竜の負う十字架

第一章 真紅の出逢い

08.竜の騎士・後

　アリシアが浴室を出ると部屋はしんと静まり返っていた。

　既に日は暮れている。竜騎士の姿はなかったが、灯りを入れてくれたらしい。優しい光が小さく揺れる。濡れた髪をそのままに窓の外を見ると、あの日と同じような細い雨が降っていた。

　窓際にあるベッドに腰をかけよくよく見れば、ここはかなり広い部屋だった。

　この建物自体、王宮の敷地内にあるはずだ。小さな通用門を通ってきたが、あれは明確に国民と王宮二つの世界を隔てるものだった。

　竜騎士ともなればこのように破格の待遇で迎えられるのだろうか。自分の両親が国軍に殺されていなければ、あの竜騎士の言うとおり本気で国軍に志願したかもしれなかった。

　雨が降る。

　外をそっと見遣れば、雨に煙るその向こう、華やかな街が誇る見事な煌めきが輝いていた。

「きれい」

　あの村を出て、どこで生きていけばいいだろう。きっとこの街には住めないから、本当の意味で新しい場所を探さなければならない。新天地はいかような場所となるのか。もしもそこでも拒絶されるとすれば、流るる民となるしかない。

　本で読んだ。

　遠い西、サルディアと呼ばれる大きな大陸は枯れた土地が多く、砂漠に流れながら暮らす者達がいる。動き続けるもの、混沌に紛れ込めば、この正体もいつしか人々から忘れ去られるに違いない。

　必死に働けば、つましくとも自分一人くらいは食べていけるだろうか。

　考え始めた時、部屋の中の空気がゆるりと動いた。アリシアが振り返ると、鎧を外した先の竜騎士が戻ってきたところだった。国軍の制服に身を包んでいる彼は先ほどとは少しばかり印象が変わっている。

「食事はとれそうか？」

　穏やかな声で竜騎士が話しかけてくる。それに対しアリシアは首を横に振って応えた。

「そうか」

　深入りするつもりはなさそうな竜騎士の声を背中で聞きながら、アリシアはふと視界の端を掠めたものに意識を取られた。

　ベッド横の小さなテーブル。色褪せた額の中、屈託なく笑う二人の青年がいる。

　絵ではない。明らかに目で見ているのと同じような人間が、活き活きとした表情のその瞬間を切り取られてそこにいる。

「ああ、随分前の光画だ。当時の上官に悪ふざけで撮られたやつでな。自分を眺める趣味はないんだが……光画そのものは貴重なものだし、捨てるに捨てられなくて置いてるだけだ」

　アリシアの視線が止まったのを見たか、竜騎士はバツが悪そうにしながらも教えてくれる。

　明るい笑顔の下には走り書きがあった。

「……ルーク？」

「そう、それが俺。正解だ」

　ルークと名乗った竜騎士の若かりし頃は、どこか人懐こい目元をしていた。面影は今もある。

「同じなのね。フォルセティ少将と」

　朝に聞いたばかりで記憶は新しい。そしてそう珍しい名前でもない。単純なアリシアの感想に、竜騎士は曖昧な返事をするだけだった。

　彼の隣で笑う青年には、ラッセルと書かれていた。

「なあ、家出娘」

　ぽつりと竜騎士が呼びかけてくる。

「なに？」

　突然翳りを帯びた竜騎士の雰囲気に、光画から目を離せないまま、アリシアの声も僅か潜められる。

「君の名さえも聞かない。今日のことは必ず俺の胸だけに留めよう。だから一つだけ訊かせてくれ」

「……」

「生まれはどこだ」

　背中で聞いた小さな問いに、思わずアリシアは振り返った。

　竜騎士の横顔が映る。視線はそっと床に落とされていた。深い水底、その最奥を見ようとするような目。

　そこから先竜騎士はなにも言わず、視線を彷徨わせることもなく、ただアリシアの言葉を待っていた。アリシアからの視線が刺さっていることは気付いているはずだが、こちらを向いてはこない。それを見たアリシアは、本当に何となく、自分の生まれ故郷の名を口に出す気になった。

「南ファティマスのガラティア。今はもう、地図から消えているらしいけれど」

「……そうか」

　ただ一言呟いて、竜騎士はベッドに腰を下ろした。

　ぎしり。

　立派な体躯を受け止めて、木が僅か軋んだ。

「俺は今日、いつもと同じ一日を過ごした。朝から大国相手の会議に出て街頭警備までこなして、正直、疲れた」

　突然だった。

　なにを言い出すのか。そんな思いを抱えながら、アリシアは竜騎士の背中をただ黙って見つめた。

「そんな日は独り言も出る」

「独り言？」

「そう。これは俺の独り言だ」

　口を挟むなという意思が、竜騎士の言外に含まれる。

「近い内にこのファティマス大陸で、およそ二十年ぶりの末裔狩りが始まるだろう。市民が騒いでいる。魔獣も多い昨今、必ず苦情や噂などの類は国軍に上がってくる。いなくなったと思われていた竜の末裔。見たと言われれば、国軍も腰を上げざるを得ない。それほどに重篤な情報だ。

　なあ、お前。

　ファティマス大陸の最後の末裔。

　どこか別の大陸へ行け。東のゴルガソスでも、西のサルディアでもどこでも。早い方が良い。大陸中どこを探しても見つからなければ、噂は祭りに酔った市民の見間違いだったということになる。誇り高き竜の末裔には受け入れ難いかもしれないが……一年か二年耐えて、ほとぼりが冷めた頃に戻って来たら、また前と同じ平穏な暮らしができる」

　そこまで言って、竜騎士はつと黙った。一方でアリシアの心臓が早鐘を打ち始めた。

　この人は知っている。

　アリシア自身の正体のみならず、竜の末裔であるという呪われた現実の意味を、知っている。

　喉が渇く。やたらと大きな心臓の音がアリシアの耳についた。指先が冷たくなる。震えそうな手を誤魔化すために強く握ると、じっとりと汗をかいていた。

　どうあっても緊張する身体。

　しかしそれとは裏腹に、投げやりになっていた内心が冷静に問うてくる。

　気付いているのに、今でも普通に接してくれるのはなぜなのか。

　むしろ大きすぎる独り言は明らかに親密さをもって、アリシア自身へのメッセージが込められている。

　なぜだ。

　考えてみるも、もしかしたらという当て推量さえ浮かばない。駆け引きの一つもできないアリシアは、言葉尻だけを取って繰り返すしかなかった。　

「平穏な暮らし？　保証なんてなにもないのに」

　真っ直ぐに竜騎士を見つめる。気配に気付いたか、『独り言』の間は頑なに合わせなかった視線を、竜騎士はふと合わせてきた。

「あるさ。無事に戻ってきたなら、もう一度俺を訪ねればいい」

「あなたを訪ねてどうするの？」

「そうしたら、嫁に――いや、違うな。そこは俺が頭を下げて『来て下さい』と頼むべきところだな」

「……なにを言っているの。おかしな人」

　奇妙な話の成り行きに、かろうじてアリシアは小さく笑った。

　どんな気まぐれであったとしても、敵意がないどころか添い遂げる生涯の約束をするなど馬鹿げている。相手は世界の大罪人、その血を引く人間だ。荒唐無稽な「もしも」に、いっそ戻ってくるなとも取れる。どこまで本気なのかは計り知れない。

　ただそこに透けて見えるのは、アリシアへの気遣いだった。

「妥当な反応だ。既にいい相手がいるかもしれないのに、守らせてほしいだなんて。まして、親子ほど年が離れているのにな。まったく俺もどうかしている」

　どこか痛そうな顔をしながら、竜騎士が涼やかに笑った。

　話は終わってしまった。

　踏み込みたいのに踏み込めない。アリシアが躊躇っているうちに、「さて」と言いながら竜騎士がゆっくりと立ち上がった。

「今日はここで休んでいくといい」

「でも」

「気にするな。俺は少し出る用事がある」

　軽く飲みにでも出かけるような口振りで竜騎士は言った。

「ただ、明日の朝は少しばかり早い時間に迎えに来る」

「どれくらい早いの？」

「そうだな、夜明け前だ」

　ドアノブに手をかけ、竜騎士が振り返った。

　日の昇る前に迎えに来ると約束する竜騎士。その言葉に、やはり彼自身はアリシアを捕縛するつもりがないことを再認識する。

　この世界で犯罪者よりまだ悪しく思われている人間を、人目に触れずそっと逃がす。

　初対面の竜騎士がなぜそこまでしてくれるのか。きっと、竜の末裔であるアリシアをファティマス国王へ突き出せば、第一級の栄誉が与えられるだろうに。ただ、それを聞くには互いの距離がまだ遠い気がして、アリシアは何も言えず竜騎士の背中を見送った。

　アリシアが目覚めた時、音は何一つ聞こえなかった。空気さえも深く眠っている。ベッドをそっと抜け出し窓の外を見ると、煌びやかだった街の光はまるで夢のようになりを潜めていた。

　振り返れば、沈黙の家具たちが並んでいる。

　夜明け前の静けさに耳が痛む。ここにいるのが酷く不釣り合いな気がした時、微かな音と共に扉から細い光が一筋差し込んだ。

「お帰りなさい」

「……起きていたか」

　柔らかな布のように、音もなくするりと竜騎士は部屋へと入ってきた。

「出られるか？」

　僅か緊張した面持ちで竜騎士が問うてくる。

「ええ。でも」

　肯定してからすぐに、アリシアは気がかりを思い出した。

「宿に荷物を置いているの」

「捨て置くわけには？」

「だめよ。花嫁のヴェールだから」

「……君の？」

　竜騎士が僅か目を瞠る。

　それを見て、アリシアは少しだけ笑った。

「いつか、私もそうなれればいいと思うけど」

　口には出したものの、きっと叶わない願いであろうことはアリシア自身が誰より知っていた。

「宿の名前を。代わりに引きあげてこよう」

　アリシアの気持ちを知ってか知らずか、竜騎士はそれ以上踏み込んではこなかった。

　それを見て、アリシアも宿の名を告げた後は黙って簡素な支度をした。おおよそ身一つで駆けこんだようなもので、時間はさしてかからなかった。そうして、静まりかえっている部屋をまさに出ようとした時のことだ。

「これを君に」

　アリシアに渡されたのは、繊細な鎖のついたペンダントだった。

　中心の石、深い青が手燭の光を吸い込むようにはね返す。

「荷は後日必ず届ける」

「これ、……祈りの石？」

「俺を信用してくれた担保に。まあ担保といっても返さなくていい。君に贈ったものだ」

「こんな高価なもの受け取れないわ。あなたのことは信じるから」

　ほとんど他人と言っていい相手に軽々しく渡せるような代物ではない。アリシアは真新しいそれを慌てて返そうと押し付ける。

　しかし竜騎士は受け取らなかった。出会ってからこれまでで一番、頑なだった。

「時間がない。行くぞ」

「でもこれ」

「貰ってくれ。行き先のなかった石だ」

　唐突な言葉だった。

　言われたことを理解しようとして、アリシアは押し黙った。もう一度、頭の中で繰り返してみる。行き先のなかった石。このまま彼が自身で身につけては駄目なのか、ふと疑問が頭をよぎる。

　忠誠の青。

　竜騎士が主への忠誠を誓う証として、最も好んで求める石だ。彼自身が持っていたとして、まったく奇妙な話ではない。

「行き先……？」

　理解できずにアリシアが呟いた時、扉に手をかけた竜騎士が振り返った。

「妻は随分前に亡くなった。つい癖で買ってしまって、仕方なし身に付けていたものだ」

　ならば尚のこと、なぜ、忠誠の青なのか。

　小さな疑問が生まれたが、既に歩き始めた竜騎士の背を追い歩く内に、それはアリシアの頭から抜け落ちていった。ただ一言、「なぜそこまでしてくれるの」と最後まで聞けずに。

「そういえば、ねえ、あなたの名前」

「ルークだ。昨日言っただろう」

「姓は？」

　アリシアが聞いた時、足早に歩きながらも竜騎士はふと黙り込んだ。

　そのまま隣を歩くアリシアを横目で見つめてくる。理由は分からない。だが複雑な感情の色が見え隠れする瞳だった。

「まさか君が騒ぎの元凶だったとはな」

　ふと視線を逸らし呟かれたのは、アリシア自身によく覚えのあることだった。

「昨日の話？」

「そうだ」

「なにも変わらないわ。いつも通りだった」

「いつも通りだと？」

「少なくとも私にとっては。あなたがどんな風に人から聞いたのか知らないけれど、怪我をしたのは私だけだった。大丈夫、街の人たちに危害は加えてないから心配することなんてない」

「……責めないんだな」

「なにを？　誰を？」

　小さくアリシアは笑った。

「叫んでどうにかなるなら、私はこんなところにいない」

　それはアリシアの本心だった。

　生まれ。両親。夢。希望。恋。普通の未来。女性の幸せ。

　望んだもの全てがなにをどうしても、決して思い通りにならなかった。それが自分の人生だ。

「でも、そうね」

　通用口から外に出た時、振り返ってアリシアは口を開いた。

　竜騎士は門の内側に佇んでいる。

「いつか私が無事に戻って、もう一度あなたを訪ねることができたら」

「……まだそうしようと思ってくれるのか？」

「あなたのせいじゃないもの。この額の傷も私の人生も、あなたが悲しむことはない。ありがとう、優しい人。どうかそれ以上そんな寂しい目をしないで。あなたが悪いわけじゃないのだから」

　有明の薄闇の中でさえ、それと分かるほど竜騎士の表情は曇っていた。

　そんなに想ってはいつか壊れてしまう。

　軍人のくせに優しすぎる竜騎士のことが、なぜかアリシアはとても気がかりだった。

「いつかその日が来たら、その時はもう一度、私に――アリシア・アルヴァインに、逢ってね。そんな奴は知らないなんて、どうか言わずに」

　笑わない。ただ真剣な顔で、アリシアは竜騎士に持ちかけた。

　竜騎士は少しだけ目を見開いた。真意を探るようにアリシアの双眸を見つめてくる。そのまま互いにしばし沈黙したまま、二人は門を挟んで王宮敷地の内外に立ち尽くしていた。

　近い二人の、明確すぎる距離。

　雨上がりの静かな朝。呼吸する度、空気は喉も肺もすうと冷やす。無言で立ち尽くすその間にも、少しずつ空の果てが薄ぼんやりと明るくなっていった。

「返事はいらないの」

　暫時の後、口を開きかけた竜騎士をアリシアは制した。

「なぜだ」

「聞くのが怖いから」

「……なぜ」

「嘘だったとしても、昨日のあなたの言葉が嬉しかった。誰かと一緒に暮らせるなんて夢のまた夢だった。いつかが来なかったとしても、約束をくれたという事実があればそれを糧に生きていけるから」

　だから返事はいらなかった。

　それがたとえ肯定であったとしても、予想した通り拒絶だったとしても。二度と逢うことなどないと思うから、素直な気持ちをぶつけることができた。

「俺は、君に」

「もう行きます。どうもありがとう、私なんかに優しくしてくれて。でもどうか全て忘れて。私との関わりが誰かに知られてしまったら、あなたもきっと無事ではいられないでしょう」

「待ってくれ。君は見てしまったのか」

　既に背を向けた相手から唐突に問いが投げられた。

　足を止め、アリシアは振り返る。竜騎士は未だ去る素振りも見せず、しかし追ってくる姿勢は微塵も見せず、そこにいた。

「君は見たのか。末裔狩りが実際に、なにをしたのかを」

「いいえ。父と母が死んだ時、私はまだ赤ん坊だったから。けれど知ってる。沢山の人が殺されたってことを」

「……そうか」

　それ以上は重ねず、竜騎士はそのまま黙り込んだ。

　視線はアリシアに縫い留められたままだ。某かの感情が見える。なにを捜しているのだろう、とアリシアは思ったが、うまく言葉にできる自信がなくて口には出さなかった。

「さよなら」

　後ろ髪を引かれた。

　渡された祈りの石が、手の中で温かかった。

＊　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊

「ブライアース」

「はい」

　ルークの呼びかけに硬質な返事が即座にあった。顔を見れば命令は今かと待つ、姓を呼ばれた部下の真面目な視線とぶつかる。それを見て、ルークは一度言葉を止めた。

　思案する。

　公と私、どちらで振る舞うのが正しいのかを。考えた末、直感に従いルークは言い直すことにした。

「ラッセル」

「なんです？」

　また貧乏くじですかと続けた旧友の声は、先程とは打って変わって柔らかかった。

「お前自身じゃなくていいんだが」

「それは珍しい事で」

　ラッセルが意外そうな顔をしてみせた。

「それも、お前があらゆる意味でこいつならと信頼を置いている奴がいい」

　ルークが追加注文をつけると、ますますラッセルは驚きを隠さなかった。

「一体どんな悪事を目論んでる？」

　階級だけがずれたが元は同い年の同期、とうとう懐かしい口調にまで戻る。

　長年の付き合いとはいえ、さすがに困惑を隠せないようだった。

「んん。それは……」

　言おうか言うまいか、ルークは言葉を濁した。そういえば決断を迷うことなど久しぶりだった。

　これまではいつも自分が正しいと思うことを常に選択してきた。最善だと信ずるに足ることを実行して、そして結果はいつもついてきた。その証拠に今の自分がいる。

　国軍に入って迷いを持ったのは一度だけだった。

　最後の掃討作戦。

　あの戦場で拾った小さなロケットペンダント。

　どうしても捨てられずに、今日に至るまでその存在はルーク自身に「なぜ」を問いかけ続けている。あの日の正しさに確信を持てないまま、月日はこんなにも流れた。

　古い森に、墓標は今でもあるだろうか。

　忙しさにかまけてここ数年は参ることもしていない。それがルークの心に小さく刺さった。

「今は、――まだ言わないでおく」

「百歩譲る。退役までには言うことが条件だ」

「んん。分かった」

　渋い顔をしつつも承諾したラッセルに、ルークは片目を瞑り謝辞を伝えた。

「いい奴いるか？　というかどうせ育てているんだろう、お前のことだから」

「またそういうことをしゃあしゃあと……」

　ラッセルの口から盛大なため息が出る。

　しかしルークがそれ以上なにも言わずにいると、観念したようにラッセルが口を開いた。

「ハーズが良いだろう」

「……ハーズ？」

「多分あなたは知らない。まだ若い」

「おい、大丈夫なのか」

「若いといっても三十。直接あなたとも話ができるでしょう。朝の定例報告後にでもそちらへやります」

　それ以上食い下がっても情報は得られないと見たか、ラッセルは早々に話を切り上げルークの執務室から退出した。相変わらず忙しいのだろう。

　背中を見送り、ルークはそのまま窓の外を見る。朝早い時間の薄い光が、そろそろと差し込んできていた。