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《書籍化、コミカライズ》稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ  作者: 嵐華子@【稀代の悪女】複数重版&4巻販売中


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140.1人消えた?

「さかなさかなさかなー、ふふふっふっふふっふふー、さかなさかなさかな~、ふふふっふっふふっふふ〜」


 鼻歌まじりに前世で何となく覚えていた魚のテーマソングを歌いながら、魔法でテントや残った魔獣避けをパパッと収納魔鞄(マジックバック)に収納する。

もちろんムカデのお肉も忘れないわ。


 鞄はローレン君のだから、ちゃんと返さなくっちゃね。


 あとはあそこで眠らせてる皆をラグちゃんが…………早速皆バビュンと飛んで行ったわ。

勢い強くないかしら?

首を寝違えなければ良いのだけれど。


 索敵魔法を展開しつつ、私は川辺りに転移する。

ここが本日の釣りスポットなの。


 お兄様達も無事外に出たみた……まあまあ?

1人消えた?

ラグちゃんてば、落っことしたのかしら。

うっかりさんね。


 ちなみにこの箱庭はラグちゃんの古巣なの。

だから前々世の私はラグちゃんだけはいつでも里帰りできるように、この箱庭の周りの結界魔法にフリーパスで出入りできる仕様にしているのよ。


 あ、もちろん今世の私もフリーパスよ。

来たのは初めてだけれど、過去の自分が張った魔法くらいどうとでもできるわ。


 なんて思っていれば、ふと別の場所に移動した魔力に気づく。


 もしかしてこれは……転移?


『ラビ、1人消えた』


 ラグちゃんてば素早い報連相(ホウレンソウ)ね。


「そうみたい。

場所はさっきまで私がいた場所よ。

どうしてそんな所に……まあいいわ。

随分と荒い転移魔法だったから、怪我したんじゃないかしら?」


 転移魔法ってある程度熟練していないと咄嗟に使った時、時空の狭間に引っかかって最悪体がバラバラになって瞬殺されちゃう便利と危険が隣り合わせの魔法よ。


『邪魔だな。

殺るか』

「ふふふ、駄目よ」

『ならどうする?

俺はもうお願いは聞かんぞ』

「まあ、つれない。

でもそれでいいわ。

ありがとう、ラグちゃん。

とっても助かったわ。

とりあえず日も高くなってきたし、私には鰻重任務があるから放っておくわ。

私の気配がそれとなくする日中なら、蟲達もいくらか大人しいでしょう。

それに装備もそれなりにしているようね。

かなりの魔法の使い手みたいだから、日がかげるまでなら自衛もできるはずよ」


 今日のラグちゃんてば、何だかずっとそっち方面にやる気があるのよね。

暴れん坊将軍になりたい気分なの?


 今回はこれ以上お願いはしない方がどこかの誰かさんの為ね。


 それにしてもこんな危険で無謀なチャレンジをしたのは誰なの?

お兄様もやり方さえマスターすれば転移はできるようになるでしょうけれど、この魔力はお兄様じゃないわ。


「ん?」


 不意に前方からごく微細な索敵魔法の気配を感じたわ。


 つま先をトントンと地面にノックして自分の魔力を周りの自然物に馴染ませてぼかす。


 下手に遮断すると、索敵魔法を使った側はそこだけ穴がぽっかり空いたような不自然さを感じるの。

馴染ませる事で私の事は見つけられないわ。


 それにしてもやっぱりこの人は魔力量が多い、魔法の才能がある人なのね。

転移はもちろんだけれど、あの場所からここまでって探索魔法の範囲も広いわ。


 今世ではお父様以来の逸材かしら。


 考えられるのは……王族?

もちろん名ばかり婚約者のあの孫じゃないわ。


 四公の家門の中にここまでの魔法が使える人がいるなら聖獣ちゃん達と愉快な仲間達の誰かが何かしら話題にあげたでしょうけど、今まで聞いた事はないの。


 王族とはいっても、もちろん王妃達ではないはずよ。

彼女達は王族や四公の直系ではないもの。


 王族や四公の直系はこの国の中では特に魔力量が多いのは、血脈をある程度維持してきたからでしょうね。


 母親が平民のシエナも学園のAクラスに入れるくらいに多いのは、ロブール公爵家の直系である伯父様の血が半分流れているからじゃないかしら。


 それはそうと私が会った事のない魔力の多いだろう王族は、第1王子と第1王女。


 こんな所にお兄様とのこのこ来そうな王族がいたとしたら……第1王子?

お兄様と第1王子にどれくらいの面識があったのかは謎だけれど。

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