恋の悩み。
ファーストフードのバイトを初めて三ヵ月がたった。
バイトの方々との関係も順調で毎日楽しく仕事していた。
バイトの休みの日もバイトしてなきゃ落ち着かなくなって家で何をしていいか分からなくなっていた。
一日の中でバイトが一番の楽しみになっていた。
今日はバイト休みだ。
六日連続でバイトをしていたので休みが久しぶりに感じる。
そこで久しぶりに友達の家に行った。
いつもバイトで疲れてしまって家に帰ったらすぐに寝てしまうので今日は思いっきり遊ぼう。
友達の家について好きな人のことを話した。中村さんのことだ。
「そっか。好きな人ができたんだ。それで?どうなの?ちゃんと進んでる?」
「それがなぁ。まったく話してないんだ」
そうなのだ。
まったく話をしていなかった。
自分が好きと気付いた途端に話せなくなってしまった。
「マジかよ。ダメじゃんか。もっと話してお互い分かりあわないと。」
「それは分かってる。分かってるけど話せない。」
正直焦っていた。
「じゃメールは?」
「メール?」
「メールなら話せるだろ?」
自信たっぷりに言われた。
「そうかなぁ??メールでも話せないもんは話せないと思うけど。」
僕は携帯はもっていたがメールなどほとんどしなくて電話ばっかり使っていた。
メールなんてめんどくさいし遅いからいつも電話だった。
「とりあえず、携帯番号聞いちゃえよ。そうすればいつでも連絡とれるんだから!!」
少し考えて、
「そうだな。そうする!」
しかし中村さんとの別れの時が足音をたてて近づいていた。
その音は良樹の耳には届いていなかった。




