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異世界でトゥルーエンドを目指して  作者: さかぺん
異世界でてんやわんや編
10/13

第10話 先生の潰し方

ガチの本気でギリギリ間に合いました。


なんで自分でも間に合ったかよく分かってないけど。


というか、先生来るの遅くないか?


前世の学校もそうだったけど、遅刻に厳しい先生ほど遅刻するよな。


教師としてそれはどうなのだろうか…まぁ俺が考えても仕方ないか。


そんな事を思いながら何も考えずに横を見た。


俺の目に入ったのは、怯えている人達だ。


なんで怯えてるんだろうか。さっきまでは普通の学生だった。全員が怯えているなんて、だいぶおかしいと思うのだが…


そんな事を考えていたら、扉が勢い良く開いた。


勢い良く開いた瞬間、怯えていた生徒たちの中には、震える人もいた。


なるほどな。この先生が問題ってことか。


でも、どんな問題を起こしているのか、まず問題を起こしているのか。


これが分からないからどうしようもないな。


「よーし。じゃあ授業始めるぞー。今日の授業は…魔術か…お前ら、今魔術のキューイ先生が来てないから、来るまで自習でいいぞー」


…最初の授業が自習とは…まぁいっか。


「んじゃあ前の時にやった魔術、剣術テストの評価返すぞー」


そんなのあったのか。テストみたいな感じなのかな。いやー、テストとかそういうのは嫌いだからやめてほしい。


「まず1番、アスモ・シャルト、来い」


アスモシャルトか。かっけぇな名前。


コスモみたいで。


「お前、今回評価低かったな?サボってたのか?」


あれ、よく見たらアスモさん、泣きそうになってないか?

大丈夫なのだろうか…


「い、いえ…家の面倒事に巻き込まれてしまいまし…ッ?!」


アスモさんの言葉は先生がアスモさんを殴ったことで途切れた。

は?何してんだあの先生。もしかして…生徒に暴力を振るうことがOKなのか?ここの世界?


「てめぇ、言い訳してんじゃねぇよ。次満点じゃなかったら、火魔術で炙ってやるからな」


おいおい、流石に言い過ぎだろう。

大人がそんな暴力とか脅しで解決していいものなのか?


「おいぐずぐず泣いてんじゃねぇよ。なんだ?今やってほしいのか?」


「やっ、やめてください…俺は…っ!」


アスモさんはまた殴られた。

なんなんだあの教師は。


「俺に口答えする気か?俺はメイグリッド家当主の息子だぞ?逆らえばどうなるかなんてわかるよな?」


「ぐすっ…はい…わかってます…」


「それでいいんだよ。次逆らったらお前の家族もタダじゃおかねぇからな」


怖い。怖すぎる。

あんなんと毎日過ごさなきゃならないのか?



あ、今わかった気がする。


みんなの俺を見る目は、期待の眼差しではなかった


それは、この先生をどうにかして止めてほしい。

懇願の目だった。


どうせこいつは止められない…と思っている目をしていた人もいる


今、このクラスを助けれるのは俺一人だ。みんな逆らえばどうなるのか。それが分かっていれば、誰も先生に手なんて出せない。


今、ここで俺がこのクラスを救わなくちゃいけない。


そんな気がする。


「すみません、先生に少しお話があるのですが…」


「あ?なんだテメェ…見ねぇ顔だな…新入生か?」


「はい。今日から入ってきたものでして」


「ほぉ〜。俺のクラスに転入生なんて、5年振りくらいかもなぁ。まぁいい、よろしくな」


そう言って先生は手を差し伸べた。


そして俺は満面の笑みで、


「あなたとの関係はここで終わらせますよ」


先生の腹をグーパンした。


「ぐふっ?!」


先生も驚いているようだ。


権力があれば自分は狙われないと思っていたのだろう。


その油断が命取りさ、へへへ。


「皆さん。この先生に恨みがあるんじゃないでしょうか。今ここで、やり返さなくていつやり返すんですか?」


クラスの人全員に聞こえるよう大声で言った。


クラスの人達全員が立ち上がり


「この機会を作ってくれてありがとう!私達、ずっとやり返したいと思ってたの!!」


「そーだ!ずっと思ってた!覚悟しろよ!」


「よし!皆さん行きますよ!!」


「「「おぉぉぉ!!」」」


一気にクラスが団結した。


「くふっ…お前ら、逆らえばどうなるか、分かってやってんだろうなぁ?!」


「ええもちろん。分かっていてもあなたにやり返したい人が大勢いるんですよ。俺は一人一人の情報は知りませんし、俺の見てないところでどうなろうが知ったこっちゃありません。ですが、俺の目の前で傷つけられている人を見ると、自分も腹が立ってくるんですよ」


「いっちょ前に言いやがって!覚悟しろよ!お前ら全員っ…俺の権力で社会から抹殺してやるからなぁ!」


先生は小物のセリフを吐きながら、どこかに行ってしまった。


「…俺達の勝利です!!!」



「「「やったぁぁぁぁ!」」」



俺の学校生活初日は、先生を潰すところから始まった。


アスモ・シャルト 男

先生 メイグリッド家の当主の息子 男


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