第1話 異世界でトゥルーエンドを目指す旅
俺の名前は桐生湊15歳。現在母さんに頼まれて買い物に出ている途中である。途中と言っても、もうすぐ家に着く。レースゲームで言ったら3レース中の3レース目だ。
…あ、ちなみに買ったのはカレーを作るための材料と、俺が個人的に欲しかったのでグミを買っている。俺自身、カレーは好きか嫌いかで言ったら好きだけど、率先して食べるほどではない。家のカレーって独特なところ多くない?…俺の気のせいだろう。多分。まぁいらない情報はさておき。
こう言っても腹がグーグーなっているのですぐ帰ってすぐ食べたい。少しくらい走るか。
もう家は目の前だ。
「おーい!!危ねぇぞ!!」
そう聞こえた時にはもう遅かった。俺は車に轢かれていた。
嘘だろ…俺の人生ここで終わりなのか…なんで…こんなしょうもない…面白いこともこれからなのに!まだお酒すら飲んだことないんだぞ!…ってそんなこと言ってる暇はないか…
…死んでも意識って結構な時間残るものなんだな…
そう思った時、目の前に道が出来た。
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「おぉ!」
おぉっといかん。声に出てしまった。この声が聞こえてるかもしれんからな!気をつけなければ!
この道…長そうに見えて案外短いな…まるで俺のち…いや、なんでもない。なんでもないのだ。なんでもないものはなんでもない!
そう思っていたら目の前に女神っぽい人が現れた。随分と急だな。
「桐生湊様。15年の人生、お疲れ様でした」
「…あぁ…はい、ありがとうございます?」
ええと、ありがとうございますで返答合ってるのかこれ?
「桐生湊様には2つの"道"がございます」
「道?道とはなんですか?」
「道というのは死後、2つ以上のルートを選び、そのルートの生を生きてもらう。というものでございます」
ほへぇ。というか2つ以上ってことは俺は最低保証ってことか…ちょっとショック…
「桐生湊様の2つの道の1つは'異世界で暮らす'」
「え?!異世界ですか?!」
「話の途中です。少しお静かにお願いします」
「あ…すみません…」
怒られちゃったよ。
「2つ目は'天国か地獄で暮らす'。この2つとなっております」
「あの、天国と地獄ってどう決めるんですか?個人の自由なんですか?」
「いえ、天国へと行く者は生前、良い行いをしていた者のみが天国へと行けます。地獄へと行く者は生前、悪い行いをしていた者が地獄へと行けます。天国へと行ける者は、天国か地獄どちらに行くか決めれます」
…なるほど。でも死んだ後も自分で地獄行きたい!なんて言う人いるのか?少なくとも俺は言わないぞ?
「桐生湊様、あなたはどちらを選びますか?」
うーむ…非常に悩ましいところだが…あ、そうだ。1つ聞いておきたいことがあるんだった。
「もうひとつ質問なのですが、異世界転生を選んだ場合、"桐生湊"として異世界に飛ばされるのか、全く別の人間として飛ばされるのか、どちらなのでしょうか?」
「その質問でしたら、桐生湊様が選ぶことが可能です。成人後に死んだ方にも頑張ってもらいたいので」
なるほどね…というか時間が経つとどんどんと質問が出てくるな…あぁもういいや!これで最後の質問にしよう!
「あのすみません…もう1つ質問なのですが…」
「はい、なんでしょうか?」
「異世界で死んでしまった場合、どうなるのでしょうか?」
「異世界で死んでしまった場合は、天国、または地獄への道か。もしくは新しい道に行くこととなります」
「…分かりました。ありがとうございます」
「では桐生湊様、どちらの道に行くか、お選びください」
もうこんな質問してるんだから、道は決まっている!
「異世界で暮らします!今の顔、年齢、名前で!」
「承認しました。では、異世界へと転送します」
女神っぽい人がそういうと、俺の下には魔法陣があった。うおおおすげー!
「異世界でも頑張ってください。応援しています。桐生湊様」
「はい!頑張ります!」
ここから始まるのだ!俺の人生再挑戦が!
異世界でトゥルーエンドを目指す…俺の人生を正しくする旅にするんだ!
…こんなこと言ってるけど、なんかカッコ悪いなぁ…
「はあああ、まじだるいわぁ。あんな質問すんなよガキィ…」
え?おいおいどうした女神っぽい人。急に心変わりした?話しかけるのも怖いしそのままにしておこう…