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《書籍化、コミカライズ》稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ  作者: 嵐華子@【傾国悪女】3/5発売予定
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699.前世の自動車運転免許証とは~ミハイルside

「少し前に起きたらしい?

起きかけた、でしたかしら?

まあいいわ、その飛び魚含めたマリン系魔獣集団暴走(スタンピード)の被害が、私達のマリンスポーツ的遊びで、最小限に抑えられましたでしょう?

私も後から聞いて、びっくり仰天でしたけれど」


 ラビアンジェよ、それは俺も仰天した。

まさかとは思うが、他にも伝説の聖獣達と遊んで仰天エピソードを作っていないだろうな?

いや、これまでの事を考えてみれば、ラビアンジェさえ自重すれば、何も起こらない気がしてならない。


 しかし断言できる。

ラビアンジェは絶対、自重しない。


「魔法具師としての腕を買われましたの。

S級冒険者であるミルティアさんの、魔法具アシスタント扱いとなりましたわ」

「なるほど?

それでミルティア氏(S級冒険者)にスカウトされたと……」


 紛らわしいな!

てっきり隠している実力から、冒険者ギルドがS級冒険者としてラビアンジェをスカウトしたのかと思ったじゃないか。


 しかしラビアンジェは恐らく、いかに自由に、いかに楽しく過ごすかに、自分の人生の重きを置いている。


 S級冒険者は一見、自由人には見える。

だがギルドのしがらみ(依頼)には縛られてしまう。


 もちろんギルドとて、闇雲にS級冒険者へ依頼を振る事はない。

S級冒険者とは災害級の力量を持っていなければ、なれはしない。


 その分、存在している事にも価値が生じる。


 だからこそ場合によっては、スタンピードなどという、災害級の案件をギルドから依頼されるのだが……。


「なので今の私の冒険者等級は、自動的にA級ですわ」

「何故……冒険者等級とは……」


 今の話からして、妹は相変わらず【対魔獣知識も考慮して、良くてC級相当】という表向きの実力で認識をされている。

なのにA級?


「冒険者ギルド初の、特記条件事項(要魔法具使用)付きですけれど。

何だか前世の自動車運転免許証みたいですわね。

眼鏡使用、的な」


 運転免許証はともかく、自動車とは?!

だが前世と言ったから、あえてつっこまない方が良いだろう。


「そ、そうか……」

「これまでのS級冒険者は、後ろ盾になるにしてもB級相当だったようですわね。

S級冒険者とは、つまり災害級の実力者でしょう?

ただでさえ浮世離れした思考回路を持ちがちで、対人(たいひと)に対しても倫理観が乏しくなりがちとか。

そこで冒険者ギルドでは、S級冒険者が破壊的な思考回路に陥らないよう、S級冒険者に後見人をさせたり、世話役をつけたり、世話役にさせたりするようですわね」


 それは聞いた事がある。

つまるところ、S級冒険者が浮世離れし過ぎないよう、俗世に繋ぎ止める鎖とする意図があるのだろう。


 そして後見等々を受ける者にも、それだけの価値が生じるとも言える。

どこまでの影響力があるかはわからないまでも、S級冒険者に干渉でき得る人間だ。


 その者を通じて、S級冒険者に近づこうとする者も出るはず。


 もしもS級冒険者に干渉し得る者が、冒険者等級や立場が低い者だとする。

下手をすれば、外圧に潰されかねない。


「ミルティアさん的には、私と冒険者ギルドが求めるような、ある種の主従関係には、なりたくなかったようですわね。

なので当初は、むしろS級冒険者はどうかと提案されましたわ」


 確かにミルティア氏は、ラビアンジェと友人としての関係を求めていたように感じる。


「けれどカインさんが、そこは反対しましたの。

そこで提案されたのが、私がミルティアさんの専属魔法具師になる事でしたわ。

カインさんも冒険者ギルドには、マリン系スタンピードを沈静化した報告をしなければならなかったようですし、ついでという形でどうか、と」


 カイン氏は、間違いなくミルティア氏への独占欲が強い。

自分以外の者がミルティア氏に侍る事態を、許せなかったに違いない。


 まるでどこぞのレジルス(初恋馬鹿)のようだ。


 はっ、まさかカイン氏の初恋も、ミルティア氏……。


「お兄様もご存知でしょう?

魔法具師は、魔法師や騎士と比べて、立場がとても低い。

基本的には魔力の低い平民がなるような、魔法師としての実力がない者がなる。

そんな風な位置づけですの」

「確かに。

しかし生活する上で、なくてはならないのもまた、魔法具だ。

ただ、誰でも使え、かつ魔法師ならば大抵の物は修理できる魔法具が一般的で、かつ広く普及しているからこそ、魔法具師の立場は低い」


 学園で魔法具科を専攻していたからこそ、ラビアンジェは魔法具師の位置づけに思うところがあったのだろう。

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