるんですね」
「ええ、それはまあ。私と事情が違って飲まず食わずは死にますしね」
秘密を知っている僕だけに聞こえるように小声でゴーザックは告げた。
「まあ給料の面は僕の会社なんだし、僕が払えばいいよ。賭博しない代わりに入場料取ったりとかすればいいんじゃないかな? そこらへんはまあ任せるつもりですけど……」
「なるほど。ですが良いのですか、あなたが給料を負担しても」
「責任を取れって言ったのはあなたですよ」
「ごもっとも……」
「では、あなたの会社が管理でよろしいですか?」
「よろしいです」
「分かりました」
ゴーザックは納得したのか頷いた。
ふぅ、ようやく全てが片付いた。そんな気がした。
海に沈む太陽を見て、もう夕方だと気がついた。
アリーが待っている。僕は慌てて走り出す。
「レシュリー! ありがとうっ! また会おうっ!!」
シュキアが手を振り僕を見送る。社員の方々もつられたのか手を振っていた。
それに僕は笑顔で応えた。




