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DAY.1 落下

 俺たちは常に落下している。ただ、地面に接していることで加速していないだけだ。だけど...地面が遥か遠く、もしくは壁だったら...?


「それを俺は今実験している!」


 ここは千代田区1丁目!俺は西に向かって落下を続けていた!


「これはすごいぞ!!とんでもない移動方法だ...!」


 少し重力を強めようか...おお!加速がえげつない!!あんなに遠かった東京駅がみるみる...って!


「ぶつかるぅぅぅぅ!?」


 慌てて重力の向きを切り替えた。しかし...


「止まらん止まらん止まらん...!?」


 結局駅舎の壁面に激突して地面に倒れた。


「ち、致命傷は避けられたか...!」


 うう、街ゆく通行人の視線が痛い...


「...とりあえず...学校戻るか...」


 俺の名前は(さかき) 友孝(ともたか)。すぐそこの男子校に通う、平凡...いや、うん、まぁまぁ平凡な高校一年生だ。なぜ俺がまぁまぁ平凡、と言ってるかは、この作品のタイトルとさっきの出来事で察しがついてると思うから言ってしまおう。俺は、重力操作ができるんだ。


ーーーーー


「このXが2乗されてるから...Yの値はこうなって...」


 やばい...もう授業始まってやがる...!とりあえず後ろの席で助かった...はいはいで席まで...!


「ここ入試でよく出るからな!!分かったか!後ろの赤ちゃん!!」


 バレてた...


「ハイ!」


 とりあえずその場で立ってみた。


「馬鹿正直に立ってんじゃねぇこのやろう!とりあえず席ついて早く板書しろ。」


「了解でぇーす...」


 なるはやで席に座って、カバンから一式を取り出そうとしたその時...


「先生!!」


「なんだ生徒!!」


「ロッカーに取り入っても良いでしょうか!!」


「榊テメェ、早よ取り行けこのやろう!!」


 気を取り直して、机に一式持ってきてから座った。


「榊ぃ、お前何してたんだよ?昼休みどこにもいなかっただろ...」


「ああ、ちょっと外へ...新しい移動方法を思いついてさ。」


「ほんとかよ?この前もそう言ってて結局失敗してたじゃないよ。」


「フフフ、立川、お前分かってないなぁ、俺だってな、進化してんだよ。今回は視点を360度変えてみた...!」


 少しの間があいて返答がきた。


「それ...戻ってね...?」


「あ...」


 とりあえず、この授業が終わった後、先生にはこっぴどく叱られた。


ーーーーー


「じゃ、おまちかね...!」


「見せてあげよう...新たな移動方法を...!」


 立川を抱えて重力操作!天地が逆転し、内臓が浮く。


「お、おお、やっぱりこれ慣れないな...!」


「いくぞぉ!!」


 照準、立川の家!重力操作!


「ふ、ふおおおおお!!加速やべぇぇぇぇぇ!!」


 重力を85度傾けた。これで、地球の縁をなぞるように飛ぶことができる...!


「よっしゃブレーキ!」


 今度は重力のかかる方向を80度動かす。こうすることで、後ろに引っ張る力が働きブレーキになる。その場で静止したら小さい重力をかけてゆっくりと地面に降りる。この時、上方向に働く重力も作動させるのが重要だ。


「はい!到着〜!」


「おおおお!!こりゃあいいぜ!!」


「最高時速は脅威の500キロ!!下手に電車使うより速いぜ!」


「なぁ、お前さ、定期代必要なくなるんじゃ...?」


 今の定期は6ヶ月4万2千だから...


「年間8万4千円浮く...!?」


「いいなぁ、8万あったら遊び放題じゃん。」


「ぐへへ...何に使おうか...!」


 とりあえず帰ろうか!


「じゃあ立川!また明日!」


「浮きながら言うな浮きながら!!...また明日な。」


「じゃ!!」


 言えない。この後、調子こいて目を瞑りながら飛んでたら、飛行機に激突して穴あけちゃったなんて...

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