ちんちんを2台の扇風機で挟んで干物にする
スルメは美味しい。ビーフジャーキーは美味しい。
乾き物は基本的に美味いのだ。旨味が凝縮されており、噛む度に味が出る。それに、乾き物はすぐに飲み込む物ではないので、長く楽しめるのだ。何時間でもしゃぶっていられることだろう。
そこで私は思った。ちんちんを乾物にしたらもっと人気が出るのでは? と。もっとみんなしゃぶりに来てくれるのでは? と。
私は早速扇風機を用意した。左右から挟むので2つ用意した。基本的に食べ物は大きい方が嬉しいはずなので、乾かす間はずっとちんちんを巨大化させておこう。
60時間が経過してもちんちんはそのままだった。表面は恐ろしいほど乾いているが、中身はじゅんじゅんだった。
当然だ。ちんちんは身体の一部なのだから、風に当てたくらいで干からびる訳がないのだ。
ではどうすればいいのか。私がミイラになるしか方法はないのだろうか。でもそれだとちんちんをしゃぶってもらう意味がなくなってしまう。死んだら全て終わりなのだ。
他に方法は⋯⋯
そうだ、赤外線を当ててみるのはどうだろうか。扇風機に挟んだまま熱を使って徐々に火を通し、乾燥させる作戦だ。
私は直ぐに炭を買ってきて実行に移した。
地獄だった。私は自分のちんちんを焼いたことなどこれまでの人生で1度もなかった。なんなら乾かそうとしたこともなかった。
しかし、これを耐え抜けばみんながちんちんをしゃぶりに来てくれる天国のような未来が待っていることだろう。私は耐えた。耐えに耐えた。
100時間後、私のちんちんは完全な干しちんになっていた。そして、感覚がなくなっていた。しかし、格段に美味くなっているに違いない。なんたってちんちんジャーキーなんだから。
私はちんちんだけ出しビキニを着て街を歩いた。ちんちんの所だけ穴が空いたスク水のようなものだ。
すれ違う女性が全員私のちんちんを見ていく。男性も見ていく。しゃぶりに来てもよいのだぞ。ほれ、ちこう寄れ。ちんこう寄れ。
私が外に出てから2時間が経過した。39度という人が死ぬような気温の中わざわざ美味いもんぶら下げて歩き回ってやっているというのに、誰もしゃぶりに来ない! どういうことだ!
私は近くを歩いていたバーサーカーみたいな女性をとっ捕まえ、なぜなのか聞いてみた。
「きゃーーーーーーっ!」
「キェーーーーーーッ!」
女性が悲鳴を上げたので私も対抗した。
「んで、なんでみんなしゃぶりに来ないと思います? 叫ぶのはもうナシでお願いします。つまんないんで」
「まず、そもそもちんちんは美味しくないので、乾物にしたところで旨みの凝縮とかそういうのはないと思います」
あ? なんだと?
「それに、他人が持ち歩いているビーフジャーキーやスルメを勝手にしゃぶりに行く人なんていないと思うので、もし美味しかったとしても意味ないと思いますよ」
完全論破されてしまった私は女性の頭を鷲掴みにし、私のビーフジャーキーを口へとねじ込んだ。
「調子に乗ってんじゃねぇぞ変質者が! 噛みちぎってやる! 死ねぇ!」
ガキンッ!
「な、なんやほれは! 歯が、歯が折れはぁ〜!」
鋼鉄と化した私の干しちんの前には人間の歯など豆腐同然だった。
「覚えへやがれ〜!」
女性は私を睨みながらビル街へと消えていった。これが「ざまぁ系」というやつか。
それから私はこの街で暴虐の限りを尽くし、いつしか「辻斬りの干しちん」という異名がつくまでになっていた。
「そこまでだ辻斬り! このスーパー最強俺TUEEEEウルトライケメンスキルつよつよチョロいヒロインとイチャイチャ勇者がお前を斬る!」
私の1番嫌いなタイプの人間だ。スキルってなんだよ。酢の効いたキルかよ。じゃあキルってなんだよ。
「くらえ! この伝説の剣と最強の俺から放たれる最強の攻撃! 正義の一撃ぃ!」
勇者は私の干しちん目掛けて大剣を振り下ろした。伝説の剣というだけのことはあり、私の干しちんと対峙しても折れることはなかった。
「なに!? おめーのちんちん、そんなに硬ぇってのか!」
怯んだ勇者に俺のスルメが襲いかかる。
「危ない!」
最強の盾で私の干しちんを防ぐ盾マン。こいつは勇者の盾になることしか役割がないらしい。
「ひそひそ」
盾マンが勇者になにやら囁いている。
「なるほど! たしかに!」
なんだ? 何を聞いたんだ?
「ちんちん以外に攻撃を当てれば良いんだぁーっ! 死ねぇーっ!」
そう叫びながら勇者は私の腹をかっさばいた。腹から大量の血と内臓が流れ出る中、私は考えていた。
ちんちん以外狙うのズルくね?
内臓をぶちまけて倒れる私の周りに徐々に人が集まってきて、ついには踊り始めた。勇者を称えているのだそうだ。そう、私は勇者の人気を上げるためにひと役買ってやったのさ。来世は清い人間になれますように⋯⋯
毎回おすすめキーワードがつけられない。テンプレからかけ離れすぎてるってのも考えものだな。ちんちん。