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春の理  作者: 柳雪❄
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第4節 秋の涼風

「なんで…この本に俺の名前が載ってるんだ…」

この双子の中学の卒業アルバムに僕の名前と写真があったのだ。何が起こっているんだ。

「僕は君たちを中学では見たことが…うっ…!」

見たことがない。と言おうとした瞬間脳みそに電流が流れたかのような痛みが走る。

俺はこの学園で初めてこの二人とは…出会った…?僕は中学の頃何をしていた…痛みが走った直後僕の口は勝手に動き出した。

「拓…凛…」

そうだ俺は田舎の牧之中学校でこの二人と一緒に勉強をしていた。

「拓、久しぶりだな元気にしてたか??」

「名前を言ってもらってもいいか」

「何言ってんだよ数か月合わない間に名前忘れちまったか??俺の名前は一春亮だよ」

その言葉を聞いた瞬間僕、天野拓哉は確信した。この一春広樹の身体には二つの人格がある。と

時は5年前の小学校小学校5年生の10月ごろの話である。

「俺たちは3人で一つだなーーー!!」

相変わらず…亮は無邪気だな。なんでこんなにも無邪気で馬鹿っぽいのに学年で一番頭がいいんだ…そんなことを思いながら小学校から下校していた。

僕と僕の双子の姉である凛姉は仲が良く委員会が同じで今日は委員会で残っており亮もなぜか教室で待っていたのだ。

「亮、あんまりくっつきすぎるなよ」

と、肩を組んできた腕を払いすたすたといつも通りかえっていた時のことだった。

「おーい!!そんな水臭いこと言う…ぐ…」

バタッ…後ろから倒れたような音がした…

「亮…なにをしてもかまってやら…」

ないぞーと後ろを振り向いたとき衝撃が走った。ふだんふざけても危ないことは絶対にしない亮が道路に頭を出して倒れていた。

「亮!!!!」

といってあわてて歩道側に亮の体を寄せて頬を軽くたたきながら起こしてみた。

しかし、まったく応答がなく10分間なにも返事がなかった。10分後に起き、起きたのちに発した第1声はおどろくべきものだった。

「拓哉…お前ここで何してるんだ…僕は勉強をするために早く家に帰らないといけないんだ。」

は…?お前何言って…というよりこの人は誰だ…と僕が困惑している横で普段あまり顔に感情が出ることがない凛が開いた口が塞がらないという状態だった。

そしてしばらく沈黙状態が続いたが、凛が口を動かした。

「あなた、だれ?」

すぐに答えは返ってきた。

「僕の名前は一春広樹、牧之市出身、牧之小学校で君たちと一緒に勉強しているだろ」

何も答えられなかった僕と凛はまだ驚いていた。この人が誰なのか、別の人格なのか…はたまた、からかっているのだろうか、いろいろな思考が

脳内で暴れた。そんなことを考えていたら

「僕はもう帰るよ」

問いって足早に彼は家に帰っていった。彼が曲がり角を曲がって見えなくなった後に僕と凛は顔を見合わせ

われに返った。さすがは双子といったところか、お互いは口をそろえて同じことを言った

「あの人はだれなの?」

そのことを詳しく知れず僕たちは家に帰った。今の季節は秋の真っ最中というところだろうか。風は追い風足取りは軽かったがあれが誰だったのか、それだけを考えていたら

いつもはきつく感じる上り坂が一瞬で終わり玄関前にたどり着いた。

ドアを開け二人は口をそろえてこう言った

「ただいまー」

居間から母が料理をしている音がする。おそらく今日の晩御飯はカレー…いや、やはりむりだ、この感情はどこにもそらせない

お風呂、ごはん、宿題、すべてを終わらせて、凛の部屋に向かい今日の話をして明日どうしようかと考えた。

考えた結果出た答えは一つしかなかった。

「このことは僕たち以外の誰にも伝えてはいけない」

これは単なる直感だがこれは誰にも言ってはならないと二人とも感じたのだ。

それからというもの「一春広樹」は何ごともなかったかのように学校に通い続け

月日はすぎ、ふゆにさしかかろうとしていた。

あれから毎日のように話している、そのテーマは極めて単純である。

「亮はどこに行ってしまったのか」

そんなことを毎夜話し、考えていた。少し開けていた窓から隙間風が入り込む。今は10月末、もう冬に差し掛かるというのに窓から

入り込む秋の涼風を感じながらどうやって亮を呼び戻すかを日をまたぐまで毎日話し合った。

いろいろなことを試しながら一春亮を取り戻すために行動してきて今に至るというわけだ。それからというもの、中学入学、卒業、不羈学園に入り今に至るまで

一春広樹としてこの男は生きてきていた。亮の面影は全くなかったのだ。

そして最後の策であった、アルバムに載っている、「一春亮」という名前を見せるという行動は実を結んだのだ。

「亮…久しぶりだな」

涙ぐみながらしゃべるぼくの肩をぐっと握って近寄せてきては

「何涙流してんだよ!」

と笑いながらなにごともなかったかのように事は終わった…と思っていた、翌日学校にいつも通りいき亮が来るのを待つまでは…

第四節投稿させていただきました!

今回は幼少期の拓哉の視点を中心としたよりミステリアスな展開になりました。

これから3人の関係が段々見えてき始めます。3人がどのような人物なのかなども含めて次節を楽しみにしていただけると嬉しいです!

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