表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
tenth  作者: 大友 鎬
第6章 失せし日々
112/874

解決


 47


 息を切らせながら僕の元へとシュキアが現れたのは二時間後だった。相当頑張ってくれたらしい。

「ありがとう、シュキア」

「なーに、きみには返しきれない恩があるからねっ」

 僕はそれに笑顔で返した。

 さてと――それじゃあ説明しようかな。

 僕は彼らに説明を始めた。あと少しでアリーとの待ち合わせ時間になるため割と早口だった。

 要点を簡単に説明すると困っていた人が多かったのかすんなりと同意を得られた。僕はそのままゴーザックのもとへ彼らをつれていく。

「どうしたのですか、こんなに大勢連れてきて……」

「この人たちが太陽の闘技場(ソールコロッセオ)の管理者です」

「……どういうことでしょうか?」

「元はオジャマーロの会社の社員です。今は僕がその会社を買い取ったから僕の会社の社員なんだ。本当は解体しようと思ってたんだけど、彼らは知っての通り、なんであれオジャマーロに雇われていたから解体されると仕事がなくなってしまう。だから会社を管理者にしようと思って……」

「だから全員連れてきたと?」

「そうです。まあ闘技場の掃除とか色々やることはあると思うから」

「ですが、給料はどうするんですか? ひとり分しか支給されませんよ」

「むしろひとり分は支給されるんですね」

「ええ、それはまあ。私と事情が違って飲まず食わずは死にますしね」

 秘密を知っている僕だけに聞こえるように小声でゴーザックは告げた。

「まあ給料の面は僕の会社なんだし、僕が払えばいいよ。賭博しない代わりに入場料取ったりとかすればいいんじゃないかな? そこらへんはまあ任せるつもりですけど……」

「なるほど。ですが良いのですか、あなたが給料を負担しても」

「責任を取れって言ったのはあなたですよ」

「ごもっとも……」

「では、あなたの会社が管理でよろしいですか?」

「よろしいです」

「分かりました」

 ゴーザックは納得したのか頷いた。

 ふぅ、ようやく全てが片付いた。そんな気がした。

 海に沈む太陽を見て、もう夕方だと気がついた。

 アリーが待っている。僕は慌てて走り出す。

「レシュリー! ありがとうっ! また会おうっ!!」

 シュキアが手を振り僕を見送る。社員の方々もつられたのか手を振っていた。

 それに僕は笑顔で応えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ