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詩*卒業写真*

虹の行進曲

作者: a i o

水たまりに映る空を

覗いてた帰り道


おろしたての傘と

つま先の尖ったレインブーツ


雨への防御は

できていたのに

いつの間にか乾いた風が渡るよ


虹を追って行けば

辿り着くと信じた場所は

もう遠くへ行ってしまって

口笛にちょっとした思い出をのせるから

掠れてくメロディだけ連れて行っておくれ


どこか軽やかな蝸牛を

目で追っていた帰り道


たたまれた傘と

つるりと光るレインブーツ


雨への防御は

できていたのに

いつの間にか澄んだ空がのびるよ


虹を追って行けば

辿り着くと信じた場所は

もう遠くへ行ってしまって

口笛にちょっとした思い出をのせるから

掠れてくメロディだけ連れて行っておくれ


勇敢に濡れる人びとが

生きるあの場所へ

いつか行きたかった私が

晴れた空の虹をくぐるよ


ためらいを吸い込んだ肺で

唇から送る行進曲

勇ましい蝸牛が胸を張って

濡れた殻を背負い進んでいく


朗らかな陽が眩しくて

さした傘に

違うのにな、って

水たまりに映る空に

飛び込むレインブーツ


勇敢に濡れる人びとが

生きるあの場所へ

いつか行きたかった私が

虚勢を張って

晴れた空の虹をくぐるよ


虹を追って行けば

辿り着くと信じた場所は

もう遠くへ行ってしまって

今はただ

泣かないために贈りつづけるよ


違うのにな、って

呟きながら

踏み出した

濡れないつま先に捧げる行進曲









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