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赤眼ゾンビ  作者: 海月
第二章
77/99

救助の手

 それらしいヘリが来るまで、見張り役だけ置いて私達は自由に過ごした。雨も止み、穏やかな風だけが吹いている。

 

「……あ!」

 隣に居た白樺さんが何かに気づいたように声を上げる。彼の視線を追うと、遠い空に黒い点が見えた。

「もしかしてあれかな?」

 白樺さんの顔がぱっと明るくなる。その声で他の人も空に視線を移した。八木さんがぎゅっと目を眇める。

「どこだよ?」

「もっと右の方。あの手前のスーパーの向こう」

 首を傾げた八木さんに白樺さんが指をさして教える。しばらくして八木さんも見つけたのか、あぁと呟いた。けれど八木さんはどこか疑うような眼差しでそれを見つめている。


 自衛隊に保護されるのだから、きっと今よりは生活が楽になるのだろう。でも楽になるだけだ。もう、自衛隊だって、政府だって盲目的に信じる訳にはいかなくなってしまった。


「皆、荷物はまとまっている?」

 蛍さんの呼びかけに各々が荷物をまとめ、立ち上がってヘリが近づくのを待つ。


 大きく手を振ったり、懐中電灯を光らせたりして、気づいてくれるようにアピールする。ジェイドさんの言い方からして、救助してくれるらしい自衛隊と連絡を取り合えたわけではないのだろう。


 やがてヘリはゆるやかに進路を変え、私達の頭上へと鎮座した。気付いてくれた事に私はほっと胸を撫で下ろす。

 バラバラとプロペラの回る大音量と吹き付ける風に耐えていると、自衛隊らしき人が二人降りてきた。彼らは手慣れた仕草で着地すると、私達を見回す。


 一人は中年くらいの男性で、もう一人は若い男性のようだった。若い男性がトランシーバーに向かって連絡している間、中年の男性がヘリの音に負けない声で私達に話しかける。

「霞ヶ浦駐屯地から、連絡を受け救助に来ました。怪我をしている方、感染が疑われる方は居ますか」

 あちらとしては感染の有無を確かめたいだけだろうけど、一応私も火傷を伝えておこうと口を開きかける。けれど三ノ輪さんがさっと前に進み出たから、私はまた口を噤んだ。

 ヘリの駆動音の合間から聞こえる言葉の端々から、恐らく今の状況も伝えてくれているのだろう。


 ふと白樺さんを見ると、顔を強ばらせ、何処か気を張っているようだった。

 不思議に思っていると、三ノ輪さんがぱっと振り返った。私の事を怪我人として挙げたのかもしれない。私は彼らに近寄る。と同時に白樺さんも身動ぎをして、私はちょっと首を傾げた。

 私は躊躇いつつ、隊員へ左手を向ける。中年の隊員はそれを顔色一つ変えず丹念に見て頷いた。それからまた三ノ輪さんに視線を向ける。

「怪我人はこの子だけ?」

「ええ」

 意外とあっさりした反応に拍子抜けしていると、男性はまた少し声を張った。

「これから皆さんにはヘリに乗ってもらいます。その前に、身体検査をするので男性の方は出来れば上下脱いでください」

 その言葉に不安が過ぎるけれど、男性だけと付け加えた隊員に気を落ち着かせる。

「女性は出来るだけ薄着になって、手足を見せてください」

 私の顔色が変わった事に目ざとく気づいたのか、彼はこちらを見て安心させるように頷いた。

「男性はあちらの飯村が、女性は私がやります」

 それぞれ服を脱いで、隊員二人に見てもらう。上着を脱ぐと、湿った空気がシャツを通して肌を冷やした。

大賀(たいが)です。嫌でしょうが、我慢して」

 真面目な顔つきの彼に、私達はこくりと頷く。ヘリの中に感染者を入れる訳にはいかないだろう。身体検査をするのも当然だ。

 けれどやっぱり、男性の手が近づくとどうしても体が固まる。チカチカと嫌な記憶が胸を過ぎるのだ。


 息を詰め、彼の手が離れるのを待つ。腕や胴回りを、彼は軽く叩くように触れていった。傷があれば反応で分かるようにするためだろう。体を直接見られるよりかは幾分ましだ。

 背中側も同じようにされて、身体検査は終わりだった。一分とかからなかったそれに肩の力を抜く。

 海麗ちゃんの身体検査も手早く終わらせた彼は、そこで少し申し訳なさそうに眉を下げた。

「男性二人と聞いて失念していた。女性自衛官(WAC)を連れてくるべきだった。すまん」

 私は慌てて首を振った。やらなければいけない事だったし、最大限の配慮をしてくれた事は分かる。

 それを伝えると、彼は目尻の皺を深くして微笑んだ。それから表情を引き締めて、視線を全体に向けた。

「ではこれから、ヘリ機内へワイヤーロープを使って入ります。これから行く場所への説明もそこで。飯村。二人を先に」

 男性側の身体検査も終わったらしい。飯村と呼ばれた彼が頷く。


 ハーネスのようなものを腰に取り付け、隊員と一緒に上がるらしい。そこそこに近い距離に、私はあからさまにならない程度に視線を外す。

「キミ、ジェットコースターは乗れる?」

「はい。ちょっとなら……?」

 まさかそこまで怖いのかと顔を引き攣らせている内に彼は私の腰にハーネスを取り付けてしまう。聞き返す間も無く、彼は手をくるくると回して合図をする。

 ゆっくりと体が持ち上げられるけれど、地面から足が離れた途端、不安定な体勢になって顔が強ばる。

「力抜いて、もっと体重預けて大丈夫だよ」

 耳元で言われて、私はきゅっと唇を結んだ。男性というだけで緊張してしまうが、相手は仕事をしているだけだと言い聞かせ、体の力を抜く。そうして体重を預けるとゆらゆらと揺れてはいるものの、ハーネスと隊員の人に支えられているからか、先程よりも体が落ち着いた。

 そのままヘリの入り口近くまで上昇すると、機内へと引き上げられた。機内ではプロペラの回る音がごうごうと鳴っていて、とても会話出来る状態ではなさそうだ。

 ハーネスが外されると、手振りで奥に行くように指示された。素直に従えば、別の隊員に手招きされる。

 飯村さんはすぐにまた降りていったようなので、私はその隊員にそろそろと近づいた。

 隊員が自身の左手を指すのにハッとする。火傷を見るつもりだ。

 手を差し出せば、彼は軽く頷いた。それからそばにある救急箱らしい大きな箱の中から軟膏や大判のガーゼを取り出す。

 されるがままに処置されていると、他の人も同じように隊員に手伝われつつ機内に入ってきた。入ってきた人から順に奥へ詰め、蛍さんと三ノ輪さんが前列で隊員と話す位置らしい。二人にはヘッドセットが配られている。


 スライドドアが閉まり、ヘリが動き出す。上昇の浮遊感は大きいけれど、すぐに揺れは小さくなって機体が安定する。

 

 私は背もたれに体を預けながら、前に居る蛍さんと三ノ輪さんを眺める。

 奥に居る私達に会話が聞こえる事はないけれど、二人が詳細を聞いてくれるのなら安心だ。

 海麗ちゃんと肩を寄せ合い、小さくなる。揺れが小さくなったとはいえ、記憶にある飛行機よりは不安定だった。不規則な揺れの度に海麗ちゃんが体を強ばらせるのが分かって、私は更に彼女へ身を寄せた。

 私は意味もなく、ヘリの外へ目を向ける。視界に広がるのは無骨な鉄の壁。


 ジェイドさん達は今、どうしているだろう。トランシーバーで連絡をとろうにも、ヘリの中では難しい。

 視線を手元に落とし、小さく息を吐く。

 私には、無事に救助の手が届く事を祈る事しかできないのだ。




 

 俺は屋上を覗き、流れ込んできた黒い煙にすぐさま扉を閉めた。雨が止んだことに安堵したのも束の間、吹いてきた風が煙をこちらに押しやってきたのだ。単純に延焼も進んでいるから、風向きが変わるだけで解決する問題でも無さそうだ。


 この状況で長く屋上に身を置くことは難しい。だからと言ってベランダから救難信号を出しても発見される可能性は低いだろう。

 場所を変えるか、しかし未だに感染者は車の爆発音に反応して活発に動いている。

 俺と不知火はほぼ足でまとい。さらに女性二人も庇いながら、移動ができるだろうか。兎にも角にも、相談が必要な状況だ。


 俺は振り返り、後ろに居た夢前に戻るように促す。

「駄目だ。煙が流れて長くは居られそうにない」

 素直に階段を降り始める夢前だが、半身で振り返るその表情は困惑していた。

「え、じゃあ救助は」

「他の場所に移動して救助を待つのが一番良いだろう」

「けど……」

 前を向いた夢前の声には堪えるような響きがあった。階段を降りる足取りは躊躇うように不安定だ。

 自警団に居たというのなら、感染者への対処には慣れていないのだろう。不安に感じるのも、動揺するのも当たり前だ。

 当たり前だが、今はその動揺に寄り添える程余裕がない。

「あ、瑠璃さん」

 部屋の前で俯いていた藤堂が顔を上げる。俺を見て一瞬顔を歪めたが、何も言わずに夢前に促され部屋に入った。

 不知火含め、残った全員には一つの部屋に集まってもらっていた。俺が状況を見に行くと言うと、夢前が真っ先に手を挙げたから、藤堂は部屋を出たのだろう。男性ばかりの所には居られない、と。

 自分の気の回らなさに二人の後ろで小さくため息をついた。


 残った面々は不安げではあるものの、平静を装える程度には落ち着いていた。しかし状況を説明すれば、程度の差はあれ各々の顔色が変わる。それを注意深く観察しつつ、更に口を開く。

「申し訳ないが、俺は十分に動けない。銃を使うにも精度は普段より落ちる」

 しん、とお互いを伺うような空気が部屋に満ちた。その間にちらりと不知火や女性二人に視線が向く。

 夢前と藤堂以外は感染者への対処は出来る。流石と言うべきか、このマンションへ来てから精神的に参っていた奴も回復して動けていた。


 ここで動けなくなる者は、とっくのとうに死んでいるのだろう。動けなければ死ぬ。そんな判断が出来るのだから、四人を守りながらの移動がどれだけ難しいかも良く分かっている筈だ。


 口火を切ったのは、夢前を気遣っていたあの男だった。

「……俺はとりあえず、不知火さんと夢前、藤堂さんを連れて移動する方法を考えないといけないと思う。ジェイドは走れるよな?」

 問いかけに軽く頷き、俺は重ねる。

「体力は問題ないし、感染者への対処も多少は出来る。ただこれがあるからナイフよりかは銃を使いたい」

 肩の怪我を示すように顎をあおる。正直ナイフも銃も肩の傷に障る事に違いはない。ただナイフを使った接近戦で痛みに気を取られれば、その一瞬で噛みつかれる事があるだろうから、銃を使いたかった。

「分かった」

「な、先に入れそうな屋内を探して経路確保しないか?」

 それを皮切りに他の奴もどこか覚悟を決めたような面持ちになって話し合いを始める。俺はほっと眉を開いた。


 俺は壁際に立っている夢前と藤堂に近づく。

「二人とも、銃の扱いは?」

 藤堂はデパートを出る際に使っていた覚えはあるが、二人とも自信無さげに首を振った。

「少し教えておく。積極的に使わなくても良いから、覚えておけ」

 銃を渡せば、夢前は僅かに顔を歪める。しかし何も言わないので、俺はそれぞれのパーツを指さし、簡単に銃の扱い方を教えた。


 先行して行き場所を探りに行くのは三人だ。彼らが戻ってきた後、二グループに別れて安全な場所へ移動する。

 一時間弱ほど待つと、三人が戻ってきた。怪我も無いようで、ほっと愁眉を開く。ここよりかは安全な場所も見つけられたようだが、三人の表情はどこか晴れない。

「火のおかげで何も見えない訳じゃない。雨も小雨だし、動くなら今だ。けど、感染者の動きが妙なんだ」

 外は炎の明かりに加え夜明けが近いようで、空は橙色と薄い藍色が混じっている。薄暗いが完全な暗闇ではないだけ動きやすいだろう。……ただ。

「感染者が?」

「あぁ。マンションの近くに居た奴らはバタバタ倒れてるし、少し遠い奴らは爆発音には反応するのにすぐ興味を失う」

 こちらに害の無い行動ではあるが、いつもとは明らかに違う挙動だ。感染者の音への反応は凄まじい。人の声でなくとも音のした方向へは走り出すうえ、すぐ、と言えるほど一瞬で興味を失ったりはしない。

「倒れてる奴らは煙にやられたんだろう」

「下の方も煙はあったけど、すぐに気を失う程か?」

「一酸化炭素中毒は気づいたら体が動かないレベルだからな。感染者達は火災のもっと近くへ突っ込んでいっただろうし、ここらで倒れる奴らが居てもおかしくはない」

 爆発音への興味をすぐに失った感染者に関しても思考を巡らせるが、これといって原因らしいものは思い浮かばない。

「お前達は襲われてないんだろう? 他に変わった事は?」

「三人じゃ量が多かったから死角で様子見してたんだ。俺達には気づいてなかっただろうよ。それ以外は特に気になった事もない」

 そうか、と俺は頷く。音への慣れなのだろうか。しかし慣れる前に奴らは動く。

「こちらに害の無い動きなら気にしない方が良いだろう。いけそうか」

 時刻は午前四時前。想定外の事が起きれば救助の時間に間に合わせるのは厳しくなる。

 問いかければ、全員がバラバラと頷いた。



 一グループ目は夢前と不知火、動ける者が三人で動き、二グループ目は俺と藤堂、加えて後の二人だ。

 出発はグループ間で時間を空ける。ろくに連携がとれないのに大人数で動くのは危険だ。


 先行の出発から三十分程経ち、漸くマンションを出る。

 一人が先導する形で、もう一人は藤堂の横につかせて動くが、戦力不足感は拭えない。藤堂の口数も少なく、表情もあまり動かないせいで彼女の胸の内が分からない事も気になった。

 マンションから出る際は黒煙を警戒して布を口周りに巻く。

 しかしマンションを出てすぐ、感染者が背後から唸りを上げた。振り返り銃を構えるが、それよりも早く藤堂は落ち着いた様子で銃を使った。狙いは外れたが、あとの一人が対処する時間は稼げたようだ。

 驚いた様子ではあるが取り乱していない藤堂に、安堵の息をつく。彼女とてここまで生きてきた事に変わりはないのだ。


 しかし、と俺は眉を寄せる。

「気絶していた奴らが起き出したか」

 普通の人間なら動けないが、感染者ならば分からない。煙の薄い所まで来れば回復する可能性はある。

 普段の状態でも背後の感染者へ気を配る必要はあるが、マンションの辺りで倒れている感染者が多い事も考えると、いつもより警戒しなければならないだろう。向かっていった感染者が倒れるタイミングが同じであれば、同程度の時間で目が覚めるかもしれない。俺は間の悪さに内心舌打ちする。頻繁に後ろを確認する必要があるせいで想定より負担が大きくなった。


「なるべく横道に逸れながら行きます。時間はかかるけど……」

 先導を任せた奴が振り返る。俺は小さく頷いた。

 背後に気をやりつつ進んでいくと、進行方向には感染者が少ない事に気づいた。対処をするのはもっぱら後ろからの感染者で、前に居る感染者は迂回する事で回避出来る程だ。

 藤堂と位置を変わり、幾分遠くなった道のりを進む。

 ふっと空を見上げ、目を見開く。

「ヘリか」

 遠目ではあるが、ホバリングしているらしいのが見て取れる。距離的に先行のグループを発見して救助という訳ではなさそうだ。


「もしかして蛍さん達じゃないですか」

「そうだとしたら俺達が居る事も知らせてくれるな。ただそうなると」

「……入れ違いになるわよね? それに救助されるのがあの人達とは限らないじゃない……!」

 気付いた藤堂の肩が震える。救助が来ると考えて食料は最低限だ。マンションに戻ろうにも延焼が先か鎮火が先かで話は変わる。

「別な人の可能性は少ないですけど、少し急ぎましょう」

 それに頷き、血の気が引いたような藤堂に歩くよう促した。


 建物の死角から出て少し、パチリと何かが爆ぜる音がした。

「あっ!?」

 後方へ振り向けば、薄闇に慣れた目には眩しすぎる炎の塊。――――大きさは丁度人と同じ。

 間一髪、炎を免れた最後尾の男を引っ張り後ろへ下がらせる。走り出す炎の塊へ発砲するが、当たらない。走った痛みに顔を歪める。

「ゾンビか!?」

「分からない、っ」

 二発、三発と撃ち込めば、それは漸くばたりと倒れ伏す。振り向いて最後尾に居た男を見やる。少し背面の服は焦げていたが、本格的に燃え移りはしなかったようだ。

「とにかく早く合流を――」

 三人の顔が大きく引き攣った。藤堂が抑えきれなかった悲鳴を口の端からもらした。


 肩口に見遣れば、火だるまが幾つも幾つも、暗闇を裂いて走ってきていた。どれも俺達を目指しているというよりかは、半狂乱で走っているようだった。時折壁や電柱にぶつかりくずおれる。

「走るぞッ!」

 先頭の声に、押されるように走り出す。藤堂がすぐ近くになり、ぐんぐん前二人と離される。その息が荒すぎる事にも気付いて、俺はその腰を抱えた。

 そのまま膝の裏に手をやり、すくうように抱えあげる。

「掴まれ!」

 素直に首元へ腕を伸ばす藤堂は、やはり軽い。この状況では常だが、少し軽すぎるようにも思えた。走る度傷が痛み、腕が痺れる。息が切れるのが早い。

 必死に走り、辿り着いたのは小さなビルだった。先導していた奴がさっと俺の横を通り抜け、近い感染者へ発砲する。その間に入口へ走り、開いた自動ドアへ滑り込む。

「こっち! 上に……早く!」

 藤堂を下ろせば、先行していた内の一人が肩に手を添え連れていく。俺はすぐさま後ろの二人に支えられ、何とか階段を登る。

 だがマンションで休んでいる間にかなり体力は落ちたらしい。寝不足も相まってぐらぐらと視界が揺れ始めた。

「おい、大丈夫か!」

「もうちょっと頑張って!」

 耳元で張られる声に、瞼を持ち上げる。傷が絞られるように痛い。半ば体を引きずるように階段を登り、二階の踊り場で座らされる。

「俺は屋上に行ってくる。お前はここで休んでおけ。お前もここに」

「分かりました」

 もはや二人の声も遠い。腕の脱力感を感じながら、意識が沈む前にどうにか呟く。

「ヘリが来たら、三ノ輪達の安否を」

 瞼を閉じ切る直前に、困惑する声が聞こえたような気もするが、堪えることは出来なかった。

いつも読んでいただきありがとうございます。ご意見、ご感想お待ちしております。

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