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第三話:逃げちゃダメだ

「では、またお食事の時間になったらお呼びいたします。」

「はーい!」

 うぉぉ……結構広いじゃん。

 メイドさんは客室だって言ってたけど、結構スイートルーム感あるぞ!

「うりゃぁ!」

 据え膳食わぬは女の恥。

 こんな広いベッド、ダイブしなければ逆に無礼というもの!

 ぼすんっ……


 「…………ステータス。」


 ・足立 ここね  レベル:0

 

 ・職業:無し

 

 ・ステータス

 ・腕力:3 ・脚力:4 ・体力:3

 ・素早さ:4 ・精神力:9 ・生命力:13


 スキル:武具能力上昇 レベル1

 

 …………相変わらず何も変わってない。

 よく見たらレベル0ってなんだよ、普通1からだろ。

 この武器能力上昇ってのがやっぱり転生ボーナスだったのかなぁ……。

 ふとウィンドウに手を伸ばしスキルに触れた。


 スキル:武具能力上昇 レベル1

     ├対象の武具の能力を大幅に向上させる。

     └本人の獲得経験値を0にする。 


 おぉ……!

 やっとなんか転生スキルっぽいのが!

 やっぱりただの木の棒があれだけすごい威力を出してたのはこのスキルのおかげか……。

 ……って何このデメリットスキル。

 これがもしかしたらレベル0の原因?

 いや、だとしても駄目でしょ無双するのにデメリットついてちゃぁ……。

 まぁでも無双しすぎるのも良くないよな!

 展開が読める漫画は面白くないし。


 …………そういえばさっきの子、あの子も何かスキルを持ってるんだろうか。

 仲良く……なれる子だったらいいけど……。


 あのくそまずコーヒーを出された時点でこの世界の食事は大方まずいものだと認識していたが、案外そうでもないらしい。

 「どうだい?お口に合えばよいが……。」

 「すごい美味しいです!」

 豚肉っぽい感じのステーキ肉だ、でも下手になんか喋ると宗教の掟に反するとか言って処刑されかねないからなぁ……。

 「どうやらここね殿はこの辺の地域の方ではないらしい。どちらにお住みになっておられたのだ?」

 ……でた、絶対聞かれると思ってたからちゃんと考えてたんだぞ、偉いだろ。

 「ドラさんは……転移技術というものはご存知で?」

 「て、転移……?な、な、なんのことだがさっぱりだが……。」

 なんでこんな動揺してんだ?

 「実は遠い国の方で、転移技術の実験をしておりまして……。記憶はないのですが、どうやら失敗したようで、この近くの森の中に飛ばされてしまったと考えられます。」

 「何!!??」

 おぉ、声でけぇよ……。

 やばい、転移技術が宗教の思想的に駄目だったのか?

 処刑だ!処刑されちゃうぅ!

 

 「…………悪いが、皆一度出ていって貰えないかね。」

 「……かしこまりました。」

 え?メイドさんたち全員出てっちゃったんだけど。

 いよいよまじで処刑なんじゃないの?

 「…………ここね殿はどこまで転移技術について知っている?」

 「あっ!えっ?ええと……私は実験体だったのであんまりよくわかんないですが……。」

 「ふむ……少し来ていただきたい。」

 ドラさんは急に立ち上がり私に近づいてくると、手首を掴み半ば強引にどこかへ連れて行かれた。

 「えっ、ご飯は!?ねぇ!?……いや、なんか喋ってよ!おい!」

 

「…………ここだ。」

連れてこられたのはドラさんのお部屋。

まるでリビングルームのような広さだ。

私はその部屋の隅に立たされていた。

「……少し……待っててくれ……。」

 そう言うとドラさんは何やら机の引き出しの中をあさり始めた。

 え?何されるの?私。

「あのー……。」

「あぁ、待たせてすまない。今準備が終わったところだ。」

 そう言うとドラさんは急に私に近づき、壁ドンしてきた。

 へっ?いやっ!やっぱりどの世界でも男は狼なのね!最低!

 あっでもよく見たらイケメンかも……ドラえもんなんて言ってごめんね。


 ――ガコンッ……ブゥゥゥゥゥン…………。

 地面がエレベーター式に下がっていく。

「えっ、あっ、あのっ……。」

「今向かっているのは帝国でも屈指の研究施設だ。2番街、といったほうが伝わるかね。そこでここね殿の身元を確認させていただく。」

 け、研究施設?え、もしかして敵国のスパイだとか思われてる!?

 帝国とかなんか言ってたしまた絶体絶命じゃん!

――がガガガッ……ウィーン……。

 異世界には不釣り合いな機械音を出しながら扉が開く。


  …………いや、なんじゃこりゃ。

 

 眼前に広がるは、明らかに元いた世界よりも発達した、某汎用ヒト型決戦兵器の研究施設のような空間だった。

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