最後の笑顔。
ある日僕は君に呼びだれされた。
ここ二、三日君は元気がなくて心配だった。
待ち合わせの場所に行くと、なんだか思い詰めた表情をして君は待っていた。
「やっぱりまだ立ち直れないよな……。焦ることないよ。ゆっくりで……。」
僕は励ますようにゆっくりと言った。
「ごめんね。まだ………無理みたい。」
今までの笑顔はそこにはなかった。
悩んで……苦しんでる……。
でもその時の僕はそこまで深くは考えてなかった。
一時的なことだ。時間が立てばまた笑顔を取り戻してくれる。
そう思ってた。これが間違いだった……。
「あんなことがあったんだから……。しかたないよ。誤ることじゃない。」
「あのね………良樹……。」
言いづらそうに話始めた。
「すこしね……。距離おきたい。私が今、こんな状態だから付き合ってても楽しくないと思うの……。良樹にも迷惑かけちゃうと思うし……。今ね……………誰にも会いたくないの。
でも立ち直ったら連絡するから。絶対に連絡するから!」
一人で悩んで考えて決めたことなんだろぅ……。
僕にそれを否定することが出来なかった。
ここで嫌とか言えば君はもっと悩んじゃう……。
それが恐かった。
よけいな悩みを増やしたくなかった。
「わかった。元気になったら連絡しろよ!待ってるから!」
「あの……もう一つ…。」
「なに?」
「他に彼女つくらないで私のこと待っててほしいの……。ヤダ?」
なんだ。そんなこと考えてたんだ。
「一人で待ってるよ。約束する!」
「ワガママ言ってごめん………。」
しばらく二人の間に沈黙が流れた。二人ともいろんなことを考えていた。
「じゃ帰るね。」
うん。と僕が返事をすると君は振り返り歩き始めた。
僕はなにかひっかかる点があった……。
さっきの言葉……。
なんだ……。
そうだ!!
言わないと!
しばらく会えないから!
「おい!」
君は足を止めて振りかえる。
「今まで自分勝手とかワガママに付き合ってきたけど……。
迷惑って感じたことないからな!
嫌だとか思ったこと一回もないからな!」
言いたいことは言えた。
でもこの言葉だけじゃたりなかったことに気付いたのは半年後……。
遅すぎた……。
「じゃ連絡待ってるから!!」
最後に君はニコって笑って手を振った。
その笑顔が僕が見た最後の笑顔だった。
なんど思い返しても後悔しか残らない……。
君の最後の笑顔……。
その笑顔は、可愛くて、眩しくて、でもなにか思い詰めたような………。
そんな笑顔だった。
高校三年10月の出来事だった……。
どもっ!!天龍っす!読んでくれてありがとうごさいました☆☆感想バンバン待ってます(^_-)




