第十話:開戦
うおおおおおおおおお!戦争だぁああああああああああ!
皆殺しだああああああああああ!
……なんてことには当然ならなくて、今はこっそりその占領された村っていうのを覗いてるとこ。
村はホント小さい農村みたいな感じで、周りは恐らく王国の建てたであろう防衛拠点がいくつも建っている。
うーん、確実に銃持ってますねあいつら。
まず服装がガチの近代装備だもん。
でも魔法とかも使ってくるだろうから気をつけなきゃ。
取り敢えず私は例のキラー・ク〇ーンさんを探さなきゃいけない。
「ん~、もう突っ込んじゃ駄目かな?」
アルグラさんはこう見えても戦闘狂らしい。
因みにダンジョンに行く前に相当強いって警告されたんだ。
なんで戦っちゃったんだか……。
「んーと、今確認したところ、3時ぴったりになった瞬間に突撃するそうです。それまd……。」
「どうしたの?」
「…………帝国軍の位置がバレ、攻撃されているそうです。」
「じゃぁもう行っていいんだね!よぉし!」
「あっ、ちょ!」
…………行ってしまった。
私も動かなきゃ。
――ババババババッ……ドカーン!
うお、暴れ過ぎだって。
遠くに私と戦ったときより巨大化した、THE・ドラゴンが暴れてる。
ってかあのとき手抜いてたんだ……。
思い切り地面を蹴りながら、時速60kmくらいで移動する。
実は今、私のスキルは前までのと違う。
身体能力上昇、以前までのスキルと正反対のものだ。
えっと、事情はいろいろあるんだけど……、それはまた今度のお話で。
とにかく今は、木刀を振り回そうが、銃をぶっ放そうが、威力は変わらないってこと。
その代わり、この前アルグラさんを投げ飛ばした時のような、圧倒的な筋力、俊敏性が手に入った。
あんまり慣れてないけど、文句言ってる暇はない。
取り敢えず、作戦はもう崩壊しちゃったから、目的の人はなんとか自力で探すしかなくなってしまった。
どうにか、敵陣の中央に入らなければ。
――ヒュン
うわっ!バレてる!
飛んでくるライフルの弾、ちょ、ちょ多くない!?
――ズダダダダダダダダダダダダダッッッ
やばいやばいやばい!
とっさに近くの大きめの岩へと隠れる。
ふぅ、ピンチです。
ぶっちゃけライフルの弾ぐらいだったらちょっと痛いくらいなんだけど、スキルとかで強化されてたらひとたまりもないからね。
どうするか……。
「うっ……おおおおおお!!!!」
全力で今まで隠れていた岩を押して前進する。
――ドドドドドドドドッッッ
いけるっ、いけるぞっ!
近づきさえすれば勝てる。
――ころっ、カララッ
え~っと、なんか飛んできたんですけどなんですかこれ。
意外といかにもって見た目してるものなのね、手榴弾。
でもいらないです。
「おらっ。」
とっさに拾った手榴弾を投げ返す。
――ドカーン!
あっ。
爆発の瞬間、上手いこと手榴弾の煙と吹き飛んだ地面の砂で煙幕となる。
「っっっ!!!うおぉぉ!」
敢えて煙幕を突っ切らない。
一瞬、一瞬でも近づければいい。
煙幕の位置は60m先、敵の位置は100m先。
――いける。
地面を思い切り蹴った。
抉れる感覚とともに、体が宙に浮く。
接近、やれる。
「うおっ!」
「失礼っ……します!」
狙うは後頭部、首の少し上。
どうせ魔法で防御してるだろうから少し強めに。
――どすっ。
よし、クリーンヒットしたかな。
「っは!こっちだ!」
咄嗟に今気絶させた兵士を盾にする。
一瞬ためらった。
そこに出来た隙に木刀を叩き込む。
「おい!なにしてる!」
――ダダダダダッ
っ!相手が多すぎる、一旦引かなきゃ。
近くの民家へと転がり込む。
「ひっ…………。」
「大丈夫です。帝国軍のものです。出来れば安全なところへ避難してください。」
「あ……。」
王国軍は民間人放置してるのか、傷つけないよう戦わなきゃ。
「ふっ……『ジィタノーツェ』!」
違うっ!こいつ!
咄嗟に防御姿勢をとるとともに後ろへ跳ねる。
が、間に合わない。
視界が閃光に染まるとともに強烈な衝撃が私を吹き飛ばした。
大っ、丈夫!
意識はある、体も動く!
爆風に飛ばされながら受け身の態勢をとる。
――ドッ、ザッ……。
「うがっ……。ふぅ……。」
危なかった。
でも助かった、あいつの顔も覚えた。
後は仕留めるだけだ。
遠くに見えるアルグラさんからしてだいたい400mは飛ばされただろうか。
まだ追っ手は来てない。
私が今ので死んだと勘違いしてくれてたらいいんだけど。
――――――――――――――――――――――――――――――
「さっきの帝国の女、やつはまだ死んでいない、探せ。」
「了解……そっちも気をつけろよ。」
「誰にモノ言ってる、黙って行け。」
「…………ああ。」
女、か……。
あの感じ、多分俺と同じようにこの世界に来たんだろう。
まぁどちらにしろ、俺を目立たせるイベントとしては最適解だな。
俺のスキル、『爆弾魔』は俺が意識して触れた部分を爆弾と変化させる。
無論、生物であっても、だ。
弱点はない。
この世界で無双するのは、この俺だけでいい。




