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第0話 プロローグ
「少年、この私と一緒に生きたいか?」
そう彼女は口にした。
僕より少し背が高く、真っ黒なフードを深々と被り、口元しか見えない女性。
例えるのであれば、そう、
まるで、
まるで物語に出てくる死神のような容姿。
何の迷いもなく、真っすぐ僕に問いかけてくる。
「生きたい」僕には二つの意味で彼女の言葉が理解できなかった。
ひどく混乱していたのもあるだろうが、
それでも、
なぜ死者を誘う存在、「死神」である彼女が僕に「生きる」選択を与えるのか。
そして、
なぜ、
聞くのか、
もう既にこの世にはいない僕に。