第10章
本文中には描ききれなかったディテールな情報も入っています。
☆ セーリア=フェリオス(17歳)
フェリオス侯爵家の三女。
淡い金髪に水色の瞳。
公爵である父親が行儀見習いに来ていた男爵令嬢に手を出して産ませた婚外子。
籍に入れられてはいたが、使用人扱いをされて育つ。
学園には入れてもらえなかったが、兄や姉達の家庭教師にこっそりと指導してもらい、最低限の教養は身に付いている。
(実は家庭教師達はやる気のない上の二人より、優秀な末娘を教えることを楽しみにかよっていた)
当主になった兄によって、強制的に曰く付きの王太子ジョルジュと結婚させられることになったのだが……
☆ エリオット=クライスト(22歳)
クライスト侯爵の嫡男。
実はクライスト侯爵夫人とスタンレー公爵マークス(王弟)との間にできた子供。
王家の色と呼ばれる銀髪にグリーンの瞳をしているが、薄茶色に髪を染めている。
従兄弟であるジョルジュ王太子の側近として、彼の婚約者のシシリアのフェリオス侯爵家を度々訪問をするうちに、セーリアと想い合うようになる。
国のため、国民のため、従兄弟のために王太子を身代わりをする羽目になる。そして偽りの結婚までさせられそうになったのだが……
☆ ジョルジュ=モードレッド(22歳)
モードレッド王国の王太子。
銀髪にグリーンの瞳。
国王とシルヴィア王妃の嫡男とされているが、実は平民の乳母との間に生まれた婚外子。
両親は学園時代の同級生で、父親は卒業式で婚約者だったシルヴィアに婚約破棄をして既に身重だった平民の彼女と結婚をしようとした。
しかし婚約者の父親で宰相のスレイン侯爵の逆鱗に触れて、婚約破棄は認められなかった。そのため王妃の子として育つ。
従兄弟エリオットの言葉に耳を傾けず、卑しい心根の婚約者や側近に利用されて道を踏み外す。
その上聖女の仮面を被った魔女に魅力魔法をかけられ、婚約者に婚約破棄をした挙げ句、さらに道を誤り、北の塔に幽閉される。
☆ シシリア=フェリオス(享年18歳)
フェリオス侯爵家の長女でセーリアの姉。
母親似で鮮やかな赤い髪に碧眼。
ジョルジュ王太子の元婚約者。
実の妹だと知りながら、使用人として扱い、苛めるような性悪女。
王太子を利用して贅沢三昧をする。そして王太子に近付いた聖女を虐めた結果、破滅して自ら命を断つ。
☆ ナタリア=フェリオス(19歳)
フェリオス侯爵家の次女でセーリアの姉。
妹セーリアと同じく父親似で淡い金髪に水色の瞳。
生まれた時から身体が弱く、利用価値がないと、領地へ送られ放置されて育つ。
滅多に王都には出て来られないが、セーリアにとっては唯一心を通わせられる相手。
手紙のやり取りをして励まし合っている。
☆ モードレッド王国王妃シルヴィア(故人)
元スレイン侯爵令嬢。
幼い頃から当時の王太子の婚約者として励み、才色兼備の完璧な令嬢として有名だったが、優秀過ぎたために却って疎まれ、浮気をされて、学園の卒業式に王太子に婚約破棄宣言を受ける。
しかし、王太子の相手が平民だったために、婚約破棄は無かったことにされ、強制的に予定通りに結婚式を挙げさせられる。
仮面夫婦として白い結婚を貫き、夫には最後まで心を開かなかったが、夫の愛人が産んだ息子を実の子として愛を注いだ。
☆モードレッド王国の国王。
銀髪にグリーンの瞳。
凡人だが元々は善人。ただ優秀な弟と婚約者に強いコンプレックスを持ったために道を踏み外す。
婚約者のシルヴィアへの思いに気付かずに平民の同級生と浮気をして子供を作り、婚約破棄を宣言する。
しかし、さすがに王太子を溺愛していた父もさすがにこれは認めなかったので、その婚約破棄は破棄されて、シルヴィアと白い結婚をする。
愛人との息子を嫡子として愛情を注ぐ妻に申し訳なさと、深い愛情を抱いて再構築を願うが、拒否される。
愛人と妻の死後は独り身を通し、息子の成長だけを生きがいにしていたが、多くの敵を作ってしまったために、罠に嵌った息子を守り切ることができなかった。
☆ スレイン侯爵
モードレッド王国の宰相。
王妃シルヴィアとスタンレー公爵夫人アネッサの父親。
実質国王に代わって国を治めている実力者。
娘二人を政略的に王族に嫁がせるが、それのどちらも不幸な結婚となり、娘達が産んだ孫を抱くこともできなかった。
しかも王太子の側近だった跡取りの孫も、悪女二人とともに王太子を嵌めて公金横領をした罪で、鉱山での労働刑に処された。
そして彼自身も子爵へと落とされ、晩年酷く後悔する。ただしもう一人の内孫によって家は存続している。
偽装結婚の発案者である。
☆ マークス=スタンレー公爵
王弟だっだが、王位継承権を剥奪され、公爵家を興す。
優秀過ぎたために父親と兄に疎まれて王位継承権を奪われ、恋人であるカーティス伯爵令嬢であるオリヴィエとも仲を引き裂かれる。
そしてスレイン侯爵令嬢のアネッサと強制的に結婚をさせられる。
しかし、挙式後に新妻が自殺未遂を起こしたために事態が急変し、スレイン侯爵の提案による偽装結婚を受け入れる。
正妻とは白い結婚を続け、友人のクライスト侯爵子息と結婚した恋人のオリヴィアと事実婚をする。
つまり二組の夫婦は仮面夫婦であり、実際の夫婦の営みは友人の妻同士を交換して行うということだった。
そして生まれてきた子供はみな侯爵家で育てることにした。それはいざという時に王家に子供を利用されないようにするための筈だった。
しかし、時の流れとともに歪な家庭環境で気持ちも考え方も変わっていき、兄や甥だけでなく、恋人も妻も子供達も、不幸にしていく。
☆ アネッサ=スタンレー公爵夫人
元スレイン侯爵令嬢で王妃シルヴィアの妹。
クライスト侯爵子息という恋人がいながらスタンレー公爵と政略結婚をさせられ、絶望して自殺未遂をする。
その結果父親の策略で偽装結婚して、恋人と事実婚状態になるが、自分が産んだ三人の子とは母として接することかできずに苦悩する。そして、父の提案に乗ったことを深く後悔する。
しかしやがて同じ境遇のクライスト侯爵夫人のオリヴィエや子供達、そしてセーリアと力を合わせて夫や恋人、旧態然とした貴族社会を改めるために尽力する。
彼女が産んだ息子が次期クライスト侯爵となった。
☆ オリヴィエ=クライスト侯爵夫人
元カーティス伯爵令嬢。
マークス=スタンレー公爵の恋人で、エリオットの母親。
身分違いの恋に悩んでいたために、結ばれることは諦めていたところにスレイン侯爵から偽装結婚を提案され、それを受ける。
愛する人と結ばれて最初は幸せだと感じるが、やはり歪んだ結婚生活に疑問を抱くようになる。
必死に子供達を平等に愛するように努力するが、長男のエリオットの苦悩する姿を見て自分の決断に後悔し続ける。
同じ境遇のアネッサや子供達、そしてセーリアと力を合わせて夫や恋人、旧態然とした貴族社会を改めるために尽力する。
☆ スティーブ=クライスト侯爵
マークス=スタンレー公爵の幼なじみで親友。
オリヴィエの夫でアネッサ=スタンレー公爵夫人の恋人。
本当にアネッサを愛していたが、親友との結婚を反対したり、駆け落ち結婚するつもりは毛頭なかった。
ただし、アネッサが自殺未遂をしたり、父親が鉱山の贈与に目がくらんだことで、流されるまま偽装結婚に踏み切る。
マークスとは違い、直接子供達と暮らしていたために、彼よりは子供達に愛情を持ってはいたが、やはり、エリオットを使って国政の実権を握るという野心の方が勝ってしまう。
☆フリット=バークレー
モードレッド王国の影。
王命で密かにジョルジュ王太子を幼い頃から守ってきた。姿を人前に晒してはいけない掟があるのだが、北の塔に入れられたジョルジュの再生のために、あえて下男の振りをして近付く。
そして政敵からの刺客から王太子を守りつつ、彼の更生に尽力する。
ジョルジュが世間的に死亡したとされた後、彼を連れて北の塔と王城から抜け出して市井に下る。
のちにとある新聞社の副社長になって、社長となったジョルジュと共に、エリオットやセーリアの改革を世論を利用して後押しをしていく。
因みにジョルジュが北の塔内で読んでいた書籍は、彼が更生し、市井で生き抜くための知恵や考え方を得られるようにと、フリットが厳選したものだった。
これで完結です。
読んで下さってありがとうございました!




