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《書籍化、コミカライズ》稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ  作者: 嵐華子@【稀代の悪女】複数重版&1/9最終巻発売予定
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694.初恋限定解除~国王side

「……良いのだな?」


 公女と別れて一週間後。

余の自室に前触れなく転移してきたレジルスに、静かに問うた。


「はい。

リドゥール国に続き、冒険者ギルド本部の本部長、そして蠱毒の箱庭(魔の森)を共同統治するデイラム国からも、協力する旨を取りつけましたから」

「そうか。

エメアロルは?」


 レジルスの報告に頷くも、ふと、後から苦労しそうなもう1人の息子が頭を(よぎ)り、口にする。

 

「エメアロルの打たれ強さは、俺達兄弟の中で1番強い。そもそも全てを考慮し、エメアロルの入学を早めたのでは」

「……ふう」


 こ奴、やはり伝えておらなんだのか。


 余も、まさかレジルスがここまで早く事を成すとは思わず、また、おいそれと口にも出来ぬ立場。

それ故エメアロルには、レジルスの計画について話しておらぬ。


 が、レジルスよ。

王子としても、兄としても、どうなのだろう。


 小心者のエメアロルに、有無を言わさず諸々を押しつける気しかないな。


 エメアロルを気の毒に思いつつも、国王たる余が率先して、父親としての立場を優先するわけにもいかず、あえて話題を変えるに止めようと口を開く。


「間に合いそうか」


 恐らく公女は、兄ミハイルの複雑な感情に気づいておる。


 そしてライェビストは、かねてより決めておったロブール公爵家当主の世代交代を、先延ばしはせぬ。


 そして公女は、余とライェビストに創造した空間を見せ、悪魔となった初代ロベニア国王の顛末を見せた。


 もちろん余に見せたのは、幾つかの人生を挟んだとて、王女(王族)としての責務を果たす意味合いが大きいはず。


 しかしライェビストに見せたのは、単に公女の父親だから、ではない。


 魔法馬鹿ライェビストを魔法で釣り、何かの便宜をもぎ取っておる。


『それではお父様。

例の件()()、お願いしましてよ』

『ああ。

ミハイルはこのまま、当主に任命しておこう。

お前は、お前の好きにすればいい』


 公女の空間から出た後の、親子の会話だ。

これだけなのに不穏さを感じるのは、余が少なからず公女の、そして多大にライェビストの性格を知っておる故にだ。


 なお、かなり短く、あっさりした会話であったが、この程度の事に驚く情緒は、今更持ち合わせておらぬ。


 この後、公女はすぐに転移していなくなった。


 ライェビストにどういう事か尋ねても、既に興味はないとばかりに、本人も転移してしまった。


 一応、余は国王で、魔法馬鹿は魔法師団長ぞ?


 しかしロブール公爵家内の事に、口は出せぬ。

故に今日まで、真相を掴めぬまま。


 わかるのは、公女が何かしら動く可能性が高く、ライェビストは全く止めるつもりがない事だけ。


「難しいかと。なので、俺が、公女の側に侍る最短ルートを目指します」


 やはりレジルスは、公女の動きを察しておる。


 どうでも良いが、それとなく【俺が】を強調せなんだか?


 まあ良い。


 レジルスは学園祭以降、見せた事のない処理能力を発揮し、これからに備えて動いた。


 この初恋馬鹿め。

能力の高さを発揮するのは、父として、王として、嬉しくもあり、頼もしくもある。


 【初恋の公女が絡んだ時のみ】でなければな。

一体何の限定解除……初恋限定解除であったな……そうであった。


「はあ……お前もギリギリのところでは、王族の自覚があったのだな」


 それでも王族としての順序でいえば、レジルスは守っておる。


 何よりレジルス自身は、これから厳しい矢面に立つ事を、あえて選択したとも言えよう。


 もう少しエメアロル()にも、初恋にかける千分の1くらい、気遣いと察しを向けて欲しいと思うのは、望みすぎであろうか……。


「まあ、公女に嫌われたくありませんから」


 確かにレジルスが言った通りよな。


 ベルジャンヌ王女の頃の記憶がある以上、公女は王族として、最低限の責務を求めておる。


 公女自身、死んで転生したにもかかわらず、王族が負うべき責務を果たしておる。


 なのにレジルスが、王族として何の責務も果たさず公女に侍ろうとしたとて、公女は決してレジルスを受け入れぬ。


 余はそう確信しておる。

レジルスも確信しておるからこそ、先に成すべきを成すと決めたのだ。

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