If影虎~(現実では)ありそうな王道設定②
注意:ギャグパロディーと思ってご覧下さい。
何ででしょう……真面目に書いたのに、シリアスが……。
(はあ、はあ、はあ……くそっ。
またやっちまった!)
心で絶叫しつつ、風魔法で追い風を起こし、身体強化して猛ダッシュしながら、森を駆ける。
「「「ウォンウォン!」」」
後ろから迫る音波攻撃の気配に、本能的に地面を蹴って躱す。
だが音波狼は数頭で群を形成し、狩りをするらしい。
「ウォン!」
着地した先に、別の音波狼が待ってましたとばかりに吠え、牙の生えた口を開けた。
(あ、終わった)
少しはまともな転生ができたと思ったのに……また短い一生だったな……。
何度か転生したせいか、潔く覚悟を決めるのは一瞬。
鋭い牙が食いこむのを予期して、目を閉じて身構え……。
「『神妙にお縄につけぃ』!」
「キャヒィン?!」
予期せぬ声と、音波狼の悲鳴に目を開ける。
青紫色の縄に絡み取られた音波狼が転がっていた。
しかもこの縄、前々世のアダルト的かつコアな専門分野的な縛り方をしている。
「キャヒィン、クヒィン」
つうか、何で震えてんだよ。
音波狼も、なよっとした鳴き声上げんな。
「レジー、リー」
俺のドン引きに気づくはずもなく、突然現れた人物が、音波狼を指差す。
「「ガウァッ」」
すると白黒の犬が俺の後方にいただろう音波狼達に突進。
「「「ウォンウォン!
ワフ?!」」」
「「ガウァッ」」
音波狼達は、当然のように音波を犬達に浴びせるも、音波が自分達へと跳ね返る。
恐らく犬達には自分達への攻撃を反転し、相手に返す魔法が施されている。
音波狼達は自分達の音波を浴び、犬達が音波狼達に噛みつき……白犬の頭の山羊……山羊、だよな?
あれ、魂だった時に見たぞ?
ミニチュア版か?
リアルで見た時の破壊力と脱力感がやべえ、ぶっとい眉毛の山羊が……腹の蔦がビヨンとして山羊キックしたな……あ、白犬の頭に戻ってった。
「「「キャウン、キャウン!」」」
不測すぎる事態に、言葉そのまま尻尾を丸めて逃げていく音波狼達。
「うふふ、豚骨風ラーメンに、ヒレ酒風ワイン……美味しそう」
そんな犬達と音波狼達の小競り合いを意に介さず、震える縄に捕らわれ……囚われてねえか?
身悶える1頭の音波狼を見下ろすのは、桃金の髪に藍色の瞳をした……ああ……やっとだ。
やっと会えた……俺の奥さん。
長かった……奥さんと別れた後、何度か転生して……。
「あらあら?
なんて素敵な鬣……立派な角……」
そう、何度か転生した末に奥さんと再会した今世の俺は……。
「ブルルッ」
「ユニコーンね!」
そう、気分を高揚させて鼻を鳴らした俺は……ユニコーン。
人外だ。
だが正直、マシだ。
なにせ初めは巨大イモムシ。
最期は巨大な蝶となり、比較的短い蝶生を終えた。
もちろん虫の本能に抗って、交尾などしていない。
次は巨大な魚。
同じ群の魚を見る限り、飛び魚だったんじゃねえか?
どうでもいいが、この世界の飛び魚は空を飛べるんだな。
調子に乗って飛び回ってるうちに、群からはぐれて力尽きてた。
もちろん魚の本能に抗って、卵に種づけなどしていない。
そんな暇もなかった。
仕方ねえよ。
前々世では奥さんと釣りをやってて、魚に詳しくなってた。
年取っても年に2回くらいは奥さんと水族館デートもしてた。
だか前世とは違う、空をマジ飛びする飛び魚な自分にテンション上がって……楽しくて仕方なかったんだ。
そして今世は……ユニコーン。
ちょっとは人間に近づけて、コレはこれで嬉しくてテンションが上がっちまった。
またしても調子に乗って、群からはぐれた。
「ヒヒン、ヒヒン」
(月和、俺だ。
影虎だ)
知らず甘えた鳴き声になる。
ゆっくりと近づいて、自分より小さな頬を傷つけないよう注意しながら擦り寄る。
「んふふ、擽ったいわ……はあ……生まれて時間が経っていないのね?
はあ……まずは擦り傷を治して、体を綺麗にして……はあん、短め体毛が艶ん艶ん……ああ、鬣……生まれたばかりのサラ艶柔らかキューティクル……はあ……」
動物的本能が危険だと背中に電流を走らせる。
だが今の俺は奥さんと再会できた事への歓喜で、本能が鈍っている。
「「ワ、ワフワフ」」
動物だからか、犬達が遠慮がちに逃げろと伝えてくるのがわかる。
だが……。
「はあん、もう、駄目……いただきまーす!
ズヌゥゥゥ~、ブバァ~……ズヌゥゥゥ~、ブバァ~……」
「ヒヒィン……」
そう、俺の奥さんは変態顔だ……いいんだ……変態顔の奥さんでも。
前世で飼っていたポチの、諦観したほの暗い瞳を思い出す。
動物的本能も、とにかく逃げろと警鐘を鳴らし続ける。
でもまあ……いいんだ。
俺の奥さんだから……。
「ズヌゥゥゥ~、ブバァ~……ズヌゥゥゥ~、ブバァ~……」
………………なあ、これ……。
「ズヌゥゥゥ~、ブバァ~……ズヌゥゥゥ~、ブバァ~……」
………………いつまで続くんだ?
ご覧いただき、ありがとうございます。
もっとまともな再会をさせたかったんですが……(;´Д`)ナンデ?
もちろんユニコーン影虎は、ラビの側で寄り添う一生を過ごすんですが……(;´Д`)ナンデ?
次回はちゃんとした再会を……少なくとも人間同士でラブに繋がる再会を……ええ、恋愛相手として再会するのだけは間違いなく……もう半分くらいは話も作ってるんで……もうちょいシリアスな話になるはず……。
ちなみにちょい少し続きそうな予感が……。




