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第七章 その1 第七章 (完)

 幸せなこともこれ以上無いくらいあるが、苦しみからは逃れられない。抗がん剤もあまり効いていなく、体調は最悪だ。

 たくさんの人がお見舞いに来てくれ励ましてくれた。

意外な人もお見舞いに来た。吉川だ。吉川は気まずそうに「いろいろごめんな」と言った。

僕は誰がお見舞いに来てくれてもうれしかったもちろん吉川も例外ではない。「いいんだもう。こうやって来てくれるだけで俺うれしいよ」

「そうかよかった。出て行ってくれって言われたらどうしようかと思って」

「そんなこと言うわけ無いだろ」

そう言うと2人で笑った。

「朝木さんのこと大事にしろよ」吉川は真剣な表情で言った。

「もちろん」

「俺の分まで」

「わかってる」

 吉川もいろいろあったが朝木さんのことが好きだという気持ちには変わりないから、残念な気持ちもあるだろう。でもこうやって僕たちの関係を受け入れてくれた。僕はその気持ちに心の中で敬意を表していた。僕はいっそう朝木さんを幸せにしようと思った。

 サプライズもあった。ある日みそのと裕太がフットボール部のみんながボールに寄せ書きを書いた物を持ってきた。

「調子はどう?」みそのが言った

「まぁまあかな」あまりよくないがそう答えた。

「ちょっと元気無いみたいだけど」

「ちょっと熱があるだけだから、大丈夫」

「そうか、実はさ……」祐太は言った。

「どうしたの?」

「俺たち付き合うことになってさ」そう言うと、裕太は頭をかき照れくさそうに言った。

「まじか!」僕は調子が悪いことも忘れ驚きを隠せなかった。

「うん。ラブラブ」みそのが裕太の腕を組んで言った。

「お似合いのカップルだよ」

「マジで驚いたわ」

「だよな。でもおまえが朝木さんと付き合った驚きに比べれば大したことないぞ」

「そうかな」僕はまた照れながら言った。

「本当びっくりだよね。でもお似合いのカップルだよね。どっちが告白したの?」みそのが言った。

「私から」みそのが裕太の顔を見ながら言った。

「私ずっと裕太のこと気になってたんだ」

「あっそういえば裕太のことかっこいいって言ってたよな。みその」

「そう。裕太が鈍感だから。私から告白しちゃった」

裕太は終始照れて黙っていた。

「裕太何か言いなさいよ」

「え、ま、まぁそういうことだから。ともかく翼俺たち治るって信じてる、また一緒にフットボールしような」

「おう。二人ともお幸せにな」

「うんありがとう。」みそのが言った。


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