クリスマス (case 千津)
千津目線です。クリスマス関係ないかも。ただ、星がデレるだけです(笑)好きな女の子には優しいっていう。
クリスマスまで残り僅かというある日の放課後。私といつものメンバーは、なかなかやってこない他の部員を待っていた。
「ねぇ、お姉ちゃん!クリスマスどうすんの?」
「え?」
菜穂の質問の意図を理解できなかった私の脳内は‘?,だらけになった。
「どういうこと?毎年、ケーキ買って食べてプレゼント貰って終わりでしょ?」
私の言葉に、優李までもが怪訝な顔になった。
「……私、変なこと言った?」
「えっと、千津?菜穂が言いたいのは、彼氏がいるのに予定ナシなの?ってことじゃない?」
みんなが言っていた言葉の意味を理解した後、彼氏という言葉に一瞬にして顔が熱くなった。だって、まだなれなくて!!イベントで思い出さない程度に!
「そう!さっすがユウリィ!」
わからなくってすみませんね。
「うーん……にしても、千津って鈍感だね。」
「今に始まったことじゃないでしょ。彼氏さんは、哀れだけどね。」
「だってよ、星?」
私達の視線は自然と私の彼氏……星くんに集まった。
「俺は別にどうでもいいけどね。クリスマスなんてキリストの誕生日ってだけだし?……千津が一緒にいたいって言うなら別だけど。」
「星ってツンデレだった!?」
「違う。」
星くんが翔馬くんの首を絞めながら否定した。
「千津、どうするの?デートする?」
星くんが、ぐっと近づいてきた。私の頭は、そのことに気づく余裕もなくなり、デートのことでいっぱいになった。
「したい!デートしたいです!」
即答すると、星くんはふわっと笑った。
「じゃあ、約束な。プレゼントは……この前欲しがってたネックレスでいい?」
「い、いいよ!あれ、高かったじゃない?もっと安いので……」
あれ、私のおこづかいで買える値段じゃあなかったよ!?
「でも、欲しいんだろ?」
「う、うん。」
「じゃあ、千津からもクリスマスプレゼントを貰うってことでどう?」
「ん―。……分かった。」
やっぱり欲しかったし、星くんからアクセサリーを貰えるとは思わなかったし。
その時、星くんがさらに近づいてきた。私は、優李曰く、ゆでダコのようになった。
「かわいいよ。」
星くんは、私にしか聞こえないように耳元で囁くと、そのままキスをした。キャーっとか、ヒューヒューっとか、リア充爆発しろとかやめ!!
キス自体は……正直言って、嬉しかったけど。みんなの前では止めてほしかった。だって、恥ずかしいじゃない?
周りが騒いでいる中、星くんはまた耳元で
「千津からのプレゼントは、千津からのキスな?」
と、私においうちをかけた。
もう一度近づいてくる星くんの笑顔を見ながら、きっと私は逆らえないのだと、目をとじたのでした。