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Good Dream  作者: 黒咲 夜羽
2/2

終話

彼side――――――――――――――――



「…俺は」


そうだ、俺は3階のマンションから飛び降りて死んだはず。

あれ…なんで死んだんだっけ…。

いや、俺は誰だっけ…?

手には両手で持つような大鎌が握られている。

黒いレインコートのような物を来てる俺は…誰だ?

周りを見渡すと海と山が見える。

前からは目を腫らした身長が低い女の子が歩いてくる。

こんなもの見られたらやばい人と思われると直感で感じ、アワアワ焦るがその子はこちらに見向きもせずにスルーしていった。


「…俺って見えないの?」


試しに女の子の周りで色々してみるが全く反応がない。

ふむ…。


「俺は…幽霊ってことなのか?」


しかしなんだろうか。

この子を見ると放っておけないというか、生前何か関係あったのだろうか?

…まさか。この世に人はたくさんいる。

それでも気になってしまう。

俺は彼女の後ろをついて行くことにした。


彼女に近づく黒い人影?みたいなものが目に付いた。

よく分からないが雰囲気で良くないものと分かる。

俺はそれを鎌で叩き斬る。

その影はゆらゆらと煙のように掻き消え消滅した。


俺は…この子を守るためにここにいる…のか?

何となくそんな気がした。



彼女side―――――――――――――――


あれから2日後だろうか。

短いようで彼がいないだけで長く感じる最近。

何故か彼が近くにいる感じがする。

どうして?

気の迷いだろうか、心を保つためだうか。

何故かそんな気がする。


最近少し肩が軽くなった気がすることが多くなった。

事故も起きず、平和な日々を送り続ける。

彼のお墓に参りに行きたいが、場所を知らないため行けない。ご家族とも顔を合わせづらいし…。

諦めて家事を終わらせ、仏壇にお参りしようと考えた。



彼side――――――――――――――――


勝手に家に上がっている俺は正直家に彼女以外誰もいない今、物凄く居やすかった。

見えないとはいえ気を使うものだ。

彼女は家事を始めてせっせと動いている。

相変わらず記憶は蘇らないが、彼女を見ていると何故か安心できた。

俺はふと気になっていた仏壇に目をやる。


「…勝手にあがってます」


申し訳なさから俺は仏壇で手を合わせた。

その時、後ろで音がした。


「あぁ…思い出した…」



彼女side―――――――――――――――



何故かは分からない。引っ張られたと言うべきか。

仏壇にお参りしようと思った。

後でもいいはずなのに。

私は鏡を吹いていたことすら忘れ、仏壇に近づいた。

何か、違和感を感じる。


違和感に気をとらていたせいで

私は鏡を落としてしまった。


「あ…割れてないよね…」


私は拾おうとして、その鏡に黒いなにかが写っているのを見つけた。


「…?」


仏壇の目の前で綺麗に正座し、横に現実じゃありえない死神が持つような鎌を置き、ただひたすら目を閉じ手を合わせている。


仏壇を見やるがそこには誰もいない。

しかし、鏡越しになると見えるその黒い姿は見覚えがあった。


「ユキオ…?」


その黒い死神のような男が振り向くと

死んだはずの彼の顔だった。

彼は私の方を向くと


「…久しぶりだね、ごめんね。

たくさん迷惑かけちゃったよね…たくさん怒らせちゃったよね…

これからは…幸せになってね」


瞬きした頃には

彼の姿は。まるで幻のように消えていた。

これはあくまでフィクションです。

もしあなたがこの選択を迫られた時

どうしますか?

完璧に後悔がない答えを選べる人はそう多くないでしょう。

一瞬の判断で一生の後悔か

一瞬の判断で一生の虚無感か

曖昧にしたままだと…





気づいた時には

もう既に手遅れかもしれません。

もう既にその人は居ないかも知れませんよ?


それでは皆さん

"良い夢を"

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