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神子の身に……




 一人のドレスを身に纏った女性は、窓際に立ち、空を眺めていた。

 「フゥ……」その女性は、ため息を付く。

 「どうしたら、アレを……」続けてそう口にする。

 青空の一点を見つめて。


 そこには、黒い何かがあって、空を塗りつぶしているようだった。他の所にも、黒い何かが点在している。

 「闇喰いの呪いを……解けるんでしょうか。ハァ……」

 再び、ため息を付く女性。


 その時、室外では駆ける足音が響き、やがて女性のいる部屋の前で止まる。すぐ様、ノックをする音がしたのだった。


 室内にいる女性は、扉の方に振り向く。

 すると、室外から声がする。

 「王女様、宰相のファルグス・ダンディーレで御座います。今、宜しいでしょうか?」

 宰相の問い掛けに、王女は落ち着いた調子で答える。

 「ええ、大丈夫ですよ。お入りになって下さい」


 宰相は、畏まりましたと扉を開け室内に入る。

 その顔は、うろたえた様子で重々しく口を開く。

 「王女様、大変なことが起きたのです……」

 「何が起きたのです?」

 「神子に神が降りたので御座います!」



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