歩き出す
長らく放ったらかしですみません!!m(;∇;)m
私生活の方にも余裕が出来てきたので、更新再開します‼
良ければ読んでやって下さい!!!。:+((*´艸`))+:。
「ごめん……」
目元を赤く腫らして貴方は笑った。
あれから泣き続ける貴方を、抱き締めることも、撫でることも出来ずに、ただ握られた手を握り返すことしか出来なくて。たった数十分の時間が何時間にも思えた。
「落ち着いた?」
「ん…」
泣いた後だからか元気がないけど、少しスッキリした表情をしている。
「変わらないね、泣き顔も、その後の笑顔も」
麦茶を飲みながら小さく笑うと、貴方は悪戯な笑みを浮かべておどけたように笑う。
本当に、変わらない。
懐かしさと愛しさが、私の胸を締め付ける。
「そんな調子で大丈夫なの、アメリカ行き? そんな泣き虫なまんまじゃ行けないよ?」
疼く想いから気を逸らそうと何気なく言った言葉。大した意味はなかった。だけど…。
「行くよ」
きっぱりとした、貴方の言葉。不意に頭を殴られたような気分だった。そしてようやく思い知った。どれだけ貴方を、必要としていたのかを。
「…………」
「? どした?」
何も言わなくなった私を覗き込み、気遣う貴方。何でもないと笑った私を見つめて不服そうな顔をしている。
「本当に、何でもないから大丈夫だよ」
そう言って笑うと、少しだけ安心したような顔になり、
「そっか。じゃあ、言いたくなったら言ってね」
と笑った。昔からそう。泣き虫で、気の弱い所があるのに、人のことをよく見ていて、隠し事なんてすぐにバレた。全く、かなわないなぁ。
同じぐらい、私も貴方には敏感だった。機嫌や体調が悪いときも、思いを溜め込む癖なんかも、いつも一番に気付くのは私だった。今回の件もそう。些細な変化に気付いて私が問いただした。はじめは渋って言わなかったけれど、諦めずに訊き続けたら教えてくれた。アメリカ行きの話しがあること。それを断ろうとしてたこと。理由は『私を悲しませるから』。勿論すぐに却下した。私を理由に夢を諦めるなんて許さない、と。
その日から何度も何度も話し合って、ようやく貴方は頷いてくれて、アメリカに行って、夢を叶えると約束してくれた。
読んでくださってありがとうございます❗
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