この国が島国じゃなかったら
もしもこの国が島国じゃなかったら
もっと世の中明るくてみなが暮らしやすい
温かな場所だったかもしれない
でもそんなことを考えたところで
今いる世の人々はそのもしもの世界に存在しないわけだし
なんの期待もできない
しかしながらそんなことに思いを巡らせてみると自らの性質と現実の有様との不適合に悩む人々に
少しだけ優しくなれるような気がする
だけどそんな世界に私は存在しないし
私の大切な人も存在しない
言ってしまえば私と関係するすべての人が存在しない
その間の矛盾を埋めるのが
人の理性を活用した哲学
もしもこの世界にある人が認識できる善と悪が
いつかは命を失う人間が勝手に決めた概念に過ぎないのならば
哲学ほど空虚なものはなく
哲学ほど疲れるものはない